
【写真】全てが実写で撮影 驚くべき映像表現の『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』場面写真
本シリーズは、“アバター”として潜入した元海兵隊員のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)が、ナヴィのネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と恋に落ち、家族を築き人類と戦う決意をするという物語。
2作目『ウェイ・オブ・ウォーター』では海へと戦いの場を移し、愛する者のために人類と対峙。退けることに成功するが、家族の命を奪われるという大きな犠牲を伴った。そして今回公開される『F&A』では同じナヴィでありながらパンドラを憎むアッシュ族のヴァラン(ウーナ・チャップリン)が人類と手を組み襲来し、かつてない“炎の決戦”が始まる―。
『アバター』シリーズの制作過程では、キャメロンとその制作チームが最先端技術を用いて、俳優たちの微妙な表情や身体表現をパンドラのデジタル世界に翻訳する。そして、俳優の繊細な感情のニュアンスや動きをキャプチャーすることで、フォトリアルなキャラクターを実現させ、観客の没入感を高める。俳優の身体的・表情的な演技のあらゆるニュアンスは、忠実にキャラクターに反映され、演技の細部までがパンドラに住むナヴィとしてスクリーンに再現されることとなる。
昨年亡くなったプロデューサーのランドーは、「最も親密でドラマティックな瞬間から大規模なスタントや動作に至るまで、全てが実写で撮影されています。過去には、これらの映画がアニメーションであるという意見がありましたが、それは決して違います。実際、私たちは18ヶ月間にわたりパフォーマンスキャプチャーを行っていたのです」と語っていたことがある。
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座長として撮影へ挑み続けてきたジェイク役のサムは振り返る。「スーツとドットマスクを着用し、数百台の赤外線カメラがある。だから、自分の行動や発言、感情、視線、状態のすべてが、それらのドットを通じてシステムに翻訳されるんだ。水に飛び込むのも、生き物に乗って飛ぶのも、息子が死んだ時に泣くのも、全てが私たち自身であり、全てが真実。技術が進歩すればするほど、演技はより繊細に表現できる。だから、ただそこに立って呼吸し、考えているだけでも、それがシステムを通じて伝わる。私の演技に追加されるものは何一つない」。
キャメロンが『アバター』を執筆した1995年当時、この壮大な物語をベストな方式で形にする技術に欠けていたという。その頃について、ランドーはこう回想している。
「当時、私たちが描きたかった物語を伝える技術は存在しなかった。そう言うと多くの人が3D技術のことだと思うかもしれないが、そうではない。問題だったのは、コンピューター生成効果を用いてスクリーン上に感情的で魅力的なキャラクターを登場させること。課題だったのは、ジム(=ジェームズ・キャメロン)のような監督が現実のキャストと仕事をするのと同じ親密さを保ちつつ、パンドラで躍動するキャラクターをどう創造するかだ。当時モーションキャプチャーと呼ばれていた技術を調査したが、有望ではあったものの、我々にとって重要な要素が欠けていた。“感情”だ。そこでまず、身体の動きと同時に顔の演技もキャプチャーするパフォーマンスキャプチャーへと発展させた。さらにそれをバーチャルプロダクションへと進化させ、ジム本人もカメラを持った。そうすることで、ジムは目の前に立つ人物ではなく、ナヴィを見ることができたのです。そして荒涼とした撮影現場を見渡した時、彼はパンドラの世界を目の当たりにしたのです。これは演技中心のプロセスにおける映画製作者のツールとなりました。当時は存在しなかった技術です。実現には全ての技術を自ら創り出す必要がありました」。
映画館での最高の映像体験を追求し実現しながら、普遍的テーマの先にあるリジナリティ溢れる物語を描き、全世界に届け続けるキャメロン。『F&A』は「何人かの限られた人たちに見てもらったのですが、間違いなく三作の中で最も感情的で、おそらく最高の出来だと言われています。心を打たれる作品になっていると思います」と語っている。
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