
《お客様各位へ 今月の20日前後に営業再開の予定です。よろしくお願い致します》
12月7日、青森県内のラーメン店『麺工房てんや三戸店』の公式インスタグラムにこんなメッセージが掲載され、「待ってました!」のコメントがいくつも寄せられていた――。
同店には11月9日早朝、体長1メートルほどの熊が出没。ラーメンの仕込み中に襲われた男性従業員が怪我をしながらも熊を投げ返し、撃退後にスープの仕込みを続けていたというニュースは《凄!超職人》、《投げ返したってすごいですね》、《ご無事で何より》などとSNSでも話題になった。
店のオーナー・佐々木剛さんは熊被害について、本誌の取材にこう答えていた。
「私は開店準備で店に着いたのが5時半頃。両替機の準備をして店に入ると、厨房にいる従業員が血だらけで仕事をしていて驚いたんですよ。『どうした?』と尋ねると、『やられたが、投げ返した』と答えたんです。最初は何のことか分からず詳しく聞くと、『犬の大きいやつかと思ったらクマだった』と……。
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クマは店正面の国道4号方面へ逃げたというけれど、血は止まらずタラタラ流れているし『病院に行こう』と話したんですけど、本人は『大丈夫、大丈夫。お店開けないと』と(笑)。『いやいや熊だし、ばい菌入ったらそのほうが大変だから』としばらく説得して、ようやく私が救急車を呼んだんですよ。右の瞼と鼻を縫うほどの怪我ですから顔も腫れていますし、今は自宅待機で通院しています」
この従業員は1年ほど前に入社したばかりの脱サラの男性で、元透析専門病院に勤めていた医療のスペシャリストだった。
「定年前に今後は好きなラーメンの仕事をしたいと入社してくれたんです。とにかく真面目な男でね。あだ名は“レジェンド”って言うんですよ(笑)。今までいろんな局面を見てきた人生のベテランのような人なので、そういうあだ名になったんですが、もともと学生時代は野球をやっていました。身長は160センチほどですが、体格はがっしりしているんです。格闘直後の緊張状態もあったと思うんですが、元医療従事者だったこともあって、血や傷に知見があるからなのか、自分でこの程度なら大丈夫と冷静に仕込みを続けていましたね」
お店はそれ以来、臨時休業中だった。営業再開にいたった経緯について、本誌は再び佐々木さんに話を聞いた。
「なんとか店の周りを高さ2メートルの鉄柵で覆う工事の完了の目処がついたところなんです。まずは安全確保が大事なのでね。“レジェンド”ですか? ええ、今じゃすっかり元気で。おかげさまで傷の具合も落ち着いて、今では仕込みも問題ありません。無事に店の再開を待つだけです」
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しかし熊はいまだに捕まっていない。「あのニュース以来、問い合わせの連絡も増えて困っちゃいますね」と話す佐々木さんだが、営業再開時には“レジェンド”を一目見たいお客さんで行列ができるかも――。
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