
【動画】綾瀬はるかと當真あみが二人一役で主人公を演じる! 映画『人はなぜラブレターを書くのか』予告映像
2000年(平成12年)3月に起こった地下鉄脱線事故。この事故で、ある少女の淡い恋心が消えた―。
進学校に通いながら、日々ボクシングの練習に夢中になっていた文武両道で正義感の強い少年・富久信介さん。そんな彼と毎朝同じ時間、同じ車両に乗り、想いを寄せていた少女がいた。まだ今ほどSNSが発達していない時代。通学電車の中だけで会える、話したことも、名前も知らない彼に少女は淡い恋心を募らせていた。
そんないつもの朝に起こった地下鉄脱線事故―。たまたま、いつもと違う時間の電車に乗り合わせてしまった信介さんは、この事故に巻き込まれ、当時17歳という若さで、その短い生涯の幕を閉じた。ニュースで流れた彼の悲報を知った彼女は、初めて彼の名前を知る。それでも、“間違いであってほしい”という思いで、その後も電車で彼を探す日々を過ごした。
時は流れ、20年後の2020年(令和2年)。富久さんが通っていた大橋ボクシングジムの大橋秀行会長の元へ見知らぬ女性からメッセージが届く。それは当時、彼に想いを寄せていたあの少女からだった。そこには当時の彼への想いや通学時の思い出がつづられていた。
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この奇跡の物語は、感動の声が多く寄せられ、スポーツ報知でも記事が掲載。日本テレビ『ザ!世界仰天ニュース』でも“奇跡の物語”として再現映像がOAされた。
皆から愛されていた富久さん。彼の通っていた大橋ジムの大橋会長は、彼の生きた証しとして「富久信介杯」を創設。また、ジムの先輩だったプロボクサーの川嶋勝重さんは、2004年6月のWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチで、富久さんのイニシャル「S・T」の文字をトランクスに入れて試合に臨み、世界王座奪取を果たした。
20年の時を経て届いたラブレターの物語をきっかけに、“富久さんが生きた証”が世の中に知られていくことに。本作は、そんな奇跡の実話から生まれた物語だ。
この奇跡の実話に惹かれ、監督・脚本・編集を務めたのは、『舟を編む』(13)が、史上最年少の第86回アカデミー賞外国語映画部門日本代表作品に選出された石井裕也。『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』では、第67回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に選出、第12回アジア・フィルム・アワードで監督賞を受賞するなど、国内外から熱い期待を寄せられている。
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石井監督は「素晴らしいキャスト、信頼するスタッフたちと共にこの作品を作りました。みんなの思いや力が奇跡的に混ざり合って、結果的に凄い映画が完成しました」と語っている。
石井監督と初のタッグとなる綾瀬が演じるのは、夫と娘と郊外に暮らすいつも明るく定食屋を切り盛りする主人公・寺田ナズナ。あることをきっかけに、青春時代を思い出し、手紙をしたためる。
24年前の学生時代のナズナを演じるのは、同じく石井監督作品初出演の當真あみ。毎日同じ電車、同じ車両に乗る名前も知らない、話したこともない信介に想いを寄せながら、声もかけられない内気な高校生を瑞々しさたっぷりに演じる。綾瀬と二人一役で演じるナズナ役に期待が高まる。
信介役には、石井がメガホンを取った『町田くんの世界』(19)で1000人以上の中から主演に抜てきされ、数々の賞に輝いた細田佳央太。進学校に通いながらもボクシングに打ち込んだ、実在の人物である信介を演じるにあたり、ボクシングジムに通い、トレーナーと共に数ヵ月、徹底した体づくりを行うなど役作りをして、今作の撮影に挑んだ。
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綾瀬演じるナズナの夫役には、数々の石井監督作品に出演し、監督が絶大な信頼を寄せる妻夫木聡。綾瀬とは意外にも2008年の『ザ・マジックアワー』ぶりの共演となり、初の夫婦役となる。妻への愛情を持ちながらも無骨にしかふるまえない夫・良一を静かに熱く演じる。
そして、信介の父・富久隆治役には、妻夫木同様、石井監督作品に欠かせない佐藤浩市。最愛の一人息子を不慮の事故で失った絶望、時を経て初めて知ることができた息子の知らない一面への戸惑いなど、複雑な父親の心情を丁寧に体現した。
メガホンをとった石井は「綾瀬さんはもちろんですが、映画を観終える頃には當真さん、細田君、妻夫木さん、菅田君、浩市さん、誰もが主役に見えると思います」と自信をのぞかせた。
「ふと思い出して、お手紙を書いています」―予告映像は、現在のナズナ(綾瀬)が、手紙を渡せなかった24年前の自分(當真)を思い出し、初恋の彼への想いや思い出を手紙につづるところから始まる。通学中の電車の中で密かに想いを寄せる信介(細田)にドギマギするナズナの瑞々しい表情…そんないつもの朝に訪れる突然の悲劇―。
そして24年の時を経て、突然、彼の家族の元へと届いい手紙。ナズナの手紙をきっかけに、それぞれの想いが重なり、起こる奇跡とは? 川嶋(菅田)、隆治(佐藤)、良一(妻夫木)の印象的なセリフや表情が胸を熱くする。映像の最後にナズナ(綾瀬)が見せる涙の意味とは? なぜ彼女はラブレターを書いたのかが、実話を基に紡がれる。
綾瀬は「脚本を読んだ時に涙が止まらなくて、心が揺さぶられました。生きたい、もっと見てたい、家族を愛して、家族に愛されて、生きてきた証のような思いの中で、初恋の人に24年越しのラブレターを書いたのかもしれません。ナズナのラブレターに秘められた物語を是非観て頂きたいです」と言葉を寄せている。
映画『人はなぜラブレターを書くのか』は、4月17日公開。
キャスト、スタッフのコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■寺田ナズナ役【現代】:綾瀬はるか
脚本を読んだ時に涙が止まらなくて、心が揺さぶられました。生きたい、もっと見てたい、家族を愛して、家族に愛されて、生きてきた証のような思いの中で、初恋の人に24年越しのラブレターを書いたのかもしれません。ナズナのラブレターに秘められた物語を是非観て頂きたいです。
■小野ナズナ役【学生時代】:當真あみ
脚本を読んで、初めてこの出来事が実際にあった事なのだと知りました。
友人と過ごしたり、何かに熱中したり、恋をしたりと当たり前に思っていた日常を、しっかりと見つめて大切にしたいと感じました。
綾瀬さんが演じるナズナと、どう繋げられたらいいかを監督と話しながら、ナズナが経験し積み重ねた感情を作っていけるように演じました。
この作品を沢山の方に見ていただきたいです。映画を見た時、きっと自分の日常が愛おしく大切に思えるはずです。
■富久信介役:細田佳央太
石井監督ともう一度ご一緒することを目標にしていたので、自ずと気合いが入りました。ボクシング練習には約4ヵ月という準備期間をいただいて、ボクシング未経験の僕に松浦さん(ボクシング指導者)をはじめとした多くの方々が指導してくださり向き合っていただきました。素敵過ぎるスタッフ・キャストの皆様に囲まれた撮影の日々は、映画と芝居にもう一段と深くのめり込むきっかけとなり、撮影の内外問わず役と同様に温かい距離を保ち続けてくださった菅田さんには感謝してもしきれません。
この作品が持つ記憶と、そこに生きた人々の熱が、現代に生きる皆様と未来に届くことを願ってやみません。
■川嶋勝重役:菅田将暉
第17代WBC世界スーパーフライ級チャンピオン川嶋勝重選手。を演じる?即お断りしようと思いました。が、台本を読むと、早すぎる命と対話する真摯な青年の姿がありました。夢について語り合い、想いを背負って闘う。今日のために生きる。今の自分に必要な作品だったのか、使命感のようなものが湧いてきて、初の石井組に挑みました。ハードな撮影でしたが、一生に一度の経験をさせてもらいました。思いやりと少しシャイなところがこの映画の好きなところです。是非、観に来てください。
■寺田良一役:妻夫木聡
様々なテーマで挑戦し続ける石井監督の作品に呼んでもらえることはとても光栄なことです。そして、自分にとっても新しい一面を見せられるようにと身が引き締まる思いでしたが、少しずつほどけていく家族の形を、一日一日確かめながら撮影する日々は、どうしようなく不器用で、素直になれないけど、それがとても愛おしい時間でした。
過去を生きる人、今を生きる人、みんなの想いが溢れている。悲しみさえも糧にして、前を向き、それぞれが夢に向かって踏み出していく様に涙が止まりませんでした。
一つのラブレターによって、止まっていた時間が動きだしていく。悲しいことも、嬉しいことも、みんな手を繋いで生きていければ良いよねって思わせてくれる、そんな素敵な映画です。是非劇場でご覧ください。
■富久隆治役:佐藤浩市
突然の別れと、覚悟を持って向き合う別れ。どちらにしても後悔なく大切な人を見送ることの出来る方はごく僅か…。しかしその想いが、より深く故人との歴史を刻んでくれると信じたい。
■プロデューサー:北島直明
石井監督に教えてもらった、スポーツ報知に掲載された『富久信介さんへのラブレター』の記事を読んだとき、胸が熱くなり、すぐに大橋会長に会いに行きました。そして、信介さんのお父さんを、手紙を書かれた女性の方をご紹介して頂きました。川嶋選手、徳山選手、東京メトロの職員の方々にもお会いしました。
信介さんのお父さんとの会話がこの映画の根幹にあります。信介さんは、少しヤンチャな、正義感の強い、“どこにでもいる”高校生でした。彼が特別だから映画にしたわけではないんです。信介さんの事を嬉しそうに教えてくれるお父さんの顔がこの映画を作る動機になったんです。
この映画では『人の存在の大切さ』を描いています。語彙力が無い表現ですが…そういう事なんです。僕は、お父さんを介して信介さんの存在を感じたのです。毎朝、通学・通勤している中で、僕も含めて皆さんの隣にいる人には、その人の人生があり、大切な誰かがいるはずです。この映画の主人公・ナズナは、“誰にでも当てはまる誰か”という存在として描きました。
なぜ、そうしたのか? 突然の別れ、意図せぬ別れは、無念と後悔と悲しみを生みます。残念ながら、望んでいなくても“誰にでも起こりえる事”です。でも、悲しいだけじゃない、未来を生きる為に、今どうすべきか、という前向きな映画にする為です。
多くの方のご協力を得て、この映画は完成しました。ありがとうございました。この映画が、悲しみを少しでも減らして、希望に繋がる一助になれば幸いです。
