
今回は、配偶者の厚生年金加入期間によって、加給年金を受け取れるかどうかについての質問です。
Q:自分が65歳、配偶者が61歳で、配偶者の厚生年金加入期間が18年の場合、2年間は加給年金を受け取れるのでしょうか?
「加給年金について質問です。厚生年金の加入期間が20年以上ある配偶者がいると加給年金は支給されないと聞きました。では、例えば自分が65歳、配偶者が61歳で、配偶者の厚生年金加入期間が18年の場合、その2年間は加給年金を受け取れるのでしょうか?」(みやびさん)A:配偶者が男性であれば、65歳になるまでは厚生年金加入期間が20年以上になっても加給年金は支給されます。女性の場合、1963年または1964年生まれなら63歳または64歳から特別支給の老齢厚生年金の受給権が発生するため、加給年金はその時点で終了します
加給年金は、厚生年金に20年以上加入した人が65歳になったとき、65歳未満で一定の所得要件を満たす配偶者を扶養している場合に加算される制度です。あくまで「家族を支えるための上乗せ給付」という位置付けになります。ただし、この加給年金には支給が停止されるタイミングがあり、それが次の2つです。
・配偶者の厚生年金加入期間が20年以上になったとき
・配偶者に老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含む)や障害年金などの受給権が発生したとき
ここで誤解が多いのですが、「配偶者の厚生年金加入期間が20年以上になっただけ」では加給年金は止まりません。加入期間が20年以上になり、かつ老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含む)を受け取る権利が生じたときにはじめて支給停止になります。
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●配偶者が男性の場合
1963年または1964年生まれの男性は65歳から老齢厚生年金が始まります。よって、配偶者が65歳になるまでは、みやびさんは加給年金を受け取れる可能性が高いでしょう。配偶者の加入期間が20年を超えても、この年齢までは停止されません。
●配偶者が女性の場合
1963年または1964年生まれの女性は、63歳または64歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給が始まる世代です。このまま厚生年金加入期間が20年以上になった場合、配偶者が63歳または64歳になり、特別支給の老齢厚生年金の受給権が発生した時点で、みやびさんがもらえる加給年金は終了します。61歳〜63歳または64歳までの2〜3年間のみ加給年金が支給される可能性があります。
配偶者の生年月日と加入期間が、加給年金の支給期間を大きく左右します。不確かな部分があれば、年金事務所で一度確認しておくと安心です。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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