
【写真】八木莉可子が世界的ファッションデザイナー・森英恵に扮する場面写真
日本人で唯一、“ファッションの最高峰”とされるパリのオートクチュールデザイナーとして活躍し、生涯をかけて“日本のエレガンス”を世界に発信し続けた森英恵さん。蝶のモチーフはブランドを象徴するデザインとして世界中で愛され、自身も“マダム・バタフライ”の愛称で親しまれた。2026年は、そんな英恵さんの生誕100年にあたる。その節目に、知られざる青春時代の物語が、若手実力派俳優・八木莉可子主演でドラマ化される。
豊かな色彩と優美なデザインで世界中の女性を魅了した森英恵さん。しかし、戦後の混乱期に何もないところからデザイナーとしての道を切り拓いてきたことは、あまり知られていない。本作では、島根で過ごした幼少期から、我が子の洋服づくりをきっかけに洋裁にのめり込み、やがてデザイナーとして花開き、世界へと進出するまでの知られざる奮闘を描く。
1926(大正15)年、島根・六日市村(現・吉賀町)で、5人兄妹の4番目として生を受けた英恵さん。彼女が提示したあざやかな「色」や美しい「形」は時代を超えて私たちに感動をもたらしてきたが、その原点は幼き日に親しんだ故郷の原風景にあったといわれている。
戦禍を乗り越え、22歳で結婚。生まれてくる息子の服を作るために洋裁を学び始めると、たちまちその虜となり、25歳のときに東京・新宿でオーダーメイド洋装店「ひよしや」を開店した。さらに映画コスチュームの世界にも飛び込み、『太陽の季節』『狂った果実』『彼岸花』『秋日和』『秋刀魚の味』など名だたる作品の衣装を手がけ、日本映画界における「衣装デザイン」の重要性を確立した。
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今回、英恵さんの激動の半生を描くにあたり、脚本は連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』や大河ドラマ『八重の桜』など、数々のドラマを手がけてきた山本むつみが担当。史実を徹底的にリサーチし、島根の野原を駆け回っていた少女時代から世界へと飛躍するまで、知られざるエピソードをちりばめながら、彼女が追い求めた夢を紡いでいく。もちろん、蝶のデザイン誕生秘話も描かれる。
演じる八木莉可子は、透明感あふれる佇まいと繊細な演技で、今最も注目される若手俳優のひとりだ。2022年の『First Love 初恋』で注目を集め、2024年には『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』で竜星涼とダブル主演を果たした。2025年は、10月クールのドラマ『終幕のロンド ―もう二度と会えない、あなたに』や、映画『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』『WIND BREAKER』など話題作への出演が続いている。
今回、17歳から39歳までを演じる八木は、クランクインを前に英恵さんの故郷・島根を訪れ、生家の跡地を訪問。森英恵生誕100年を記念して島根県立石見美術館で開催されていた没後初の展覧会「生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ」も鑑賞し、英恵さんのエレガンスの真髄に触れた(東京展は2026年4月15日より、国立新美術館 企画展示室にて開催予定)。
さらに、英恵さんも学んだドレスメーカー学院に通い、デザイン画のドローイングや足踏みミシンの操作などを集中的にレッスン。役作りに深く反映させている。撮影現場にはドレスメーカー学院の講師も立ち会い、服作りの臨場感とリアリティが存分に伝わるドラマとなっている。
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さらに、「森英恵さんご自身もとてもたおやかで、激動の人生の中で悩む瞬間がありながらも、常に力強くポジティブな方向を向いている。品があり、チャーミングさも併せ持つ。そんな英恵さんが物語を颯爽と駆け抜けていく姿を、きちんと描きたい」と意欲を明かす。
「ポジティブなエネルギーと好奇心を持って果敢に突き進む森英恵さんの姿に、私自身も背中を強く押してもらえた。この物語から、みなさんにも力を受け取ってもらえたらうれしい」と力強いメッセージを寄せた。
あわせて解禁されたティザービジュアルは、若き日の英恵さんがデザインに打ち込むポートレートとシンクロさせたもの。八木の凛としたまなざしが、英恵さんの強い意志を表現している。さらに、ヒロインの服作りへの情熱がひしひしと伝わる撮れたての場面写真も公開された。
ファッションを描く作品であるがゆえ、本作では膨大な数の衣装が用意されている。主演の八木が着用する衣装は50着以上に及び、時代に合わせてモンペからワンピース、スーツまで幅広いラインナップが登場する。
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加えて、ひよしやの外観や内装はもちろん、当時文化の発信地として熱気にあふれていた新宿の街並みを美術セットで克明に再現している点も、本作の大きな見どころとなっている。
ドラマプレミアム『森英恵 Butterfly beyond』は、テレビ朝日系にて2026年3月放送。
※八木莉可子のコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■八木莉可子(森英恵役)
――オファーを受けたときの気持ちを教えてください。
とてもうれしかったです。森英恵さんのことはもちろん存じ上げていたので、光栄に思いました。でも素晴らしい方だからこそ、私で大丈夫かな、という気持ちも同時に感じました。
――森英恵さんにはどのようなイメージを持っていましたか?
やはり蝶のモチーフの印象が強く、日本の伝統を取り入れて世界で活躍された数少ないデザイナーさん、というイメージを持っていました。でもクランクイン前に森さんの故郷である島根を訪れ、英恵さんに関する書籍を読むうちに印象が少し変わりました。あれだけ素晴らしい功績を残された英恵さんですから、お仕事で手一杯のはずなのに、お料理されたりお散歩に出られたり、ご家族との時間をとても大切にされていたんです。それを知って、日々細やかな気遣いをする方だからこそできた表現もあるのかな、と思いました。私自身は今、仕事で手いっぱいなので、リスペクトでいっぱいです。
また、森英恵さんのデザインは今、私たちの世代が見てもモダンで美しくカッコいい! 展覧会で作品を拝見して、普遍的な美しさってあるんだなと実感しました。ファッションと流行は切り離せないものだと思いますが、突き詰められた先にある美しさは、時を超えて感動や力を与えてくれるんだな、と…。私も森英恵さんのお洋服からたくさんのパワーをいただきました。
――“ひよしや”時代に森英恵さんが仕立てた服も着用されますが、袖を通した感想は?
まさか本物のひよしやさんのお洋服を着て撮影させていただけるとは思っていなかったので、ビックリしました。袖を通すだけで身が引き締まりますし、私にとって背筋をしゃんと伸ばしてくれるような存在です。そして何より、とてもかわいいです。汚してしまわないよう、ドキドキしながら着させていただいています。
――森英恵さんをどのように演じたいと考えていますか?
森英恵さんご自身は、とてもたおやか。激動の人生の中、悩まれる瞬間もあるのですが、悩んでいても力強く、ポジティブな方を向いているんです。しかも、どこか品があってチャーミングさも持ち合わせていらっしゃる…。そんな英恵さんが物語を颯爽と駆け抜けていく姿をきちんと描くことができたらいいなと思っています。
また、戦後の復興期、息子さんの服を作るところからスタートして世界的デザイナーに駆け上がった英恵さんは、決して“別世界の偉人”というわけではありません。みなさんに親近感を感じていただけるように演じていきたいと考えています。
――視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします!
ポジティブなエネルギーと好奇心を持って果敢に突き進む森英恵さんの姿に、私自身“自分はなんて小さなことで悩んでいたんだろう”と、ドーンと背中を押してもらえたような気がしています。森英恵さんというお名前は知っていても、世界に羽ばたくまでの道のりをご存じない方も多いと思うので、ぜひこのドラマから力をもらっていただけるとうれしいです。
