香港で開かれた学会で、ゲノム編集を施した双子を誕生させたと発表する中国の科学者=2018年11月(AFP時事) 遺伝子を効率良く改変する「ゲノム編集」などを用いたヒト受精卵(胚)について、厚生労働省や文部科学省などは4日、ヒトや動物の胎内に移植することを罰則付きで禁止する方針を固めた。親の好みで容姿などを変える「デザイナーベビー」への懸念が背景にあり、早ければ来年の通常国会での法案提出を目指す。
同日の専門家会議で、取りまとめ案が大筋で了承された。
中国でゲノム編集を施した双子の出生事例が問題化したことを受け、政府の生命倫理専門調査会は2019年に法規制の検討を求める報告書案をまとめた。ただ、当時は国内で臨床応用が現実化しておらず、法制化は見送られてきた。その後、人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを使った生殖細胞研究が進展していることなどから、政府は改めて法制化に踏み出すこととした。