アサヒビール、11月の売上高は前年比8割下回る　ランサム攻撃により手作業で出荷

　アサヒグループホールディングス（HD）は12月10日、国内事業各社の2025年11月の販売概況を公表した。アサヒビールの売上高は、前年同月比で7割台後半にとどまった。9月29日に発生したサイバー攻撃の影響で、10月以降は手作業による受注・出荷が続いていた。

　アサヒビールは10月2日から主力商品「スーパードライ」などを中心に出荷を再開。10月の売上高は前年比9割超に達していたが、11月は再開初期に一時的に受注が集中した反動や、年末向けギフト商品の出荷制限が影響した。10～11月の累計では8割台半ばとなった。

　「カルピス」「十六茶」などを扱うアサヒ飲料の11月売上高は、前年同月比で7割台半ばとなった。10月3日から主力商品に絞って出荷を再開しており、同月の売上高は前年比6割程度だった。出荷品目の拡大により、回復傾向が続いているという。

　「ミンティア」や乳幼児用ミルク、サプリメントなどを取り扱うアサヒグループ食品の11月売上高は、概算で前年比9割程度だった。10月2日から一部商品の出荷を再開しており、同月の売上高は前年比7割超にとどまっていたが、こちらも出荷品目の拡充によって持ち直しているとした。

　システムによる受注は、アサヒグループ食品が12月2日から、アサヒビールとアサヒ飲料が12月3日から再開。配送リードタイムなどに引き続き制限があるというものの、2026年2月までの通常化を目指すとしている。

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