ロッテ・一條力真 「1年目で一軍の試合に投げられたことは良かったかなと思いますし、結果はそんなに良くなかったですけど、自分のボールを投げられたので、そこは良かったかなと思います」。
ロッテの一條力真は、プロ1年目のシーズンをこのように総括した。
一條は春季キャンプは都城組のスタートだったが、2月28日の韓国ロッテとの練習試合、3月2日のソフトバンクとの2025球春みやざきベースボールゲームズに登板するなど、一軍の対外試合にも登板。「入れにいったり力の入っていないボールを投げると持っていかれるようなイメージがついた。そこはいい収穫かなと思いました」。
韓国ロッテとの練習試合では、先頭のナ・スンヨプに3ボールから投じた4球目のストレートをライトスタンドに運ばれたが、一死走者なしでユ・ガンナムを2ボール2ストライクから空振り三振を奪ったフォークはストライクゾーンからボールゾーンに良い落ちだった。
開幕は二軍スタートも、3月21日の西武二軍戦で公式戦デビューを果たし、1回12球中10球がストレートとパワーピッチ。初登板でストレートが多かった理由について「ストレートがいちばんの課題だと思っているので、そのストレートが活きてこないとフォークも活きてこない。一番ストレートを重点に置いていますね」と明かした。
昨年12月に行われた新入団選手発表会で「注目してほしいポイントはフォークボールです。落差の大きいフォークボールが持ち味だと思うので、三振をバンバン取っていきたい。そこを見てほしいと思います」と意気込んだようにフォークを武器にしていたが、プロでもストレート、フォークでファームでは12試合・10回1/3を投げ、イニングを上回る15奪三振。奪三振率は驚異の13.06をマークし、7月15日に一軍登録された。
同日のソフトバンク戦、2−5の5回にプロ初登板。一死走者なしで中村晃を1ボール2ストライクからフォークで空振り三振、プロ初奪三振を記録した。
登板翌日に左足を痛め、17日に一軍登録を抹消。その後は一、二軍の公式戦登板はなかったが、みやざき・フェニックスリーグで6試合に登板した。
ファームではストレートとフォークを中心に三振を多く奪った中で、怪我せずに投げられていたら一軍で抑えられていたイメージはあったのだろうかーー。
「イメージはないですけど、もっと投げたかったのはあります」。
「数字的にはイメージしていないんですけど、一軍でより多く投げられればいいかなと思います」と、プロ2年目に向けて決意を述べた。来季は1試合でも多く、一軍の登板を果たしたい。
取材・文=岩下雄太