外国にルーツを持つ子どもと若者向けに、日本語教育支援などを行う「YSCグローバル・スクール」(東京都福生市)責任者の田中宝紀さん=1月22日、同市 8日投開票の衆院選では、外国人政策も争点の一つになっている。居住者増加に伴い日本語指導が必要な子どもも増えており、学習の効率化が急がれる。支援団体からは「年齢や日本語能力に応じたガイドラインを国が策定することが大事だ」との声が上がる。
NPO法人「青少年自立援助センター(YSC)」(東京都福生市)は2010年、「YSCグローバル・スクール」を立ち上げた。外国にルーツを持つ子や若者を対象に、レベルに応じた日本語教育や高校進学支援を実施している。
対面とオンラインで14の学習コースを設け、中国やフィリピン、ネパールなどから来た子どもたちを年250〜300人ほど受け入れる。ただ、教室や講師の数には限りがあり、これ以上の受け入れは厳しい状況という。
文部科学省によると、日本語指導が必要な児童生徒は23年度に6万9123人と過去最多を記録。一方、学校での指導体制の整備は自治体任せとなっている。
同スクール責任者の田中宝紀さん(46)は「ニーズだけが激増している状況をどう改善していけるのか」と危機感を示す。国に対し、人員不足の実態調査の実施や、専門性に見合う働き方ができるようにした上での担い手確保を訴える。「国が旗振り役としてカリキュラムを整理するなど、効率化に向けた制度設計をすべきだ」と指摘する。
衆院選では、外国人の受け入れ制限や不法滞在の取り締まり強化などを主張する党もある。田中さんは「外国人向けの生活支援といった施策の対象範囲が政権によって左右されるのでは」と不安視する。
排外主義的な分断につながりかねないとの懸念もある中での衆院選。「多様な背景を持つ人たちは、今後一緒に日本社会を担っていく存在。日本語教育の必要性も含め、共生社会の土台となる法整備を進めてほしい」と強調している。

さまざまな事情で来日し、「YSCグローバル・スクール」で高校進学に向けて入試対策をする受講生ら=1月22日、東京都福生市