乃木坂46梅澤美波・菅原咲月が語る“キャプテン・副キャプテン”の役割「グループを守っていきたい」

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2025年11月26日 13:50  クランクイン!

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乃木坂46・菅原咲月(左)と梅澤美波(右)  クランクイン! 写真:山田健史
 結成15年目、40枚目のシングル「ビリヤニ」で新たな節目を迎えた乃木坂46。現在のキャプテンを務める3期生の梅澤美波と、副キャプテンで5期生の菅原咲月は、お互いに厚い信頼を寄せる。二人三脚でグループを支えるようになり、まもなく1年。新加入した6期生の2人が初の表題曲センターを務め、長く活動を共にしてきたメンバーの卒業も重なるシングルを境にして、なおも、乃木坂46への愛を強める。

【写真】キャプテン&副キャプテン対談 梅澤美波&菅原咲月の撮り下ろしカット

■Wセンターの6期生は「初々しさと面白さのバランスが絶妙」

――最新シングル「ビリヤニ」は、グループにとって40枚目となる節目の作品です。

梅澤:メンバーとしても、長く続くグループなんだと改めて感じます。17thシングル「インフルエンサー」に収録の3期生曲「三番目の風」からシングルに参加しているので、半数以上のシングルでオリジナルメンバーとして参加できているのがうれしいし、いろんな感情が湧いてきます。

菅原:私は29thシングル「Actually...」に収録の5期生曲「絶望の一秒前」からの参加なので、好きでいた期間の方が長いのは不思議。今は、先輩の衣装を借りて、先輩のポジションでファンとして見ていた当時の曲を披露できるのがうれしいです。

――表題曲では、初の選抜入りとなった6期生の瀬戸口心月さんと矢田萌華さんがWセンターに立っています。

梅澤:Wセンターの曲は、単独で誰かがセンターに立つ曲とは違った物語があると思っています。6期生が初めてセンターに立つタイミングで、Wセンターで、となったら心月ちゃんと萌華ちゃんはピッタリだと思いました。こうしたインタビューで質問されて返すときも同時にしゃべってしまったり、2人には独特のテンポがあるんです。初々しさと面白さのバランスが絶妙ですし、2人のセンターにはワクワクします。

菅原:愛おしいんですよね。心月ちゃんと萌華ちゃんはMV撮影の現場で気を張っていたと思うんですけど、2人っきりの時間で見せる笑顔が微笑ましかったです。

――2月加入の6期生は、4月の「初披露の会『はじめまして、6期⽣です』」でステージデビュー。当日の司会を務めた梅澤さんと菅原さんは、約7ヵ月間の成長をそばで見守ってきました。

梅澤:5月の「13th YEAR BIRTHDAY LIVE」や7〜9月の「真夏の全国ツアー2025」もあって、まだ7ヵ月かと感じるほど成長が早いです。それは、6期生のみんながグループと向き合ってくれている証だと思います。ステージでは目をうるませながらパフォーマンスしている子もいて、先輩の私たちも「もっと頑張らなきゃ」と背中を押されました。

菅原:ツアーでは煽りに苦戦して「どうしたら大きい声を出せますか?」と聞いてくる子もいました。先輩から学ぼうとする姿勢が、成長を早めている理由だと思います。本番ではモニター越しに見た、6期生のパフォーマンスに釘付けになって。ひたむきに頑張る姿を見て、気持ちが引き締まりました。

■久保、松尾、矢久保…卒業への思いとは


――最新シングル「ビリヤニ」の活動をもって、3期生の久保史緒里さんが卒業。9年強、同期として活動を共にしてきた梅澤さんの心境は?

梅澤:素直に寂しさを伝えるようにしています。でも、久保本人は照れくさいのか、ケロッとしているんです(笑)。26〜27日の卒業コンサートを控えているのにメンバーを気遣ってくれるし、私にも変わらず「あなたはやりたいことをやったらいいのよ」と励ましてくれました。

――菅原さんは後輩として、教わったこともたくさんありそうですね。

菅原:久保さんの卒業を近い将来なんとなく予感していて「真夏の全国ツアー2025」では「シンメ(トリーのポジション)ができてよかったです」とか、とにかく感謝を伝えていました。言葉ではなく行動で私たちに示してくれることが多く、梅さんと一緒でオリジナルのパフォーマンスにリスペクトを持っていらっしゃる姿勢を受け継いでいきたいです。

――久保さんと同じく、4期生の松尾美佑さんと矢久保美緒さんも卒業。次の道へ進むメンバーの決断を聞くたびに、込み上げる思いは?

梅澤:先輩たちの卒業を見送っていたときは寂しくて仕方なかったんですけど、今は「私たちはグループをつないでいくし、卒業する子にも新しい道が待っている」と前向きに捉えられるようになりました。でも、同期と後輩では、捉え方の違いもあります。同期が卒業を決めたときは本人に聞く前から不思議と分かりますし、見送る日まで一緒にいられるのが純粋にうれしいです。でも、後輩は私たちからすればかわいい妹ですし、松尾と矢久保は3期生への愛をすごく伝えてくれたので、やっぱり寂しさが勝ってしまいます。

菅原:私はまだ、卒業に慣れなくて。先輩方から発表を聞くたびに「卒業しないでほしい」と思うし、寂しいです。でも、ここ1年ほどは「悔いを残さないために、一緒の時間を過ごせるうちに感謝をしっかり伝えよう」と思えるようになりました。

■梅澤が抱いていた菅原への信頼


――梅澤さんは、2021年11月に初代副キャプテンとなり、2023年2月に3代目キャプテンへ就任。菅原さんは2024年12月に2代目副キャプテンとなって、まもなく1年です。お互いの役割を、どのように考えていますか?

梅澤:副キャプテンだった当時はまだ、自分ファーストでした。でも、キャプテンになってからはグループとしての見られ方に意識が向いて、全員を代表するためにスタッフさんやメンバーの声を汲み取ることを心掛けるようになりました。スタッフさんにメンバー目線の意見を伝えるのも仕事で、「真夏の全国ツアー2025」の神宮(明治神宮野球場)公演では、グループの節目となる10回目の神宮公演だったので「歴史の重みを振り返りたいです」とスタッフさんにお伝えして、「Sing Out!」と「真夏日よ」の幕間で流す神宮公演の回想VTRを作っていただきました。

菅原:梅さんから副キャプテンを継いで、就任直後は何も分からない状態だったんです。キャプテンと比べて明らかな役割があるわけでもなく、どう立ち回るべきかはすごく考えました。でも今は、乃木坂46という看板のプレッシャーを梅さんと半々で分けられるように、キャプテンを支えながら、そばでしっかり立っていたいと思っています。

――メンバー同士で旅をする配信番組『乃木坂、逃避行。SEASON3』(Lemino)では、梅澤さんが、副キャプテンは菅原さんしかいなかったと話していました。

梅澤:5期生の加入直後から、菅原は自分ではなく、他のメンバーについて話すことが多かったんです。周りをよく見ていたのは、メンバーを静かに見守っていた歴代キャプテンと重なっていたし、5期生で副キャプテンになるなら「菅原が向いていると思います」とスタッフさんにも伝えていました。相手への思いやりやグループ愛にもシンパシーを感じていたし、先輩とも物怖じせずコミュニケーションをはかれるので、適任でした。

――ただ、2人ともグループを代表する立場ながら、1人のアイドルでもあって。自分をアピールする上での苦労もありそうですよね。

梅澤:キャプテンに決まった当時は苦しくて、メンバーとしては1人のプレイヤーでもあるので「個性が出しづらくなるかもしれない」と悩みました。でも、結成から15年目になったグループで、歴代では(桜井)玲香さんと(秋元)真夏さん、私の3人しか務めていない役割だと、途中で気が付いたんです。キャプテンも個性ですし、キャプテンでありながらくだけた姿も見せると決めてからは、楽になりました。

菅原:すごい(笑)。私はまだ、梅さんのように悟っていないし、求められる役割の中で自分を出すのは目標です。でも、就任から1年でようやく副キャプテンへの誇りを持てるようになってきました。落ち込んだときは同期に弱音を吐いて、励ましてもらっています。

■「乃木坂46を応援してもらう理由」を作らなければ


――1人でグループを背負っていた時期もある梅澤さんは、菅原さんが副キャプテンとなって、救われる部分もあったのではないでしょうか?

梅澤:キャプテンは孤独だと思っていたんですけど、ライブ開演前の円陣では常に菅原が隣にいてくれるし、同じ目線でグループを見るメンバーができたのは心強いです。「13th YEAR BIRTHDAY LIVE」では、私がリハーサルに参加できなかった日に、6期生を支えてくれたとスタッフさんから聞きました。

菅原:キャプテンがいるかいないかで場の引き締まり方が違いますし、私が率先して動かないといけないなと思いました。6期生は加入から間もなくて、今より何も分からなかったはずですし、自然に支えたいと思いました。

――そうした経験の裏では、菅原さん自身の成長もあったと思います。

菅原:梅さんと一緒にグループを引っ張る立場ですし、1つ1つの発言について、その意味を深く考えるようになりました。でも、最初からそうだったわけではなくて。副キャプテンを任された当時は、何を言えばいいのか正解が分からず、考えすぎて言葉がほとんど浮かばない時期もありました。梅さんとMCの出番を半々で分け合おうと決めた、今年の「真夏の全国ツアー2025」で、ようやく自信を持つことができました。

――二人三脚で率いるグループの現在、そして、未来をどのように考えていますか?

梅澤:キャプテンになってからの乃木坂46は、3〜5期生の新体制となり、6期生が新たに加入して目に見える変化がありました。でも、変化が続くわけではないし、いろんなアイドルの形がある時代で、ファンの皆さんを飽きさせないためには「乃木坂46を応援してもらう理由」を私たちが作っていかなければいけないと思っています。

菅原:6期生はそれぞれが乃木坂46らしさを持っているし「自分たちも頑張らなきゃ」と、いい影響を受けていると思います。グループらしさとは何かと、言葉にするのは難しいんですけど、私たちも受け継ぎながら、この先もグループを守っていきたいです。

梅澤:グループを引っ張る立場として、自分の言葉や行動がメンバーに響くようにしたくて。人として信頼される存在であり続けなければいけないし、キャプテンとしての威厳も保ちながら、誰よりもみんなに愛情を持って接していきたいと思います。

(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:山田健史)
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