現役SFドライバー3名がもてぎでスーパーフォーミュラ・ライツをドライブ「ひさびさに乗ると難しい」

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2025年11月27日 21:00  AUTOSPORT web

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スーパーフォーミュラ・ライツ第6大会もてぎの木曜走行でDeloitte. HTP TOM’S 320をドライブした坪井翔
 11月27日から、栃木県のモビリティリゾートもてぎで全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第6大会の専有走行がスタートした。今回は15台がエントリーしているが、その走行初日の2回の専有走行では、3人の現役スーパーフォーミュラドライバーがステアリングを握る珍しいシーンが見られた。

 若手の登竜門として、また腕を磨くジェントルマンドライバーたちによって、毎戦緊迫したレースが展開されているスーパーフォーミュラ・ライツ。ダウンフォース量が大きく、スーパーフォーミュラやスーパーGT GT500クラスで必要とされるスキルを身につけることができるカテゴリーだ。

 そんなスーパーフォーミュラ・ライツでは、大会によって走行時間は異なるが、木曜の専有走行のみその週末のレースに実際に参戦する以外のドライバーがステアリングを握ることができる。通常、マスタークラスのドライバーに代わって参加することが多く、清水康弘(GNSY RACING 324)のコーチングを務める影山正美や、DRAGON(TEAM DRAGON 324)のコーチ役の関口雄飛や木村偉織がエントリーしているほか、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)のコーチ役の佐々木大樹は毎大会木曜に走行している。

 今回の第6大会は特に木曜のみ走行するためにエントリーしたドライバーが多く、影山、関口、佐々木、木村に加え現役GT500ドライバーの名取鉄平、さらに三宅淳詞、小出峻、坪井翔という現役スーパーフォーミュラ参戦ドライバーが名を連ねた。この日は佐々木、小出、三宅、坪井が実際にもてぎをライツで走行している。

 2024年のスーパーフォーミュラ・ライツチャンピオンである小出はまだしも、坪井は2018年にスーパーフォーミュラ・ライツの前身である全日本F3選手権でチャンピオンを獲って以来レースではドライブしていないし、三宅は2021年以来のスーパーフォーミュラ・ライツのドライブになったという。

「スーパーフォーミュラでチャンピオンが獲れなかったので、ライツからやり直しということです(笑)。しかも今日はあまり速くなかったので、FIA-F4からやり直しかもしれません(笑)」と冗談を言うのは坪井。この日は古谷悠河が通常ドライブするDeloitte. HTP TOM’S 320、小林利徠斗のモビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DCの2台をドライブした。

「今季、TOM'Sは4台参戦していますが、4人のエンジニアがいて、それぞれの考え方もありますし、それぞれのクルマの素性も含めて2台を乗り比べて、方向性等も確認しました。例年、TOM'Sは岡山ともてぎで苦戦していることもあり、それを打破するためにベースの方向性や車両評価のために呼ばれました」

 ひさびさのこのクラスのレーシングカーをドライブした坪井は今季F1まで経験しているが「僕が乗っていたときとはクルマもタイヤも違いますが、最近はSFやGT500など、ハイパワー、ハイダウンフォースのクルマに乗っているので、ひさびさに乗ると難しいと感じます」というから面白い。

「ライツはライツの走り方がありますし、『こんな感じだったな』と思い出しながら走りましたが、変えなければいけない部分も大きいです。少しパッと乗ったくらいでは、現役のライツのドライバーほど速く走れないですね。でも、ひさびさに運転の技術を学ぶ……ではないですが、ローパワーのクルマでどう速く走るか、これはこれで勉強になりました。良い機会をいただきました」と坪井は評価を終えもてぎを後にした。

 また、「僕が乗っていたときとはエンジンもタイヤも違いますからね。雰囲気はやはりあの頃とは違います」というのは、今回DRAGONのコーチングも兼ねてTEAM DRAGON 324の30号車をドライブした三宅。

「スーパーフォーミュラ・ライツはストレートがあまり速くないのに、コーナリングは異次元に速いんですよね。だから、あの『減速しない感覚』はひさしぶりでした。スーパーフォーミュラもコーナリングは速いんですが、例えば300km/hから200km/hに落とす感覚なんです。でもライツは、240km/hから200km/hのような感じで減速量が少ないので、そのあたりは最初に違和感がありましたね」

 現在スーパーフォーミュラで活躍する多くの日本人ドライバーが全日本F3/スーパーフォーミュラ・ライツ出身だが、現役のSFドライバーたちでも学ぶ点や気づきが多いというのは興味深い。彼らのコメントがこのカテゴリーの特性をよく表していると言えるだろう。

[オートスポーツweb 2025年11月27日]

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