与党国対委員長会談に臨む自民党の梶山弘志氏(左)と日本維新の会の遠藤敬氏=10日午前、国会内 自民党と日本維新の会が提出した衆院議員定数削減法案を巡り、今国会中の成立は困難との見方が広がってきた。会期末が17日に迫る中、野党が週明けの審議入りにも応じない姿勢を鮮明にした。維新は成立の可能性を探るため、自民に対する会期延長の要求を強める構えだ。
自民の梶山弘志国対委員長は10日、立憲民主党の笠浩史国対委員長と国会内で会談し、定数削減法案の付託先となる衆院政治改革特別委員会の審議日程について協議。定数削減法案の審議入りを急ぐため、審議中の企業・団体献金見直し法案を週明けの15日に採決するよう求めた。
これに対し、笠氏は、献金見直し法案の審議はなお不十分だとして「現段階で採決に応じることはできない」と明言。定数削減法案の特別委への付託についても「献金見直し法案が決着した後だ」と拒否した。
与野党は10日の特別委理事懇談会で、献金見直し法案に関する参考人質疑を15日に行うことで合意したが、その後の日程では折り合わなかった。梶山氏は記者団に「粘り強く審議してほしいと言い続ける」と語った。
維新はいら立ちを強めている。自民との連立政権合意書は定数削減法案について「臨時国会に提出し、成立を目指す」と記しており、同党内には「提出で合意は履行している」との声もある。これに対し、維新の藤田文武共同代表は10日の記者会見で「出して終わりという取り組み方では信頼関係は醸成されない」と自民をけん制。会期延長について「一つの手段だ」と語った。
野党が献金見直し法案の採決に応じない背景には、国民民主、公明両党が提出した「規制強化」法案が成立するめどが立っていないこともあるとみられる。藤田氏は会見で、国公案について「党内に賛同したらどうかという意見がある」と述べ、修正協議に応じる可能性を示唆した。維新の遠藤敬国対委員長は梶山氏と会談し、「企業・団体献金(見直し)に決着をつけるべきだ」と伝えた。

自民党の梶山弘志国対委員長との会談後、記者団の取材に応じる立憲民主党の笠浩史国対委員長=10日午後、国会内

衆院政治改革特別委員会理事懇談会に臨む伴野豊委員長(中央)ら=10日午後、国会内

記者会見する日本維新の会の藤田文武共同代表=10日午後、国会内