「貯金の額でなく“有無”がヒントに」4万件の相談で判明した、結婚相手を見極める5つのポイント

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2025年12月08日 21:50  All About

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結婚後に「こんなはずじゃなかった」と悩む人は多く、実は結婚前からその“サイン”が出ているケースは少なくありません。離婚カウンセラーの視点で、見逃せない5つの見極めポイントを紹介します。※画像:PIXTA
「この人となら幸せになれる」と信じて結婚したものの、「こんなはずじゃなかった……」と悩む人は少なくありません。実は、そんな夫婦間の「ズレ」の多くは結婚前からすでにサインが出ていると知っていましたか?

今回は、4万件以上の夫婦相談の中で見えてきた、結婚前に見逃してはいけない5つの「見極めポイント」をご紹介します。もしも、自分自身あるいはまわりに結婚を迷っている人がいたら、あせらず一度立ち止まって、「この人となら安心して、幸せに人生を歩んでいけるか?」と問い直すきっかけにしてみてください。

見極めポイント1「変化する価値観」への柔軟さがあるか

「価値観が合うから結婚した」これは、多くの夫婦が口にする定番ともいえるフレーズです。とはいえ、人は誰でも年月とともによくも悪くも変化していくものです。金銭感覚や家事の分担、仕事観や休日の過ごし方など、出会った頃は同じ価値観でも、年齢を重ねたり環境が変わったりすることでズレが生じるのは自然なことだといえます。

大切なのは、パートナーと「価値観が合わなくなった」のではなく、「価値観が合わなくなっても、それを受け入れられるかどうか」。違いがあっても歩み寄ろうとする姿勢がある相手を選ぶことが、幸せな結婚の鍵になります。

「そういう考え方もあるんだね」「そんなふうに感じるんだね」というように、時間の経過とともに変化する価値観に対してもおおらかで柔軟な対応ができる相手なら心強いでしょう。

見極めポイント2「言い争い」でなく「話し合い」ができるか

結婚生活が冷え込むきっかけの多くは、「会話の減少」からはじまります。だからこそ、結婚前から「話を聞かない」「意見を否定する」といった態度が見える相手は要注意。特に、「謝らない」「話し合いを避ける」「終わったことだから」というように、2人の問題なのに流そうとするタイプは、結婚後も同じパターンを繰り返す傾向があるのです。

反対に、忙しい時でも相手の話を聞こうと努力したり、意見の違いを冷静に話せたりする人は、長い結婚生活において貴重な存在といえるでしょう。

会話は関係をつなぐ「命綱」。問題が起きた時に逃げずに向き合える相手こそ、信頼に値するパートナーなのです。

見極めポイント3「ネガティブな感情」をコントロールできるか

「少し短気だけど、優しいところもあるし大丈夫」と思っていたら、結婚後に怒りっぽい人に変わってしまった……じつは、そんな相談は少なくありません。暴言、無視、皮肉、ため息といった言動は、全て精神的DVのサインです。

一方、怒りの裏にある“無関心”もまた危険。家庭のことに興味を示さない人は、「心の離婚」を早めてしまうからです。

愛情は、言葉と態度のバランスで保たれます。怒りにまかせたネガティブな感情をぶつける関係ではなく、冷静に話し合える関係を築ける人を選ぶこと。互いに「ネガティブな感情をコントロールしよう」とする姿勢があるかどうかが、幸せな結婚の分かれ道です。

見極めポイント4「小さな約束」を守れるか

結婚するなら誰でも「誠実な人」を求めるもの。ただし「誠実」とは、完璧な人のことではありません。小さな約束を守る人、うそをつかずに言いにくいことも正直に伝える人。そういう人が、本当に信頼できる人です。

反対に、不誠実な人の特徴は、「お金の管理が不透明」「帰宅時間が曖昧」「連絡が取れない時間が多い」。これらは、結婚後もトラブルを招く危険性が高いといえます。

ちなみに、筆者が運営する結婚相談所では「貯金の有無」は、結婚相手を見極める時の重要なチェック項目に入っています。問題は、貯金の「額」ではなく、「そもそも貯金があるかどうか」。私の経験上、少額でも貯金のある人は、借金はしていないことが多いからです。

「通帳を見せてもらえる関係かどうかは、信頼の深さを測るバロメーターですよ」と話しています。いずれにしても、誠実さとは「ごまかさない勇気」のこと。小さな誠実を積み重ねられる人を選びましょう。

見極めポイント5「親との距離感」に違和感がないか

結婚は2人の問題であると同時に、家族を巻き込むライフイベントでもあります。親への依存が強い人やどんなことでも親に相談する人は、結婚後も親が夫婦の間に介入するトラブルを招きやすい傾向があります。理想は、家族を大切にしながらも「一線を引ける人」。親と適度な距離感を保ちつつ、パートナーとの関係も大切にできる人は、精神的に成熟しているといえるでしょう。

その反対で、自分の家族の悪口を言う人には注意が必要です。いずれその矛先はあなたに向くかもしれないからです。

もっとよく知りたい場合は、実際に親を含めた形で会ってみると、親との接し方が見えるので、親子の距離感が分かるはず。「この人の家族と関わる自分の未来」を想像できるかどうかも、結婚の大切な見極めポイントです。

「相手」ではなく「自分の選び方」を変えて幸せな結婚を

結婚は恋愛の延長ではなく、現実の共同生活です。だからこそ、相手には恋愛感情だけでなく、信頼感を抱けるかどうかも重要です。価値観、会話、感情、誠実さ、家族関係という5つのポイントのどれか1つでも大きく欠けていれば、そのズレはやがて大きな溝になるでしょう。

離婚を防ぐ最も現実的な方法は、相手を変えようとするのではなく、相手を選ぶ段階で自分の目で見抜くこと。ちょっとした違和感を放置せず、「この人となら安心して、幸せに人生を歩んでいけるか?」と自分に問い掛けてみてください。その答えが「イエス」と言える人こそ、あなたにとって本当のパートナー。幸せな結婚は、相手を選ぶ自分の目の中にこそ宿っているのです。

岡野 あつこプロフィール

夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。32年間で相談件数3万8000件以上、2200人以上の離婚カウンセラーを創出。著書多数。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』。
(文:岡野 あつこ(離婚ガイド))

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