衆院予算委員会で、答弁する植田和男日銀総裁=9日午後、国会内 植田和男日銀総裁は9日の衆院予算委員会で、最近の長期金利の動きについて「やや速いスピードで上昇している」と指摘した。その上で「通常の市場の動きと異なるような形で急激に上昇する例外的な状況では、機動的に国債買い入れの増額などを実施する」と述べ、市場動向を注視する姿勢を示した。立憲民主党の藤岡隆雄氏への答弁。
長期金利の指標となる新発10年物国債の流通利回りは上昇基調が続き、節目の2%に迫る。高市政権下での財政悪化懸念に加え、日銀が18、19両日の金融政策決定会合で利上げした後も利上げを続けるとの見方が上昇の背景にある。
植田氏は、日銀の経済・物価見通しが実現すれば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」と改めて説明。米関税政策の不確実性低下などを踏まえ「見通しが実現する確度は少しずつ高まっている」とも語った。