2025年FIA F2第14戦ヤス・マリーナ アービッド・リンドブラッド(カンポス・レーシング/レッドブル育成) 12月6日、2025年FIA F2第14戦ヤス・マリーナのスプリントレース(決勝レース1)がアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行われ、アービッド・リンドブラッド(カンポス・レーシング/レッドブル育成)が今季3勝目を飾った。宮田莉朋(ARTグランプリ/TGR-DC)は14位でレースを終えている。
第14戦決勝レース1のグリッドは5日に行われた予選トップ10のリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録したリンドブラッドがリバースポールを獲得。フロントロウ2番グリッドにジョシュア・デュルクセン(AIXレーシング)が並んだ。
セカンドロウ3番手はビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/ウイリアムズ育成)となり、4番手にオリバー・ゲーテ(MPモータースポーツ/レッドブル育成)が続く。予選で9番手タイムを記録したニコラ・ツォロフ(カンポス・レーシング/レッドブル育成)は他車の走行を妨害したとして3グリッド降格ペナルティが科されたため、5番手からレースを迎えた。
タイヤ交換義務のない23周もしくは45分+1周のスプリントレースは、日本時間21時15分(現地時間16時15分)に気温26.3度、路面温度33.7度、西陽が差し込む快晴のドライコンディションで幕を開けた。
ポールスタートのリンドブラッドが抜群の蹴りだしを決めてホールショットを守り、2番手以降はデュルクセン、ツォロフ、ゲーテが続く。ポジションふたつを落とし、5番手に後退したマルタンスの背後にはディーノ・ベガノビッチ(ハイテックTGR/フェラーリ育成)が迫り、2台はオープニングラップ早々から激しい順位争いを展開。バトルのさなかにコースオフを喫したマルタンスは6番手となり、ベガノビッチが5番手に浮上した。
一方、14番グリッドからスタートを迎えた宮田の順位は変わらず、レースは2周目を迎えた。
多くのドライバーが1分41秒台で走行する一方、トップの2台は1分40秒台で周回を重ねて後続を引き離していく。そんななか、宮田の前方を走行していた13番手のジョン・ベネット(ファン・アメルスフォールト・レーシング)が白煙を上げながらスローダウンし、ターン5でマシンを止める。これにより、8周目にバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入された。
翌9周目にVSCが解除となると、リンドブラッドの約0.6秒後方を走行するデュルクセンがターン12でコースオフを喫し、タイムをロスしてしまう。2台のタイムギャップは1.5秒に拡大し、デュルクセンはDRSが使用できない状況となった。一方、リンドブラッドはハイペースで周回を刻んで後続を約2.2秒引き離し、セッション後半を迎えた。
首位争いは依然としてこう着状態となるなか、ガブリエレ・ミニ(プレマ・レーシング/アルピーヌ育成)とジャック・クロフォード(ダムス・ルーカスオイル/アストンマーティン育成)が8番手争いを展開する。14周目のターン7で先行を許したミニは8番手の奪還を試みるが、バトルのさなかに縁石に乗り上げてしまい、マシンが宙に浮く様子が国際映像に映し出される。
ミニは走行を続けることは叶ったものの、クロフォードとのギャップは約2秒差まで拡大し、8番手争いはクロフォードが制するかたちとなった。
16周目には、ゲーテとベガノビッチによる4番手争いが勃発し、ゲーテの背後にぴったりとついたベガノビッチは積極的にバトルを仕掛けていく。4番手争いは翌17周目のターン9でオーバーテイクを成功させたベガノビッチに軍配が上がり、ゲーテは5番手となった。
デュルクセンがペースを上げ、リンドブラッドとのタイムギャップを縮めつつあるなか、アレクサンダー・ダン(ロダン・モータースポーツ)をかわして7番手に浮上したクロフォードがマルタンスと6番手争いを繰り広げ、2台は接触。クロフォードの左翼端版がコース上に落下したことで2度目のVSCが導入されたが、即座に解除となった。
レースがファイナルラップに突入するなか、13番手を走行する宮田にセバスチャン・モントーヤ(プレマ・レーシング)が襲い掛かり、ターン6でポジションを下げてしまう。DRSを使用した宮田はターン9で13番手の奪取に成功するが、背後にぴったりとついたモントーヤが宮田を猛追し、13番手に浮上した。
隊列先頭ではリンドブラッドが快走を続けてトップチェッカーを受け、ポール・トゥ・ウインで今季3勝目を飾った。約0.9秒差の2位にデュルクセン、3位にツォロフが続き、チームタイトルを争うカンポス・レーシングの2名が表彰台を獲得した。宮田は14位でスプリントレースを終えている。
2025年シーズン最後のレースとなる第14戦のフィーチャーレース(決勝レース2)は、日本時間7日18時15分(現地時間13時15分)より、タイヤ交換義務を有する周回数33周、もしくは60分+1周で争われる。
■2025年FIA F2第14戦ヤス・マリーナ スプリントレース暫定結果
Pos./No./Driver/Team/Time/Gap
1/4/A.リンドブラッド/カンポス・レーシング/39'15.648
2/20/J.デュルクセン/AIXレーシング/0.982
3/3/N.ツォロフ/カンポス・レーシング/9.605
4/8/D.ベガノビッチ/ハイテックTGR/12.764
5/5/O.ゲーテ/MPモータースポーツ/15.637
6/11/J.クロフォード/ダムス・ルーカスオイル/16.860
7/14/V.マルタンス/ARTグランプリ/18.892
8/17/A.ダン/ロダン・モータースポーツ/20.887
9/10/G.ミニ/プレマ・レーシング/23.525
10/2/R.スタネ/インビクタ・レーシング/24.322
11/1/L.フォルナローリ/インビクタ・レーシング/25.506
12/6/R.フェルシュフォー/MPモータースポーツ/26.315
13/9/S.モントーヤ/プレマ・レーシング/28.212
14/15/宮田莉朋/ARTグランプリ/29.420
15/22/L.ホーペン/トライデント/29.811
16/25/R.ヴィラゴメス/ファン・アメルスフォールト・レーシング/32.376
17/12/K.マイニ/ダムス・ルーカスオイル/33.800
18/23/T.イントラフヴァサク/トライデント/36.726
19/21/C.シールズ/AIXレーシング/51.412
20/7/L.ブラウニング/ハイテックTGR/71.646
21/16/M.ステンスホーン/ロダン・モータースポーツ/DNF
-/24/J.ベネット/ファン・アメルスフォールト・レーシング/DNF
・ファステストラップ(全体):#7 ルーク・ブラウニング(ハイテックTGR/ウイリアムズ育成):1分39秒563(22/23) 190.950km/h
・ファステストラップ(得点対象):#4 アービッド・リンドブラッド(カンポス・レーシング/レッドブル育成):1分40秒428(5/23) 189.305km/h
[オートスポーツweb 2025年12月06日]