
配偶者の死は深い悲しみをもたらすものだが、死後、相手が不倫していたことが発覚したら――。
投稿を寄せた東京都の50代女性は、2年前に夫を病気で亡くした。結婚22年目、夫はまだ51歳という若さだった。
悲しみに暮れる中、四十九日を過ぎて夫のスマホを開いたところ、見てはいけないものを目にしてしまったという。(文:長田コウ)
「女性の裸の写真が送られていました」
入院中、「もしもの時のこと」を考えて夫のスマホのパスワードを聞いていた女性。夫の同級生への連絡を行うために意を決してスマホを開いた。
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LINEを見ると、そこには驚愕の光景が広がっていた。何人もの女性の名前が並び、「見てみるとお互いの写真や女性の裸の写真が送られていました」。さらに、「まさか」と思いながらアルバムを見ると、見たことを後悔するようなものが…。
「三人ほどの女性とのデート写真が残されていました。楽しそう、本当に楽しそう。コロナ禍で外出を控えていた時期にも、ぶどう狩りや紅葉狩り、クリスマスのイルミネーションの写真がたくさんありました」
「御位牌と写真はビニール袋に入れてベランダに放置しました」
世間が自粛生活を強いられ、妻が家庭を守っている間、夫は複数の女性と行楽を楽しんでいたのだ。この事実に女性は打ちのめされた。ショックで不眠になり、メンタルクリニックを受診するほど追い詰められてしまった。そして、悲しみは生理的な嫌悪感へ変わっていった。
「主人の服も靴も捨てました。この服も女と会うときに着ていったのかと思うと吐き気がしました」
行き場のない怒りは、夫の位牌にまで向けられた。
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「御位牌と写真はビニール袋に入れてベランダに放置しました」
気が狂ったように泣き、事務的な死後の手続きを淡々とこなさなければならない現実に、さらに苦しめられたようだ。
夫は結婚前、交際していたときは「本当に優しかった」という。女性は「私が子供にかかりきりになっていたから寂しかったのでしょうか」と自問するが、子育ては夫婦でするものだ。
何よりも辛いことは、怒りをぶつける相手がこの世にはもういないことだ。「亡くなってかあらの一念はとにかく辛く苦しい日々でした」と振り返っている。
先日三回忌を迎え、徐々に気持ちに整理がついてきたようだ。
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「ようやく主人のした事から解放されたような気持ちです。亡くなって正解。あんたはそれだけのことをしてきたんだから」
毎日仏壇に手を合わせている女性だが、込めている気持ちは「生まれ変わっても、もう二度と私に関わらないで」ということだそう。女性が平穏に暮らしていることを願うばかりだ。

