
【写真】佐賀ロケの温かみが感じられるメイキングショット
原作は、『川のほとりに立つ者は』で本屋大賞にノミネートされた寺地はるなの同名小説。弟の死により現実を見なくなった母親を筆頭に、家族誰もが“不都合な真実”から目をそらし、それでもなお一緒に暮らしている、機能不全の羽猫家の約30年間を描く。脚本は『浅田家!』で日本アカデミー賞脚本賞を受賞した菅野友恵。
主人公・羽猫山吹(はねこ・やまぶき)を演じるのは、映画『劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション』『盤上の向日葵』、ドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』など出演作が相次ぐ高杉真宙。山吹の幼なじみで恋人となる佐藤頼役を伊藤万理華、山吹の初恋の相手・遠山かな子役を深川麻衣が務めるほか、母・雪乃役に安藤裕子、姉・紅(べに)役に向里祐香、父・淳吾役に安田顕、そして祖母役に余貴美子、祖父役に柄本明と、幅広い世代の実力派俳優が集結した。
さらに、お笑いタレント・脚本家・女優と多彩な顔をもつヒコロヒーや、本作の舞台となる佐賀出身のはなわなど、バラエティ豊かなキャストが脇を固めている。
本作の撮影は2024年、原作の舞台である佐賀県で全編ロケが行われた。撮影が実施されたのは、小城市、佐賀市、そして原作者・寺地の出身地である唐津市をはじめ、佐賀県内7市30か所となる。森ガキ監督は「佐賀県の歴史ある橋、田園と山並み――独特の空気が物語と響き合いました」と明かしており、原作の映画化にあたって佐賀ロケは必然だったという。
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中でも、物語の中で度々登場する“遊園地”という場所は重要なポイントとなった。撮影は、佐賀県民になじみ深い嬉野の家族向けレジャー施設「森とリスの遊園地 メルヘン村」で行われた。森ガキ監督は「遊園地は唯一無二でしたね。山吹の祖父が作るのはこういう遊園地なんだろうなって思う雰囲気があって、現場全員が惚れ込んだ場所です」と強い思い入れを語る。
また、本作では佐賀での全編ロケだからこそ撮れた風景が多く登場するため、あえて名称を露骨に出さず、日常の一コマを切り取ることを意識したという。「畑の絵を観た佐賀の方が“あれ、すごく佐賀だ”と言ってくださって、うれしかったですね。ロケ中は、スタッフ・キャストが街に“住んでいる”ような状態で、歩いていると“お疲れさまです”と声を掛け合うような雰囲気に。ご飯も最高でした」と、現場が街に溶け込んでいた様子を明かしている。
さらに、「遊園地には“ドン・グリス”というキャラクターがいて、テーマ曲『ドン・グリス』曲中の『ドンドンドンドン ドン・グリス〜♪』が永遠ループ(笑)。グッズも攻めていて、ガチャのバッジはホラー風味なんです。全員で頭から離れなくなって、打ち上げに、実際に作詞作曲をして歌われている徳久望さんがサプライズ登場。全員で大合唱というカオスな夜でした」と、佐賀ロケならではの意外な撮影エピソードも明かされた。
今回解禁されたメイキング画像でも、のどかな風景が続く中で撮影に挑むスタッフたちの姿や、まるで隣家を訪れたようなリアルな空気感漂う羽猫家の台所や居間を切り取った1シーンが映し出されており、穏やかな笑顔で撮影チームと記念撮影を行う主演・高杉の姿も確認できる。
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映画『架空の犬と嘘をつく猫』は、2026年1月9日より全国公開。

