2025年スーパーフォーミュラ鈴鹿大会の様子 12月12日、JAF日本自動車連盟は、2026年の全日本スーパーフォーミュラ選手権、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の統一規則の変更について発表した。2025年は富士スピードウェイで行われた第10戦が突然の天候不良で延期され、鈴鹿サーキットでの最終大会に組み込まれることがあったが、これを加味したと思われる規則変更が為されている。
シリーズのスポーティングの部分の規則書である統一規則は、全日本選手権の場合JAFから毎年発表され、その変更箇所が記載されているが、2025年の規則から2026年の規則変更については、富士から鈴鹿へ延期された第10戦のケースを想定したと推測される規則変更が行われた。
特に注目なのは、第6条『参加車両』以降の項目。第6条4.は、これまで「本選手権競技会は、1大会1レース制、1大会2レース制、または1大会2ヒート制とする」と記されていたが、2026年からは「選手権競技会は、1大会1レース制、1大会2レース制、または1大会2ヒート制とする。不可抗力により開催が中止または延期されたレースを大会に代替編入させる場合はそのレース数を大会レース数に加えることができる」と定められた。
またこれに関連し第27条『プラクティスセッション(公式予選等)』には、「なお、天候等の不可抗力の場合は、競技会審査委員会の決定によるものとする」という項目があるが、(1)少なくとも20分の公式予選、(2)ノックアウト予選方式のふたつに加え、『(3)中止または延期されたレースを代替開催する際の該当レースのグリッド決定方法』という項目が追加されたほか、第27条の「決勝レース当日に少なくとも30分間のフリー走行の時間帯が設定されていること」という項目が削除された。
さらに第29条『スターティンググリッド』の項目では、第29条9.に「中止または延期されたレースの公式予選が既に終了し、正式結果が発表されている場合、代替開催レースのグリッドはこれを採用する」と今季同様のパターンが明文化されている。
●ピット作業員は1名増に
加えて、大きな変更点としては、1大会1レース制の際の得点としては、レース距離が150km未満の場合、獲得ポイントは1位:12点/2位:9点/3位:7点/4位:6点/5位:5点/6位:4点/7位:3点/8位:2点/9位:1点(1大会2レース制の場合:夫々に上記の得点)というポイントが定められた。なお、第7条3)には、予選上位者の得点は「正式予選結果の発表によりレースの結果に関係なく与えられる」という項目も加えられた。これも2025年第10戦を想定したものと思われる。
またドライバーについては第18条のなかに「同年選手権期間中、各競技参加者は最大3名までのドライバー変更が認められる」という項目が加えられた。ピットエリアでの作業員については、これまで最大6名が作業エリアに出ることができ、この中でタイヤ交換や車両誘導を行うことが定められていたが、「さらに、安全性の観点から専ら車両誘導に従事する車両誘導要員を1名配置しなければならない」と定められた。
その他の変更点としては、ドライバーが装備するヘルメットやレーシングスーツ、グローブ等の装備品について、これまで細かい項目が記されていたが、「最新の国際競技規則付則L項第3章内の『Formula2』に準じたドライバー装備品を提示しなければならない」と定められた。またエンジン交換については、「封印が解かれたエンジンブロックまたはシリンダーヘッドもしくはその両方が交換された場合をエンジン交換とみなす」とされた。
また第26条の『一般安全規定』の中に、「19.常に車両が安全な状態であることを確認して競技車両を走行されることは競技参加者の責務である」「20.エントラント、ドライバー、ピットクルー及び競技に参加する全ての者はサーキット施設内において常に安全の確保に留意しなければならない」という2文が加えられている。
[オートスポーツweb 2025年12月13日]