
いまやコンビニや農業、介護など、様々な現場で活躍している外国人労働者。衆議院選挙を前に、各党の『外国人政策』についての訴えを比較しました。
外国人労働者数は過去最多も…追いついていない日本の制度高柳光希キャスター:
1月30日に、最新の外国人労働者の人数が発表されました。右肩上がりで伸びていて、2025年10月時点で約257万人と過去最多になっています。10年前の2015年の約91万人と比較すると、2.8倍以上伸びています。
この先もさらに増え続けることが予想されていますが、どんなことが懸念されていますか。
TBS報道局 政治部 原田真衣 記者:
外国人労働者の数は、10年前の3倍近くに増えています。在留外国人も2倍以上で、政府の想定をはるかに超えるスピードで増加しているのが現状です。
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ただ日本の現行制度では、多数の外国人が日本に在留することを前提としていませんでした。結果、例えば「税金」や「保険料の納付」、「不動産登記」、「土地所有」、「行政サービス」などにひずみが生まれている。
ここで、現状に即した「ルールの再構築が必要」だということです。
現政権においては、「外国人政策」を高市総理の“肝いり政策”として取り組んできたところです。
高柳キャスター:
政府は1月23日に「外国人政策の基本方針」を公表しました。
▼永住資格の取得
日本語や日本の制度・ルールなど『学習プログラムの受講』条件に検討
▼日本国籍の取得
・居住要件
現行5年以上→原則10年以上
▼ルールの厳格化
・入管庁に共有される医療費の不払い額
現行20万円以上→1万円以上
場合によっては、在留資格の更新を認めないなどの施策も講じていく方針だということです。
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TBSは各党に外国人政策についてアンケートを行いました。
【各党の外国人政策】(各党へのTBSアンケートより)
▼自民
安全・安心の確保
成長する日本の実現に向け、社会変化に合わせて法律やルール見直し
▼維新
外国人受け入れに関する「人口戦略」を策定
違法行為や制度の濫用・悪用への対応を強化
▼中道
外国人の人権を擁護しつつ、共に生きがいを育む多文化共生社会基本法(仮称)等を制定
▼国民
外国人の社会保険の加入実態等を調査
(外免切替)厳格化・適正化
▼共産
在留外国人の権利を擁護
「多文化共生」をすすめる
▼れいわ
安い労働力として使い捨てる「移民政策」にも外国人への排外主義にも反対
▼参政
外国人政策の抜本的見直しと理念法の整備
外国人総合政策庁を新設
▼ゆうこく
秩序ある受け入れと地域の安定を両立
▼保守
増える一方となっている移民の数の規制
▼社民
多文化共生の社会を実現
▼みらい
適正な管理体制や外国人労働者の受け入れ数の適正化
「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
「秩序を求める側」と「共生を求める側」に二分されていると思います。
「秩序を求める側」の人たちは、永住資格や国籍取得について今より厳しくするということを項目で挙げていましたが、今でも十分厳しいと思います。
例えば、日本国籍を取得するのは相当壁が高いと思った方がいいので、本当にもっと厳しくしなければいけないのかも含めて見直すべきです。
逆に、「共生を求める側」の各党の主張は抽象的な部分が多く、共生社会を実現するためにどんなことをすればいいのかについての具体策が少ないです。
両方共に、相当問題を含んだままだと思います。
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いずれにしても、かつて安倍元総理が「移民政策は取らない」とはっきりと言ったことで、それ以来、日本の中では「移民」ではなくて「外国人労働者」でしかない。それによって、色々な制度が十分に整えられないまま、ここまできている。
それが外国人労働者の社会保険料の未納などに繋がっている部分はあるので、移民なら「移民」と認めた上で、きちんとした政策をもう1回作っていくべきだと思います。
高柳キャスター:
そして、「外国人政策」の中でも特に注目されているのが、土地や建物など「外国人の不動産取得」についてです。
TBS報道局 政治部 原田記者:
政府は、具体的な施策の打ち出し自体は、1月23日の策定の中では見送ったという状況になります。
実は、国交省の最新の調査では、東京23区の新築マンションでみると、国外からの取得率は全体の3.5%と、比較的低い数値になっています。
ただ、これは「所有者の欄に記載された住所が国外」の割合が3.5%ということで、例えば、日本にいる外国人の購入の実態は含まれておらず、正確な把握がまだ追いついていないという状況です。
政府は今後、新たな不動産登記などの際に、所有者の国籍の登録を義務付ける方針です。
外国人政策の全体で言えることですが、「何がわかっていて、何がわかっていないのか」ということを政府も整理をしながら、具体的な政策を打ち出していこうと検討している状況です。
日比麻音子キャスター:
外国人労働者の人数が右肩上がりに増えていった中で、ここまで懸念や課題が膨れ上がる前に、その都度、ルールや制度作りがなぜできなかったのかと疑問に思ってしまいます。
堤伸輔さん:
外国人が最初に日本に入り始めたのは、1990年前後からです。当時、日本で労働者不足が起こり始めたので、ブラジルにいた日系の人たちを連れてきて、そこからだんだん「外国人労働者」という形で入れ始め、今は「技能実習生」、そして「特定技能」という形になっています。
「技能実習」が、もうすぐ「育成就労」という形に制度的には変わっていきますが、それを貫く根本となる「定住」までもっていくのか、いかないのか。そうした議論が、諸外国と比べて、日本はずいぶんおっかなびっくりやってきた。
逆に今、日本人で海外に住んでいる日系人は、どのくらいいると思いますか。
南波雅俊キャスター:
相当な数はいるとは思いますけど、日本に来ている外国人の数よりも多いですか?
堤伸輔さん:
約257万人というのは、日系人なので労働者という枠とは少し違いますが、3年前に外務省領事局が調べたところ、明治以来、約500万人の日系人が海外に住んでいます。
既に亡くなった方もいるので、おそらく約500万人よりはるかに多い人たちが日本から海外に出ていった。
今、日本に来て働いている人は、約500万人の半分しかいないわけです。
自分たちは働き口を求めて海外などに出て行った。ある意味、外国のお世話になってきたわけですが、逆に「日本に入る人はとにかく止めよう」というのは、やはり日本の国の品格に関わると私には思えます。
日比キャスター:
「労働力だから」とかそういう問題ではなく、どんな人であっても人権を守るのは当然のことですよね。
どんな人でも平等に互いを大切にし、尊重し合う。そして、安心できる生活を作るためのルール作りをどうしていくのかというところになるわけです。私たちの意思表示ができる機会である選挙で、しっかりと考えていきたいところです。
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<プロフィール>
原田真衣
TBS報道局 政治部
宮城・石巻出身
社会部や人事部を経験
堤伸輔さん
国際情報誌「フォーサイト」元編集長
BSーTBS「報道1930」ニュース解説

