参院予算委員会で答弁する高市早苗首相=12日、国会内 高市早苗首相は12日の参院予算委員会で、「君が代」の手話表現を国が正式に一つに決めることに慎重な考えを示した。自民党の今井絵理子氏が「統一した表現がなく、地域によって異なる」として一本化の検討を求めたのに対し、歌詞の公式の解釈がない点などを理由に「政府として国歌の統一的な手話表現を定めるとはしていない」と答えた。
今井氏は11月に開催された聴覚障害者の国際総合スポーツ大会「デフリンピック東京大会」での手話による君が代は民間の「試行版」だと指摘。「国の責任で公式版へ格上げすべきだ」と訴えた。
首相は「国旗国歌法では歌詞と楽曲しか定められておらず、歌詞の意味や解釈が統一されていない。わが国では手話は一つではなく、さまざまなものがある」と説明。「関係者が試行版を作成した取り組みに敬意を表する。そうした状況を見守りたい」と語った。

参院予算委員会で手話を交えて質問する自民党の今井絵理子氏=12日午後、国会内