
宝塚歌劇団花組トップ永久輝せあ、トップ娘役星空美咲が1日、大阪市の梅田芸術劇場でミュージカル「Goethe(ゲーテ)!」の初日を迎えた。
2021年夏に初演され、ドイツミュージカルシアター賞で3部門を受賞した、秀逸な音楽が紡ぎ出すドラマチックな愛の物語を、宝塚歌劇団が日本初上演。日本語脚本、訳詞、演出は植田景子氏。
ドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテが、彼自身の運命の恋の顛末(てんまつ)をつづった不朽の名作「若きウェルテルの悩み」。永久輝は、その誕生にまつわる、若き日のゲーテのロッテ(星空)へのほとばしるような恋の情熱、自らの表現を探求する作家としての矜持(きょうじ)と苦悩を熱演した。
前日通し舞台稽古後、取材に応じた永久輝は「本当にすばらしい作品と心から思っています。この作品に出会えたことは私の宝塚人生においても、本当に幸せな出来事」と話し、「この作品をぜひ愛していただきたい」。
公演に先立ち、作品の勉強もかねて、夏にそれぞれゲーテの足跡をたどるドイツの“ゲーテ街道”を訪れた。「その経験がとても生きている」。ドイツミュージカルに「うまく言葉にできないんですが、とても人間的で自然的な感じがします」とアメリカやフランスのミュージカルとはまた違う魅力を感じたという。
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公演では「星空のロッテじゃなかったらできなかったと思うくらい、彼女に引きあげてもらった」と星空に感謝。別れの場面での星空を「ここまでほとばしる情熱や熱い思いみたいなものをたぎらせている美咲ちゃんを今まであまり見たことがなかった。それを体現してくれて、ゲーテとしても私としても心揺さぶられた。こういう経験ができること自体、演者として役者として幸せです」と絶賛した。
一方で、星空も「永久輝さんから以前いただいた大切な言葉がゲーテさんの格言と近しかった」といい、「私にとっての永久輝さんもゲーテさんも生きる力とか、いろんな言葉をくださる。永久輝さんはゲーテなんだなって感じる瞬間が稽古場からたくさんありました」とにっこり。
作品については「この作品を通して、立場や国が違ったとしても、みんなが何か1つに向かって思いを持っていたら、芸術というものを通してつながることができると感じた公演でした」と、大阪公演に先立ち、11月24日に終了した東京公演を振り返りながら、「この作品の良さをお届けしたい以前に、自分自身が作品のすばらしさを味わうことが大事なんだということを感じたので、これから1回1回丁寧に心を込めて務めてまいりたい」と意気込んだ。
公演は11日まで。
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