ピレリ、カタールで周回数を制限する理由を説明。サーキット特性や温度による摩耗率の高さを指摘

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2025年11月28日 19:00  AUTOSPORT web

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11月28日から30日にかけて、2025年F1第23戦カタールGPが開催されるルサイル・インターナショナル・サーキット
 ピレリは、11月28〜30日にルサイル・インターナショナル・サーキットで開催されるカタールGPで、各タイヤセットに『25周』の使用制限を課すという自社の決定を擁護し、FIA国際自動車連盟とF1が安全上の懸念からその要請に同意したことを挙げた。

 今月17日に発表されたこの決定は、ルサイルでのレースの質に多大な悪影響を及ぼすことになるだろう。なぜなら、少なくとも2回のピットストップを強いられることになるため、仮に全員がそろって2ストップを選択した場合、唯一の戦略的な変化は各ドライバーがミディアムとハードのコンパウンドを使用する順序によって生まれることになるからだ。

 イタリアのタイヤメーカーは、プレビューのなかで次のように述べた。「レースウイーク開始時にチームに供給されるタイヤ各1セットあたり、ルサイルのコースを最大25周走行できる。周回数は、セーフティカー(SC)またはバーチャルセーフティカー(VSC)の下でのラップを含め、すべてのトラックセッションにわたって累積的にカウントされる」

 ピレリは「グリッドまでの周回、フォーメーションラップ、そしてスプリントとグランプリのチェッカーフラッグ後に完了した周回はカウントに含まれない」とつけ加えるとともに、「グランプリのスタート前に、は各セットの残り周回数をチームに通知」するとしている。

 ピレリは、今回の決定を次のように擁護した。「FIA、F1、そして各チームと合意したこの制限は、昨年のようにタイヤが最大摩耗レベルに達するのを防ぐために決定されたものだ。昨年はタイヤが耐用寿命を過ぎてもデグラデーション(摩耗による性能低下)を管理して使用された。しかし、そのようなケースではタイヤの構造に過度の負担がかかってしまう」

 ピレリは、2021年に初めて行われたグランプリの後、ルサイル・インターナショナル・サーキットの縁石が変更された後のレースでも、タイヤのカットやパンクに悩まされたことを受けて、次のように述べた。「ルサイルのコースのコーナーの多くは高速であるため、タイヤが回復する時間がほとんどない。もっとも酷使されるセクションはターン12から14だ。非常に滑らかな路面では、通常グレイニング(ささくれ摩耗)が発生し、タイヤの摩耗率が高くなる一因となる」

 事態をさらに複雑にしていることについて、「カタールの週末は高温が特徴的だ」とピレリは指摘した。レースは夜間に開催されるにもかかわらず、湿度が高く、さらに日中に蓄積された熱も加わってコクピットは非常に過酷な環境となり、過去数年間、グランプリ終了後に体調を崩すドライバーもいたほどだ。タイヤの観点から見ると、今年の序盤のレースで明らかなように、現在のコンパウンドのレンジではこの現象に対する耐性が高まっているように見えるとしても、路面温度によってグレイニングが発生する可能性がある。

 これらすべての要素が組み合わさって、ルサイルはF1にとって今シーズンもっとも難しい4つのトラックのひとつとなっている、そのためドーハでは、ピレリのタイヤラインアップのなかでもっともハード寄りの3つのコンパウンドが選択された。

「鈴鹿で経験したのと同等のエネルギーレベルにタイヤがさらされるコースでは『C1』『C2』『C3』が当然の選択となる。実際、これらはこのグランプリで使用された唯一のコンパウンドだ」とピレリ。「この3つのコンパウンドは、今年すでに3回使用されている。いずれもシーズン序盤の日本、バーレーン、スペインでのことだ」

[オートスポーツweb 2025年11月28日]

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