元F1ドライバーのエイドリアン・スーティルが逮捕。詐欺容疑で逮捕状が出され、3カ国同時に家宅捜索

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2025年12月03日 17:00  AUTOSPORT web

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日本では2006年に全日本F3選手権のタイトルを獲得していたエイドリアン・スーティル
 元F1ドライバーのエイドリアン・スーティルがドイツ現地11月27日の木曜日に逮捕され、現在バーデン=ヴュルテンベルク州の刑務所に収監されている。彼が法に触れるのは今回が初めてではなく、現役時代にも暴行容疑で保護観察処分を受けていた。

 F1キャリアを終え、モータースポーツのビッグステージから姿を消したスーティルを巡っては、ここまで約10年近くも沈黙が続いていたが、このドイツ人ドライバーはふたたびメディアの見出しに登場した。しかし、その理由は正当なものでも、喜ばしいものでもなかった。

 ドイツの日刊大衆紙である『Bild(ビルト)』を中心に、総合自動車誌『auto-motor-und-sport.de(アウト・モトール・ウント・シュポルト)』などが報じたところによると、当初から捜査官は多くのF1ファンの記憶に残るであろう著名なレーシングドライバーに狙いを定めていたようだ。

 日本では2006年に全日本F3選手権のタイトルを獲得したのち、スパイカー、フォース・インディア、ザウバーから最高峰クラスに128戦出場したスーティルに対しては、以前より詐欺容疑で逮捕状が出されており、当局は証拠確保のためモナコ、スイス、ジンデルフィンゲンにあるスーティルの所有地を捜索。結果、シュトゥットガルト州刑事警察の捜査官による逮捕は、27日の朝、ジンデルフィンゲンで行われたとされている。

「バーデン=ヴュルテンベルク州刑事警察の協力を得て、複数の物件を捜索した」とシュトゥットガルト検察庁の広報担当者は述べている。容疑者として逮捕された後、スーティルはシュトゥットガルト地方裁判所に連行され、裁判官が逮捕状を執行したと報じられている。

 逮捕後の状況や詳細は不明な部分が多いが、検察庁は容疑についてコメントを拒否している。ただし捜査官によると、容疑は「特に重大な事件における共同詐欺と共同横領」とのことだ。

 スーティルは近年、高級車取引に関与していたことが知られている。2020年にはモナコで『マクラーレン・セナLM』をボラード(車止めのポール)に衝突させ、大きな損害を与えたことで話題を呼んでいた。

 その彼は現役F1ドライバー時代にも数々の法律違反を犯しており、2011年には上海のナイトクラブで、当時ロータスの代表だったエリック・ルクスと口論になり、スーティルはルクスの首にシャンパングラスを叩きつけて負傷させ、18カ月の保護観察処分を受けた。

 前述のとおり、2007年から2014年にかけて都合3チームを渡り歩いたスーティルは、最高位は2009年のモンツァでの4位で、今季シルバーストンでのニコ・ヒュルケンベルグの3位に続き、表彰台未獲得のグランプリ出場回数がもっとも多いドライバーとなっていた。この元F1ドライバーは今後、刑務所行きとなる可能性が高いと見られている。

[オートスポーツweb 2025年12月03日]

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