アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)/2026MotoGPマレーシア公式テスト 2月5日、ロードレース世界選手権 MotoGPクラスの2026年シーズンに向けたマレーシア公式テストがマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた。最終日はアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が総合トップタイムをマークして3日間のテストを終えた。
同地セパンでのシェイクダウンテストを終え、レギュラーライダー陣にとって今季はじめての走行の場となった3日間の公式テストも最終日を迎えた。連日現地時間10時から18時(日本時間11時から19時)に2度のセッションが実施され、3日目はセッション5回目、6回目が実施された。
セッション5の開始とともに多くのライダーがコースインするなか、初日に発生したトラブルから2日目は走行を見合わせていたヤマハ陣営のアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)の姿も見られた。前日に比べて路面状況も改善していることから、早々に1分56秒台に突入させるペースで走行するライダーが多く、開始1時間を前にファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)が1分56秒785をマークした。
さらに立て続けにアレックス・マルケスがこの日のベストタイムとなる1分56秒402を記録。このタイムは2024年にフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が樹立したオールタイムラップレコードの1分56秒337に迫るものだった。その後マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)も転倒があったもののトップから0.387秒差につけるなど、ドゥカティ勢がタイムを更新して上位4台に名を連ね、セッション5が終了を迎えた。
その後スタート練習が行われ、昼のインターバルを挟んだのちに実施されたセッション6では、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)をはじめとしたライダーたちがロングランを遂行。10周の平均ラップタイムはバニャイアが1分58秒166、マルク・マルケスは1分58秒289と速いペースでラップを刻んでいた。ただ、午前のセッションで最速タイムをマークしたアレックス・マルケスのラップタイムは1分58秒027とファクトリーライダーふたりを上回る好ペースを披露しており、ドゥカティ勢がロングランと一発の計測ともに好調さがうかがえるものだった。
終了間際には雨がぱらつくなかでも、走行を続けるライダーが多く見られ、終盤にはマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)が1分56秒526をマークし、トップで終了。2番手には0.567秒差でドゥカティ デスモセディチGP26を駆るディ・ジャンアントニオ、3番手には午前最速のアレックス・マルケスが続き、4番手には小椋も0.8秒差で続いた。この結果、2年連続でアレックス・マルケスが総合トップで終えることとなった。
好調なドゥカティ勢はマルク・マルケスが午前に2025年仕様のフロントエアロを2台のマシンで試走し、2026年仕様のエアロパッケージの要素も試していたという。さらにバニャイアも同様でどちらのエアロパッケージを好むか注目されている。
総合2番手にはアプリリア勢のベゼッチが続き、7番手にもラウル・フェルナンデス(トラックハウスMotoGPチーム)が入るなど2台がトップ10入り。小椋は3日間で転倒などもなく有意義なテストを過ごしたようで、総合12番手となった。チームメイトのホルへ・マルティンが2年連続不在という状況だったが、順調にテストメニューを消化していた。シートユニットには新しいエアロオプションが採用されていたが、今回のテストではエアロダイナミクスの最終調整に重点を置いており、その最終決定をレギュラーライダーたちに委ねているという。
またホンダ陣営は、2日目に総合トップで終えたジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)だったが、最終日はプラン調整のためタイムアタックを控えないといけない状況だったということで、総合5番手で終えた。ミルも「決勝でもトップ5には入れるだろう」と前向きなコメントをしており、順調にテストが進んでいる様子。チームメイトのルカ・マリーニは午前にトラブルが発生していたようで13番手、ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)は16番手、ディオゴ・モレイラ(プロホンダLCR)はトップから約2秒差の19番手で終えた。
KTM勢の最上位は総合8番手のペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)だった。9番手にはマーベリック・ビニャーレス(レッドブルKTMテック3)も続きトップ10に2台が食い込んだ。今回はKTM RC16プロトタイプの改良点をテストし、2026年仕様のレースパッケージに向けた新しい空力やシャシー、セットアップオプションなどのテストに専念していたという。4名が決勝レースとスプリントのシミュレーションに加え、タイヤにおける前後の比較走行を行い、最終日はストックしていたソフトタイヤを使用して課題解決に徹していたようだ。
また、KTMが発行したリリースによると『特定コンポーネントのホモロゲーションの取得に向け、特に空力プロファイリングの第一段階において重要な決定を下す必要がある』という。シェイクダウンテストの際にパドックでも噂になっていたが、そのことについての言及があり、引き続き今後の動向が気になるところだ。
そして初日の午後に技術的問題が発生し、2日目はテストをキャンセルしたヤマハ陣営は最終日にテストを再開。日本とイタリアで徹底して調査が行われた結果、走行を再開すると決断し、アレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)、プリマ・プラマック・ヤマハMotoGPのジャック・ミラーとトプラク・ラズガトリオグル、そしてアウグスト・フェルナンデス(ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム)がテストを継続させた。
シェイクダウンテストから総出でテストに参加していたヤマハ陣営はシャシーやリヤアーム、エアロダイナミクスといった主要トピックの選定をメインとしていたが、トラブルによりセットアップの微調整を行う時間は確保できなかったという。そのため、開幕前のブリラムテストで最終調整を行う必要があるようだ。そんなヤマハ陣営の最上位は総合14番手のアレックス・リンスだったが、V4エンジン搭載のヤマハYZR-M1の真の戦闘力が見られるのはもう少し先になりそうだ。
また、初日に転倒を喫して右手の中指を骨折したファビオ・クアルタラロは、2月5日にスペイン・バルセロナ市内の大学病院で精密検査を受ける予定だという。約2週間後に実施されるブリラムテストに間に合うのか、はたまたエースライダー不在となるのか……続報が気になるところだ。
テストが開催されたマレーシアでは、2月2日からクアラルンプール市内の中心部に位置するシティセンター内のショッピングモールでインタラクティブなショーケースや特別な体験を提供するファンイベントが開催されている。さらにこの後2月7日には『シーズンローンチ』がマレーシアの象徴的なランドマークであるペトロナスタワー前で開催される。デモランやライダープレゼンテーション、そして、ライブパフォーマンスが行われる予定だという。
さらにそのイベント経て、2週間後の2月21〜22日には第1戦タイGPの舞台となるチャン・インターナショナル・サーキットにて開幕前最後となるテストが実施される。各ライダーとチームにとって重要なテストの場となり、最後の準備に取り掛かることとなる。依然としてドゥカティ勢が好調なようにも見えるが、果たして他のメーカーはどこまで仕上げることができるだろうか。
[オートスポーツweb 2026年02月06日]