名医が教える『100年足首』のつくり方「正座は厳禁」簡単ストレッチとマッサージで足腰全体のトラブルを予防

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2026年01月25日 11:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

※写真はイメージです

 初詣で「健康」を祈願した人は多いだろう。生涯、自分の足で歩ければ何よりだ。

「ただ、日本人は男女ともに、健康寿命が平均寿命より10年ほど短いのが現実です。寝たきりや要介護状態にならず健康なままで生涯を終えるための対策は、今からすぐに始めてほしいですね」

 と語るのは、整形外科医の萩原祐介先生。手や末梢神経の名医として、全国から患者が絶えない。

歩く力を支えるのは「ぐらつかない足首」

「筋力や関節は、個人差はあるものの加齢とともに衰えます。関節が弱くなれば神経も衰えます。足腰でいえば、骨盤から足首へつながる座骨神経は、足首の関節が弱ることでダメージを受けます。腰のしびれや痛みの原因が、腰ではなく足首の関節にあることも決して少なくありません」(萩原先生、以下同)

 足首の関節が弱るとは、どういうことだろうか?

「足首の靭帯が伸びきった状態のことです。加齢も原因の一つですが、実は若いころに捻挫を繰り返したせいで足首の靭帯が伸びきっている人もいます。

 捻挫は、腫れや痛みが引くと完治したと思いがちですが、靭帯は伸びきったままであることが多いのです。若いうちは周りの筋肉が靭帯を守ってくれますが、加齢で筋力が衰えると足首がゆるんでしまうんです」

 萩原先生は、足首の関節が弱ることを「足首がゆるむ、ぐらつく」と表現する。

「そういえば同じ側の足ばかりでつまずく、O脚が進んだなどが思い当たる人は、足首がゆるんでいる可能性大です。足首がぐらつくことで、足首へ伸びる神経に負担がかかります。

 すると足の指の動きが鈍くなり、少しの段差でもつまずきや転倒を招くようになります。最悪の場合、脚を骨折して歩けなくなるおそれも。一生歩ける力を維持するためには、足首のゆるみを放置してはいけないのです」

 ブーツやハイカットの靴なら安定して長く歩けるけれど、サンダル履きではよく転ぶという人も、足首のゆるみを疑ったほうがいいという。

「足首まで覆う靴だからこそしっかり歩けていて、本当は足首が弱っているのかもしれません。でも足首は太ももやひざまわりと違って、筋肉を鍛えるのがむずかしい。だからこそ関節や神経のケアが大事です。足首に不安があるなら、あらかじめサポーターやテーピングで足首を固定して歩くのも有効な対策ですね。

 一方で、本来の足首の動きを越えた動作、例えば正座や足首回しは厳禁です。正座は体重をのせて靭帯を強引に伸ばすので、足首に“優しい”座り方とはいえません

親指の力を鍛えて100年歩ける足に!

「私の患者さんに、足首はユルユルだけど、どんな足場も地下足袋ですいすい歩けるという鳶職の人がいます。その方は足の親指(母趾)の力がとても強いんです。実は足の衰えは、母趾の力が弱まることから始まります。逆にいえば、足の親指の力を鍛えれば100年歩ける足関節が保てます

 足の親指といえば、外反母趾に悩む女性は多い。これも足の親指の力が落ちたことが一因だという。

「外反母趾の矯正で、親指だけを前向きに補正する装具がありますが、おすすめしません。親指の側面にある靭帯が伸びて扁平足を助長するからです。軽症なら、親指と小指の関節をぎゅっと握りながら、指の曲げ伸ばしや指を広げるストレッチをしたほうが足のアーチ(土踏まず)が保たれて、親指も前を向くようになります」

 靴の選び方も重要だ。安易に幅広の靴を選ぶと、足のアーチが崩れるおそれも。

理想は、下駄の鼻緒をぐっとつかむように親指に力を入れる感覚で歩くことです。足袋ソックスや五本指ソックスをはけば、より足指に力を入れやすいのでおすすめです」

 靴や靴下を選んだら、次は歩行などから足首の関節強化を図ろう。理想は一日一万歩なのか?

「科学的根拠はゼロです。一日8000歩歩く人の死亡リスクは低いというデータならあります。一回の運動ではなく、一日のトータルで達成すればいい。かたや一日の歩数が2000歩以下では認知症のリスクが高まることがわかっています。まずは週のうち3日は7000〜8000歩を目標に。続ければ足の筋力や関節の力が自然とついてきます。

 ただし、冬は寒さや雪のせいで歩きにくいので、転ばないよう注意して。歩くのは簡単だと思い何もしないでいると、いざ60歳過ぎて運動しても筋力や関節の力が落ちていて愕然としますよ。今のうちに健康習慣はつくっておきましょう」

今の足首の状態をセルフチェック

 両足のかかとをつけて爪先を90度くらいに開き、背すじを伸ばしたまま真っすぐ腰を下ろす。両ひざが自然に開き、かかとは浮いた状態に。そのまま20秒キープ。途中でしびれたり、5秒も続かないなら足首がゆるんでいる可能性大!

関節強化は日々の食事も大事

・筋肉をつくるタンパク質は、特に意識して

肉や魚に含まれる動物性タンパク質は、体内でつくれない必須アミノ酸を含むので重点的に。不足するとフレイルやサルコペニアのリスクが高まり歩行困難になる可能性も。

・やせすぎはよくない

運動器の障害により移動機能が低下してしまう。太れない悩みがある人は、高カロリー食(例:マクトンオイル入りの飲料など)をとるのも一つの手。

・亜鉛のとりすぎはNG

身体に必要なミネラルの一つ銅の吸収を阻害し、しびれを誘発しがち。サプリメントなどの過剰摂取は特に注意。

タオルギャザー

「身体のバランスを安定させ、転倒リスクを減らす要因でもあるのが足指の筋肉。実は普段の生活で足指を十分に使えていない人がほとんどなので、タオルを使ったトレーニングを紹介します」(萩原先生)

(1)椅子に浅く座り、敷いたタオルを、両足または片足で踏む。足先は真っすぐ前に向け、足首が底屈しないよう、ひざの角度、足首の角度とも90度にする。

(2)かかとは床につけたまま、爪先を浮かせて足指をパーに、下ろして指をグーにして、を繰り返し、シワをつくるようにタオルをたぐり寄せる。タオルを強く握る意識で。

(3)慣れてきたら指全体を開くイメージで行うと効果的。端までたぐり寄せたら1セット終了。これを3セット。

すねほぐしマッサージ

(やり方)内くるぶしにあるすねの骨(脛骨)に沿ってグリグリと押してほぐす。少しずつ位置を変えて30秒から1分ほど、少し痛いと思うくらいでOK。

(効果)足の指の筋肉の8割をコントロールする神経は、すねの骨に沿った筋肉と癒着しやすく、指の力を弱らせる一因になっている。すねの周囲の筋肉をほぐすことで、足首の神経にかかる負担をやわらげ、足の親指を上げやすくすることができる。ただしアキレス腱の近くには血管や太い神経があるので、さわらないこと!

教えてくれたのは…萩原祐介先生 医学博士。東邦鎌谷病院医師、電気通信大学客員准教授、埼玉医科大学総合医療センター リハビリテーション科非常勤講師。難治性疼痛治療のスペシャリストで、遠方の病院に招かれての手術も多い。近著『専門医が本気で教える いつまでも自分で歩ける100歳足のつくり方』(河出書房新社)。

取材・文/冨田ひろみ

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