BMWから鞍替えのMBモータースポーツ、来季はカローラを投入。プラトは名門RMLと提携か

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2025年12月01日 18:00  AUTOSPORT web

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レーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツが、トヨタ陣営スピードワークス・モータースポーツ(SWM)との新たな提携契約を締結
 2025年限りでシリーズ卒業を表明したジェイク・ヒルと組み、昨季2024年にはドライバーズチャンピオンも獲得したレーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツが、トヨタ陣営スピードワークス・モータースポーツ(SWM)との新たな提携契約を締結。2026年のBTCCに『トヨタ・カローラGRスポーツ』の2台体制で参戦することを発表した。


■マーク・ブランデル「新たな章をスタートできることを大変うれしく思う」

 過去4年間、シリーズを代表する“古豪”ウエスト・サリー・レーシング(WSR)と提携してきたMBモータースポーツは、新たにスピードワークスからのオペレーションサポートに加え、2020年からチームの成功に大きく貢献してきた王座獲得経験を持つエンジニア、クレイグ・ポーリーを引き続き起用する.

 元F1ドライバーであり、MBモータースポーツ創設者兼ディレクターを務めるマーク・ブランデルは「MBモータースポーツとともに、レーザーツールズ・レーシングの新たな章をスタートできることを大変うれしく思っている」と、組織の新体制発足に向け意気込みを述べた。

「来季2026年より2台体制に拡大することは、私自身の長年の夢だった。改めてその一歩を踏み出せることを誇りに思うとともに、この前進を可能にしてくれたパートナーの皆へ、その継続的なサポートに深く感謝を申し上げたい」

 トヨタ陣営で奮闘してきたSWMとともにカローラ・シリーズに移行するという決断は「綿密な考察と検討を重ねた結果」であり、最初の話し合いから有意義な協議が続いたことで、ブランデルとしても「ともに信頼を築き上げ、成功へと導く強力なパートナーシップを築けると確信している」と強調する。

「またクレイグ・ポーリーのエンジニアリングの専門知識を維持することは、2026年に向けたMBモータースポーツの重要な鍵であり、彼が引き続きレーストラック上でのパフォーマンス向上に貢献してくれることを期待している」と続けたブランデル。

 同じく提携先であるSMWのオーナー、クリスチャン・ディックも「彼らは近年、このシリーズのフロントランナーであり、大きな存在だ。彼らが2026年の運営サポートにスピードワークス・モータースポーツを選んでくれたことを誇りに思う」と付け加えた。

「マーク(・ブランデル)とチームは、サーキット内外で高い水準を維持することで素晴らしい評価を得ており、ともに強力なコンビネーションを築くことができると確信している」

 現地11月25日付でトヨタ陣営入りを表明したMBモータースポーツだが、その際にブランデルは「今回確保できたドライバーラインアップには非常に満足しており、近日中に発表できることを楽しみにしている」としていた。

 その言葉どおり、続く25日にはアーロン-テイラー・スミスが、さらに27日にはシリーズ“3冠”のゴードン・シェドンが、カローラのステアリングを握ることがアナウンスされた。

「本日の発表は、僕のBTCCキャリアにおける大きな一歩だ。この実現に尽力してくれた忠実なパートナーには感謝してもし切れない」と、2024年にはインディペンデント部門のチャンピオンにも輝いているテイラー・スミス。

「レーザー・ツールズ・レーシングとMBモータースポーツがパドック内で成し遂げてきた成果は、遠くから見ていても素晴らしいものだった。彼らのトラック内外における細部へのこだわりが僕にとって完璧な組み合わせとなり、このチャンピオンシップにおける長期的な拠点となることを願っている」

 同じくBTCCで輝かしい経歴を誇る“フラッシュ”ことシェドンは、キャリア通算で53勝を挙げ、歴代優勝者ランキングで5位につけている。

「あの象徴的な青と白のカラーリングを身にまとうスコットランド人ドライバーには、何かしっくりくるものがあるね」とアイルランド出身のテイラー・スミスを念頭に対抗意識を燃やすシェドン。

「(シリーズ復帰の)昨年、カローラでシーズンを終えた時の好成績に励まされ、新年度には非常に高いモチベーションで臨み、次のレベルの戦いに臨む準備ができている。こんなに早く来季の計画を立てることができ、本格的にプログラムへの準備を開始できたのは大きなメリットだ。これを可能にしてくれた個人的なパートナー、そしてチームにも深く感謝している」

 そして今季9月の第9戦シルバーストンを前に、来季2026年の新チーム創設を表明していたジェイソン・プラトは、自身の名を冠したプラト・レーシングを発足し、ツーリングカー界の名門コンストラクターであるRML(レイ・マロック・リミテッド)と提携。新たに2台のNGTC規定モデルを仕立てるという。

 チームは現在、ウェリンバラにあるRMLに隣接する施設に移転しており、プラト自身も2010年にRML製の『シボレー・クルーズ』を駆り、自身2度目のBTCCタイトルを獲得した経歴を持つ。そのRMLも1990年代にヴォクスホールとニッサンのファクトリープログラムを担当し、ジョン・クレランドやローレン・アイエロとともにBTCCでのチャンピオンシップを獲得している。

 そんなRMLのツーリングカーにおける最近の成功はWTCC世界ツーリングカー選手権でも継続され、シボレーのファクトリープログラムでイヴァン・ミューラーが3回、ロブ・ハフが1回の世界タイトルを獲得した。

 新生プラト・レーシングのマシンは、どのマニュファクチャラーのホワイトボディを採用するのか憶測が飛び交っているが、年明けの来季プレシーズンテストが開幕する前の納車が予定されている。

「RMLは私にとって迷うことなく選んだ選択肢だ」と地元イギリスの週刊紙『Motorsport News』に明かしたプラト。「彼らはまさに最高の人材を揃えている。これまで数々のトップチームでドライブしてきたが、RMLは群を抜いて最高だった」

「BTCCのグリッド上では、現状このようなリソースにアクセスできる人物は誰もいない。RMLは現在でも非常に優秀な人材を抱えており、彼らはマシンの設計と製造で報酬を得て、完成後はプラト・レーシングにマシンを引き渡し、残りは私たちに任せることになる」

 プログラムのドライバーはまだ確定していないが、舞台裏のエンジニアリングチームは形になり始めており、2025年終盤にフォード陣営のアライアンス・レーシング(NAPAレーシングUK)を退団したマルコム・スウェットナムがレースチームマネージャーに就任。さらにポール・リッジウェイがパフォーマンスエンジニアリング責任者に就き、デイブ・ケリーがクルーチーフを担当する。

[オートスポーツweb 2025年12月01日]

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