
歌手美川憲一(79)が10日、都内で記者会見し、11月に公表したパーキンソン病が判明した経緯や闘病生活、今後の歌手活動などについて自らの言葉で語った。人生初の大病に少し気弱になりながらも「回復は60%。でもしぶとく生きるわ。歌うわよ〜」と宣言。これまではファンのために歌ってきたが「病気と闘っている人、サポートする人を勇気付けたい」と前を向いた。
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9月11日に「洞不全症候群」と診断され、心臓にペースメーカーを埋め込む手術を実施。術後の精密検査でパーキンソン病と判明した。
「ただいま〜。5年ぐらい前からめまいがあって今年8月に(米)ロスで倒れた。歩けなくなったんです」。すぐに帰国して入院。手術は1、2時間で終了した。「大きな病気をしてこなかったので『死』について考えたことがなかった。でも初めて身近に考えました。生きていて良かった」。その後の検査でパーキンソン病と分かり「ショックでした。そういえば足に力が入らなくて転んだこともあった」と振り返った。
1カ月半の入院生活をへて現在は自宅療養とリハビリが中心の生活だ。「週に2回のストレッチ。そして声は大丈夫。昨日もボイストレーニングをしました。手の震えはない。できるだけ歩くようにしています」。“仕事を断らない”をモットーにしてきただけに、ディナーショーなど、いくつかをキャンセルをしたことは「切ないですよね」としみじみ語った。
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ファンへのメッセージを求めると「多くの方から励ましの言葉をいただいてありがたい。気合が入ります。いつまで歌えるかわかりませんが自分で選んだ道。これまで『100歳まで歌う』と言っていましたが『100歳まで歌えるかしら』と弱くなりました」。そして回復度は「60%くらい」としながら、「高市総理みたいに『働いて働いて働いて働いて働いて』。そういう気持ちでやっていきます」と笑顔で宣言した。
14日に愛知・豊田市で開催するコロッケとのディナーショーが復帰ステージ。その後はトレーニング風景などをSNSで発信していく。病気になっても美川節は健在。これからも“しぶとく”生きていく。【松本久】
◆美川憲一の一問一答
−入院生活のベッドの上で何を考えましたか
「母のことです。『あんたは絶対に大丈夫。何があってもはいあがる』といつも言っていました。歌番組は見るのがつらいから見ないようにしていました」
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−体重は
「やせました。70キロくらいあったのが62キロくらい」
−今年中にやっておきたいことは
「遺言を書いておいた方がいいと思うようになったんです。1人ですから、もっていかれるなと。あの宝石を誰が持っていくか…。しっかり書いておきます」
−今年を振り返って漢字1文字で表現すると
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「『勝』です。病気に勝つ。自分にしっかり勝つ。しっかり生きていきます」
−14日の復帰コンサートはどうやりますか
「椅子を置くことはあっても基本的には何も変わらない。10曲くらい歌います。すごく楽しみ。もうやるっきゃないですね」
◆パーキンソン病 脳内の神経伝達物質ドーパミンが減少し、運動機能に関わる大脳からの信号がうまく伝わらず、筋肉のこわばりなどの症状が出る病気。手足が震えたり、歩行が困難になったりする。特徴的な4大症状は「振戦」「固縮」「動作緩慢」「姿勢保持障害」で厚生労働省の指定難病。1817年に英国のジェームズ・パーキンソンにより初めて報告された。
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