恐竜を模したマシンカラーリングで人気を博すAOレーシングの"レキシー”こと77号車ポルシェ911 GT3 R。2026年はアップデートキットを用いて“エボ”となる予定だ ニック・タンディは、来季2026年に向けIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTPクラスからGTDプロクラスへ転向し、イギリスの新星ハリー・キングとともにAOレーシングの『ポルシェ911 GT3 Rエボ』でフルシーズンを戦っていく。
過去3年間、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)に所属していたタンディは、水曜日に発表されたチームのラインアップから姿を消したが、同日にAOによってアナウンスされた内容によって41歳のこのイギリス人ドライバーの去就が明らかとなった。
2024年にGTDプロクラスを制した同チームは、タンディが25歳のキングと“レキシー”の名で知られる恐竜カラーのポルシェをシェアすること、加えてアレッシオ・ピカリエッロが、デイトナ24時間やセブリング12時間など5つの耐久レースで構成されるIMSAミシュラン・エンデュランス・カップ(IMEC)に復帰することを確認した。
これはAOのラインアップがまったく新しいものになることを意味する。今季2025年はラウリン・ハインリッヒとクラウス・バッハラーがシーズンを通して“レキシー”を走らせてきた。
イリノイ州を拠点とするチームで2024年にGTDプロチャンピオンに輝いたハインリッヒは、タンディと入れ替わるかたちでGTPクラスへの昇格が決定。ペンスキーが運営する7号車ポルシェ963のサードドライバーとして、IMECレースでフェリペ・ナッセとジュリアン・アンドラウアーのコンビに加わる予定だ。
「ニック(・タンディ)、ハリー(・キング)、そしてアレッシオ(・ピカリエッロ)をAOレーシングと“レキシー”に迎えることができ、大変うれしく思う」と語るのは、チーム代表のグンナー・ジャネット。
「このラインアップは、GTDプロ・チャンピオンシップを戦うためのスピードと経験の完璧な組み合わせだと考えている。全員で新しい2026年型ポルシェ911 GT3 Rエボとともにデイトナでスタートを切るのが待ちきれない」
ル・マン24時間とニュルブルクリンク24時間、さらにスパ24時間での総合優勝に加え、今年新たにPPMの7号車ポルシェ963を駆りデイトナ24時間とセブリング12時間の栄冠を追加し“耐久ビッグ6”制覇を成し遂げたタンディ。彼にとって2026年は、コルベット・レーシングに在籍した2021〜22年以来、GTレースに本格復帰する年となる。
「AOレーシングはここ数年、スポーツカー・パドックにおいてもっとも人気があり、フレンドリーでありながら熾烈な競争心を持つチームのひとつであることを証明してきた」とタンディは語った。
「来年、このチームに加入できることを非常にうれしく思っている。“レキシー”は現代のもっとも象徴的なレーシングカーのひとつだ。チームには多くの旧友がおり、彼らとふたたびレースを楽しめることに興奮している。そして、新しい友人にも出会えることを楽しみにしているんだ」
「ハリー(・キング)とアレッシオ(・ピカリエッロ)は以前からよく知っている。ふたりとも並外れたスピードがあり、献身的なプロフェッショナルなので、今シーズンがどのような結果をもたらすのか、今から楽しみだよ」
一方、日本のスーパーGTにも参戦したキングは、フェルスタッペン・ドットコム・レーシングからGTワールドチャレンジ・ヨーロッパに参戦し、エンデュランス・カップにおいてゴールドクラスのタイトルを獲得したシーズンを終えたばかりだ。
「AOレーシングと組んでIMSAチャンピオンシップでフルタイムデビューできることをうれしく思う」と語ったキング。
「僕を信頼してくれたグンナーとポルシェに感謝している」
「これまで“レキシー”の進歩と結果をつねに注視してきた。今度はチームメイトのニックとアレッシオとともに、その成功リストに新たな1ページを加えることを楽しみにしている。ドライバーとチームの素晴らしい組み合わせだと思うし、良い予感がする」
[オートスポーツweb 2025年11月27日]