自・維、募る相互不信=定数削減で溝、政権に火種

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2025年12月13日 07:31  時事通信社

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時事通信社

国対委員長会談に臨む自民党の梶山弘志氏(中央左)と日本維新の会の遠藤敬氏(同右)=12日午前、国会内
 衆院議員定数削減法案の扱いを巡り、自民党と日本維新の会が互いに不信感を募らせている。法案を改革の「センターピン」と位置付ける維新は今国会中の成立を迫ってきたが、自民側の熱量は低く、決着は1月召集の通常国会に先送りされる公算が大きくなった。吹き始めたすきま風は高市早苗首相の政権運営の火種となりそうだ。

 「日程感はいかがなものか」。維新の遠藤敬国対委員長は12日、自民の梶山弘志国対委員長と国会内で会談し、法案の付託先となる衆院政治改革特別委員会が10日以降「休眠」していることなどを挙げて苦言を呈した。両氏は成立に向け「会期延長も排除しない」と申し合わせた。

 とはいえ、自民内に成立を目指す機運は乏しい。参院で与党の過半数割れが続く中、成立には野党の協力が不可欠だが、自民が「野党工作」に動いた形跡はない。維新の藤田文武共同代表が参政党の神谷宗幣代表に直談判したのと対照的だ。

 法案は自民総務会で了承されたが、異例の「自動削減条項」への忌避感は強く、党内には反対論がくすぶる。中堅議員は「採決すれば造反が出かねない」と指摘。党幹部は「会期を延ばしても成立は見込めない」と冷ややかに語った。

 これに対し、維新内には不満が渦巻く。党幹部は「法案をつぶそうとしているのは自民だ」と憤慨。藤田氏は11日、国民民主党の玉木雄一郎代表に対し、同党などが提出した企業・団体献金規制強化法案について修正協議に応じる用意があると伝えた。自民の嫌がる同法案への賛成をちらつかせ、自民に圧力をかけるのが狙いだ。

 もっとも、維新は党内の足並みの乱れを露呈し、主張は迫力を欠いている。国会議員団は連立離脱もちらつかせて自民に圧力をかける構えだったが、維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は11日のラジオ番組で「首相は(定数削減に関する)約束を守ってくれた」と評価し、連立離脱に否定的な考えを示した。

 吉村氏は12日、記者団に「結論が出るまで会期延長すべきだ」と再び強硬な姿勢を見せたが、冷や水を浴びせられた形の国会議員団は「約束は守られた」との発言について「党の見解ではない」(幹部)といら立ちを募らせる。

 与党の迷走を尻目に野党は冷ややかだ。公明党の斉藤鉄夫代表は12日の記者会見で「民主主義の基本手続きを否定するような法案を議論するための国会延長は考えられない」と切り捨てた。 

このニュースに関するつぶやき

  • 元々選挙区が重なる党同士でしたし、党是や支持母体に元々大きな溝がある印象でしたから、そんな気はしてました。
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