ドキュメンタリー映画「Black Box Diaries」の日本版公開初日で舞台あいさつする監督の伊藤詩織さん=12日午後、東京都港区 映像ジャーナリストの伊藤詩織さんが監督を務めた映画「Black Box Diaries」が12日、東京都内の劇場で公開された。伊藤さんは上映後に舞台あいさつを行い、「日本へのラブレターと思って10年間作ってきた。心よりうれしく思う」などと語った。
作品は、2015年に元民放記者の男性から性暴力被害を受けた伊藤さんが、その後の経験を映像に記録したドキュメンタリー。24年に海外の映画祭などで上映され、今年の米アカデミー賞では長編ドキュメンタリー映画部門にノミネートされた。
一方、ホテルの防犯カメラ映像やタクシー運転手ら関係者の発言が、許諾を得ないまま使用されているなどとして、伊藤さんの元代理人の弁護士らが批判の声を上げている。
伊藤さんは「プロセスにさまざまなご意見があり、私もとても反省するところもあった」と述べた。「日本公開版」ではタクシー運転手の許諾を得て、一部映像を修正したと説明。防犯カメラ映像については「作品に不可欠」と使用を継続したとしている。

ドキュメンタリー映画「Black Box Diaries」の日本版公開初日で舞台あいさつする監督の伊藤詩織さん=12日午後、東京都港区