衆院選候補者の応援演説をする自民党の麻生太郎副総裁=4日、大阪府泉佐野市 自民党の派閥で唯一存続する麻生派の会長、麻生太郎副総裁が衆院選の応援で全国を東奔西走している。公示前の43人から勢力を拡大し、高市早苗首相の「後ろ盾」として党内への影響力をさらに高めたい考えだ。既に解散した他派閥の元領袖(りょうしゅう)も応援に精力的だ。
「自民候補への1票が、首相指名選挙での高市氏への1票になる」。麻生氏は4日、大阪市内でこう強調。連立を組む日本維新の会と激戦を繰り広げる麻生派元職への支援を呼び掛けた。
麻生氏は茨城を皮切りに、5日までに計6道府県で9候補を応援。このうち4候補が麻生派で、3候補が新人だった。既に同派入会を予定している候補も含まれるという。
麻生氏は昨秋の総裁選で首相の勝利に貢献。自身の副総裁に加え、党四役のうち幹事長と総務会長を麻生派が占めた。解散した各派閥も一定の固まりを保っているが、麻生派の勢力と結束は麻生氏の力の源泉だ。
ただ、首相が唐突に打ち出した2年間の食料品消費税ゼロは、衆院選後の火種となる可能性がある。財務相を9年近く務めた麻生氏は党を代表する財政規律派。首相は衆院解散を巡っても麻生氏に事前に伝えなかった。首相周辺は「衆院選で圧勝すれば、麻生氏を黙らせることができる」との見方を示した。
一方、茂木敏充外相は4日夜、旧茂木派のメンバーだったベテランを応援するため千葉県松戸市に駆け付けた。前回と前々回の党総裁選で支援を受けた他派候補の選挙区にも入り、基盤固めに余念がない。
旧岸田派の岸田文雄元首相も全国を回る。周辺は「派閥は解散したが、仲間を応援するのは当然だ」と指摘。高市首相と距離を置く旧森山派の森山裕前幹事長は地元鹿児島での活動が中心だ。