「ピットインした方がよかったのでは?」ステイアウト選択のマクラーレン勢は猛プッシュ【F1第23戦無線レビュー(1)】

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2025年12月04日 13:00  AUTOSPORT web

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2025年F1第23戦カタールGP オスカー・ピアストリ&ランド・ノリス(マクラーレン)
 2025年F1第23戦カタールGP。レース序盤の7周目にセーフティカーが出動し、多くのマシンがタイヤを交換するためピットに向かうなか、ドライバーズ選手権のタイトルを争うマクラーレンのオスカー・ピアストリとランド・ノリスはステイアウトを選択した。カタールGPではタイヤの周回数に25周という制限が設けられていたため、マクラーレン以外のマシンは32周目に2回目のピットストップを行うことが確定。一方でマクラーレン勢には、ピットストップ分のロスを取り戻すための走りが求められた。カタールGP前半を無線とともに振り返る。

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 11番グリッドのニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)は、ソフトタイヤスタートの賭けに出た。2周目には、1コーナーでシャルル・ルクレール(フェラーリ)をインから刺して10番手に上がった。

スティーブン・ぺトリック(→ヒュルケンベルグ):いい追い抜きだ。

 ヒュルケンベルグはさらにピエール・ガスリー(アルピーヌ)に迫る。

カレル・ルース(→ガスリー):後ろのヒュルケンベルグはソフトを履いているぞ。

 上位争いに目を転じると、ポールシッターのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が首位をキープ。しかしフロントロウからスタートしたランド・ノリス(マクラーレン)はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にかわされ、3番手に後退していた。だがフェルスタッペンは、マシン挙動がしっくりきていないようだった。

5周目フェルスタッペン:右コーナーから左に行くときのバランス変化がすごく大きい。

 ターン14でコースオフしたガスリーは、コース復帰の際にヒュルケンベルグに危うくぶつかりかけた。

ヒュルケンベルグ:危ない! なんて危険な運転だ。ぺトリック:ああ。確認した。

 2台は7周目の1コーナーで接触。ヒュルケンベルグはその場でリタイアとなった。

ヒュルケンベルグ:信じられない。十分スペースを与えたのに。

 これで7周目からセーフティカー(SC)が導入された。

ガスリー:ダメージを受けた。ルース:了解。パンクチャーのようだ。ピットに戻ろう。

 ほとんどのドライバーがピットに向かうなか、マクラーレンはステイアウトを指示した。

ウィル・ジョゼフ:セーフティカー出動だ。ノリス:どうする?ジョゼフ:ステイアウトだ。

ピアストリ:ボックス? それともステイアウト?ポール・スタラード:ステイアウトだ。ピアストリ:ステイアウト、了解した。

ランビアーゼ(→フェルスタッペン):ピットに入るぞ、マックス。ボックスだ。

 16台がピットに向かい、ピットロードは大混乱だった。アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)はタイヤ交換を終えて出ようとした際に、あとからピットインしてきたクルマを待つことに。

アントネッリ:サインツに抜かれてしまった。ピーター・ボニントン:ああ、わかってるよ、キミ。渋滞に捕まってしまった。

ノリス:みんなピットインしたの?ジョゼフ:ほとんど全車だ。ノリス:みんなに合わせてピットインした方がよかったんじゃない?ジョゼフ:いや、これで彼らは戦略の柔軟性を失った。

 ステイアウトしたピアストリ、ノリスがワン・ツーを奪い返した。しかしセーフティカー中に1回目のタイヤ交換を終えたフェルスタッペンとの差は、ほとんどない。かなりのハイペースで走りつづけなければ、勝利は絶望的だ。

10周目ランビアーゼ(→フェルスタッペンに):マクラーレンは再スタートで全力でプッシュして25周目まで行くだろう。

ジョゼフ(→ノリス):ここからは全力プッシュだ。我々以外は32周目に全車ピットインする。

 11周目にレースは再開された。

ジェームズ・アーウィン(→アルボン):ターン10でコースオフしたぞ。1ストライクだ。

13周目アーウィン:またターン10だ。2ストライクだ。アルボン:ええ? はみ出してる? そんなことないよ。アーウィン:ターン10の進入だ。

15周目アイザック・ハジャー:挙動が全然安定しない。クレイジーだ!ピエール・アムラン:どこで限界なんだ?アジャ:全部だよ!

 入賞圏外の13番手からなかなか順位を上げられないアルボンとは対照的に、カルロス・サインツ(ウイリアムズ)はピットでアントネッリを抜き、4番手に上がっていた。しかしラップタイムは、メルセデスの方が速い。

サインツ:アントネッリに迫られている。ガエタン・イエゴ:このタイヤであと15周走るんだ。

22周目スタラード:タイヤはどうだ?ピアストリ:悪くない。左フロントがちょっと厳しいけど、安定しているよ。

 前戦ラスベガスGPに続き予選Q1落ちを喫したルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、17番グリッドから3つ順位を上げていた。しかし明らかにマシン挙動は不安定だった。

ハミルトン:また完全にはみ出した。リカルド・アダミ:了解。次で3ストライクだ。

ピアストリ:そろそろタイヤが限界だ。スタラード:コーナー進入で、もう少し慎重に行こう。ペースは悪くない。

23周目ジョゼフ:1周早めに入るけど、それでハッピーか?ノリス:ああ。だいぶタイヤが厳しいからね。

 しかし実際にはピアストリが24周目にピットイン。ノリスが入ったのは25周目だった。

24周目ランビアーゼ(→フェルスタッペン):マックス、ピアストリがピットインした。ノリスは次の周に入るはずだ。僕らはあと8周走るぞ。

 暫定首位に立ったフェルスタッペンは、32周目のピットインまで全開プッシュを続けた。

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F1第23戦無線レビュー(2)に続く

[オートスポーツweb 2025年12月04日]

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