
日本能率協会マネジメントセンター(東京都中央区)によると、新入社員の「就社志向(現在の会社でずっと働きたい傾向)」は年々高まっており、2016年の調査開始以来で最も高い70.9%に上った。一方、上司・先輩社員の間では「育成疲労」を感じていることも明らかになった。新入社員の働き方や上司・先輩との育成はどう変化しているのか、調査した。
約7割の先輩社員が「新人ガチャ」感じる、新入社員側の意見は?
就社志向の高まりを裏付ける理由として同社は「今後の働き方について『今の会社の事業の中で成長したい』(73.8%)が上昇傾向にあり、2020年から16.4ポイント伸びている。また仕事の評価について、成果・生産性よりも「何時間働いたか・何年勤続したかを考慮して評価されること」(49.1%)を望む声が年々増加している点が挙げられる」とコメントしている。
自律的にキャリアを開発していく意識は、2022年は89.2%だったが年々低下しており、今回は65.3%だった。安定した雇用の中で評価され、成長していきたいという意向が見られる結果となった。
●育成疲労も?「新人ガチャ」を感じたが67.3%
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希望する部署や勤務地に配属されなかった、いわゆる「配属ガチャ」を感じた新入社員は48.1%で、配属された新入社員に当たり外れがある、いわゆる「新人ガチャ」を感じた上司・先輩社員も67.3%に上った。
人材不足かつ売り手市場により、採用競争が激化する中で採用した貴重な新入社員にもかかわらず、現場では育成に翻弄(ほんろう)される上司・先輩社員の様子がうかがえる結果となった。
上司・先輩社員に、新人指導を通じた自身の成長実感を尋ねたところ、「実感がある」は59.7%だった。2018年をピークに下降傾向にあり、現場の「育成疲労」が顕在化していることが分かる。
新入社員が仕事において課題・不安に感じることは何か。時期別に分けて聞いたところ、いずれも「PCやITのスキルがない」が上位5位以内に挙げられており、前年より順位が上昇した。
特に入社1年目の主な勤務先が「在宅」だった人においては課題の第1位に挙げられ、「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代であっても、ビジネスに必要なITスキルの習得支援が急務であることが分かった。
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調査は、2024年から2025年に入社した新入社員と、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員計2674人(新入社員1085人、上司・先輩社員1589人)を対象にインターネットで実施した。調査時期は6月。
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