【F1アブダビGP予選の要点】Q2でのタイヤ選択が明暗分けたか。選手権首位ノリスの懸念事項

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2025年12月07日 02:40  AUTOSPORT web

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2025年F1第24戦アブダビGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ランド・ノリス(マクラーレン)
 2025年F1最終戦/第24戦アブダビGPの予選は、タイトル候補の3名がトップ3を占めた。ポールポジションはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。マクラーレンのふたりは、ランド・ノリスが2番手、オスカー・ピアストリが3番手という結果だった。

 Q1からQ3まで、上位勢の順位が目まぐるしく変わる予選だった。まずQ1では、ピアストリが2番手フェルスタッペンに0.2秒以上の大差をつけてトップタイム。ノリスは6番手に沈んだ。続くQ2は、直前のフリー走行でもトップタイムを出していたジョージ・ラッセル(メルセデス)が首位に立った。

 このQ2で注目すべきは、フェルスタッペンがユーズドタイヤで2回のアタックを敢行し、2番手タイムを叩き出したことだ。ノリス、ピアストリもQ2最初のアタックはユーズドで、それぞれ暫定3、4番手につけた。ところが、フェルスタッペンがユーズドタイヤだけでQ2のアタックを終えたのに対し、マクラーレンのふたりは最後ニュータイヤに履き替えてコースに向かった。

 確かにヤス・マリーナ・サーキットは、シーズン最終戦ということもあって、20台のタイムが接近することで有名だ。今年の予選Q1では、首位ピアストリから19番手ピエール・ガスリー(アルピーヌ)までの19台が0.9秒内にひしめいた。さらに路面の改善しろが大きく、周回のたびにタイムが伸びていく。

 そのため、たとえ暫定3、4番手にいたとはいえ、万一の事態を想定してニュータイヤで出ていくのは、いわば定石だった。ましてピアストリは1分23秒台を切れず、5番手フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)や6番手ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)と0.1秒も違わない。わずかとはいえQ2落ちの危険があった。しかし、フェルスタッペンと100分の1秒も違わないノリスは、動くべきではなかったのではないか。

 実はノリスは当初、ニュータイヤのラッセルから0.074秒差の2番手につけていた。ところがフェルスタッペンがユーズド2回目のアタックで自己ベストを更新したことで、ノリスは3番手に後退した。それでもほぼ安全圏にいることに変わりはないのだが、フェルスタッペンを挽回したいという気持ちが勝ったのかもしれない。そしてニュータイヤで出て行ったノリスとピアストリは、Q3進出が確定した時点でアタックを取りやめた。

 しかし、貴重なニュータイヤをここで履いてしまったことでQ3でニュータイヤのアタックは1回しかできなかった。Q3最初のアタックは、ニュータイヤのフェルスタッペンが1分22秒295で暫定ポール。ユーズドのマクラーレン勢は、ピアストリが0.3秒差の2番手、ノリスは0.4秒差の3番手だった。そしてニュータイヤを履いた最後のアタックでも、フェルスタッペンとの差を0.2秒以上縮めることはできず、ノリスが2番手、ピアストリが3番手に終わった。

 もちろんポールポジションを獲得できなかったとはいえ、フロントロウのノリスがタイトル獲得の最有力であることに変わりはない。たとえフェルスタッペンが勝ったとしても、表彰台に上がればチャンピオン確定だからだ。無理してポールポジションを獲得する必要もなければ、勝つ必要もない。

 しかし、予選直後のノリスの第一声は「マックスは本当にいい仕事をした。とにかくポールポジションを獲得できなかったのが残念だ」というものだった。今夜の決勝レース、フェルスタッペンを意識しすぎるあまり、手痛いミスを犯したラスベガスGPの失敗を、まさか繰り返すことはないと思うが。

[オートスポーツweb 2025年12月07日]

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