上皇さま、92歳に=体調安定、戦争とも向き合う

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2025年12月23日 00:31  時事通信社

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時事通信社

92歳の誕生日を前に写真撮影に臨まれる上皇さま=8日、東京都港区の仙洞御所(宮内庁提供)
 上皇さまは23日、92歳の誕生日を迎えられた。5月に心筋への血流が不十分となる無症候性心筋虚血と診断され、7月に新たな内服薬治療を開始。側近によると、体調は比較的安定した状態を維持しており、戦後80年の今年は、戦時中の疎開の思い出や、2016年のフィリピン訪問で面会した「残留2世」の人々を思い起こすなど、たびたび先の大戦と向き合った。

 5月の検査入院に続き、内服薬追加のため7月に入院。治療開始前検査で脈拍が速くなる上室性不整脈も確認され、その改善も含めた薬物治療を受けている。退院後は心臓に負担が掛からない程度に、健康を維持し筋力低下を防ぐための散策や運動を行い、皇居・生物学研究所に週2回通ってハゼの分類に関する研究も継続している。

 今年は上皇后さまと、天皇、皇后両陛下の戦後80年に合わせた慰霊訪問を見守り、戦争の記憶を伝えるテレビ番組を見たほか、23年に訪れた平和祈念展示資料館(東京都新宿区)から送られたモンゴル抑留者の悲劇を伝える会報に目を通した。8月には静養先の長野県軽井沢町で大日向開拓地を訪れ、満蒙開拓の歴史を振り返った。

 大阪・関西万博に伴い来日し、長年交流のあるスウェーデン国王、ルクセンブルク大公、ベルギー王女夫妻と仙洞御所(港区)で親しく歓談。タイのシリキット王太后の死去では、プミポン前国王と共に面会した日々を懐かしみ、国王に弔意を伝えた。

 長年活動を見守ってきた国際協力機構(JICA)海外協力隊が発足から60年を迎え、記念誌を上皇后さまと読み、歩みを感慨深く振り返った。デフリンピック東京大会の際は、皇太子時代から選手らとご夫妻で面会を重ねていることから、大会の発展を陰ながら喜んでいた様子だった。 

仙洞御所の庭を散策される上皇ご夫妻=8日、東京都港区(宮内庁提供)
仙洞御所の庭を散策される上皇ご夫妻=8日、東京都港区(宮内庁提供)

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  • 存命であろうとなかろうと長寿を美徳とするのどうかと。倫理感不足にしか見えない
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