吉良上野介役の高橋克典が「吉良は悪くない」 バカ殿のものまねも 明治座「忠臣蔵」会見

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2025年12月11日 19:23  日刊スポーツ

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舞台「忠臣蔵」手を振る、藤原紀香(左)、上川隆也(中央)、高橋克典(撮影・宮地輝)

12日に東京・明治座で初日を迎える舞台「忠臣蔵」の前日会見が、11日、同所で行われた。主役の大石内蔵助役の上川隆也、その妻のりく役の藤原紀香、仇(かたき)の吉良上野介役の高橋克典ら、出演者たちが出席した。


上川は「あの一言、緊張感。それに尽きます」。藤原は「本当にキャスト含め全員が、この物語を気持ちこめているという感じがします」。高橋は「もう早く見ていただきたいです」と話した。


舞台の内容について、上川は「もちろん一番の見せ場は討ち入りもそうなんですが、背景の描写にLEDを利用して、それをさまざまに配置を変えながら、物語を進行して行く。舞台の上には柱もなければ、床もない。全くの素の空間の中にLEDだけが輝いて背景を映し出しているという状況。稽古場から一貫して、その状態で僕らは続けてきました。ですから、僕らがどんな空間を共有して、何を描こうとしているのかというのを想像し合いながら、補填し合いながら、ここまでやってまいりました。その気持ちを1つにする作業とでも申しましょうか。1つの絵を皆で作り上げていくという、その作業に何より労力を重ねて描き出して物語です。それにみんなの力を注ぎました」。


藤原は「やはり時代劇ということで、所作だったり作法だったりがあって緊張感がありました。でも、お芝居以外のところで、本当にいい感じで雰囲気ができている。すごく和気あいあいとして、緊張感があります。」。


高橋は「今まで描かれてない吉良上野介像が、今回は10ぐらいはありますね。そこは是非見ていただきたいと思います。あと、私は討たれる方ですから、藤原さんが和気あいあいと言っても、全く訳が分からない。一番初めから、みんなが『あいつを殺したろ』と目の前で言ってるのを(稽古期間中の)1カ月、見てました。これを本番で、全て返してやろうと思っています。死なないかもしれないし」と話した。


そして「吉良上野介っていうのは、幕府と朝廷の間に入ってですね、100回も江戸と京都を行き交いして、ものすごく尽力してる。地元では、愛されていて、伝説のお話もございます。どこが悪いんだ、俺。よくよく考えてみると『忠臣蔵』って、私が仇じゃないでしょう。辛抱のきかないとんでもない若造がキレた。しかも、『お前、死ね』と言ったのは将軍ですから。これを1つ、現代においてはどうするということを、感じていただければと思います」。


上川は舞台を演じる前に、浅野内匠頭の領地だった兵庫県の赤穂を訪れてお参りした。「僕が赤穂を訪れた日は、本当にいい天候に恵まれまして。それもあって赤穂という土地柄をとても好ましく思いました。お参りにあたっては、もう本当に純粋に成功と無事これに尽きます」と笑顔を見せた。


高橋は「僕、殺されます。天気がいいからいい土地だと思えたっていうのは、何事かと。たまたま天気が良かっただけでしょう。行かれた時はマスコミの皆さんも一緒で、それがX(旧ツイッター)で流れてくる。僕は自費で行きました。名古屋の方にある吉良の城や両国の屋敷跡とか。全部天気が良くてですね、ああ、いい人なんだな、やっぱり吉良は悪くないんだな、と。爽やかそのものと思いました」と話した。


舞台上にはLEDボードが並べられ、そこに江戸城殿中松の廊下、討ち入りの舞台となる吉良邸などの背景が映し出される。演出の堤幸彦氏は「大きなLEDを使って、当時の雰囲気はこんな感じじゃなかったのかと。表現の方法としては浮世絵ですね。デジタルの背景の前で、たくさんの生身の肉体がなんとも言えないパワーみたいなものを出している、すごい舞台になってますので、是非あの体感していただきたいなと思います」。


そして「今回は全くギャグとかも一切ありません。本当にストレートな。その中で、どうしてもあの吉良様が、やりたがるのを止める、と」。ここで、高橋が「ちょっとすいません。それは僕より、こちらでしょう」と上川を指さす。堤氏が「吉良はギャグには不向きかと」と言うと、高橋は「そうですか〜」と、志村けんさんのバカ殿の口調をまねして応じた。

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