2026年IGTC開幕戦バサースト12時間がマウント・パノラマでの初レースとなるマスタングGT3 フォード・レーシングのグローバルスポーツカーマネージャー、アレックス・アルメンディンガーによると、アメリカのメーカーはマスタングGT3のマウント・パノラマデビューに向け、あらゆるモータースポーツ・プログラムからリソースを結集させたという。同氏は、2月13〜15日開催のIGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ開幕戦『バサースト12時間』において、マスタングが勝利を争う準備が万全であると考えている。
マスタングGT3は今週末、待望のバサースト初レースを迎える。ハウプト・レーシング・チーム(HRT)・フォード・レーシングのプロクラス参戦車両は、ファクトリースポーツカーのエースであるクリストファー・ミースとデニス・オルセンに加え、オーストラリア・スーパーカーのエース、ブロック・フィーニーがステアリングを握る予定だ。
ブルーオーバルはバサースト1000で22勝を挙げ、直近では昨年グローブ・レーシングのマシュー・ペイン/ガース・タンダー組が優勝を果たした。同社はシミュレーターデータを中心としたリソースを活用し、金曜朝の練習走行開始時にGT3カーが初めてコースを走る前に、可能な限りの準備を整えた。
「バサーストは我々のロードカーとレースカー開発における究極のテストベッドのひとつであり、私たちにとっては馴染み深い場所だ」とアルメンディンガーはSportscar365に語った。
「たしかにマスタングGT3にとっては新天地だが、マスタングそのものにとってはそうではない」
「長年にわたって収集した膨大な相関データにより、シミュレーターモデルの精度を最大化している。優れたパートナーやドライバー、データに至るまで、競争に必要なあらゆるリソースを揃えていると確信しているよ」
「我々のチームはマウント・パノラマでのデビュー戦でマスタングGT3が成功を収められるよう、利用可能なあらゆるツールを徹底的に活用してきた。これにはノースカロライナ州コンコードにあるフォード・レーシング・テックセンターでの包括的なシミュレーターテストも含まれている」
「私たちはバサースト1000優勝を果たした(RSCレプコ・)スーパーカー選手権プログラムから得た貴重なデータを活用し、マスタングGT3向けに蓄積したすべての知見とモデルを統合することで、“ザ・マウンテン”への準備を整えたんだ」
シミュレーター作業に加え、フォードとヨーロッパのパートナーチームでありマウント・パノラマ初参戦のHRTは、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)など、他サーキットの実戦データも活用。マスタングGT3は、昨季2025年のNLSニュルブルクリンク耐久シリーズで優勝し、ニュルブルクリンク24時間でもクラス優勝を果たした実績がある。
「GT3プログラムは競合他社に比べればまだ初期段階だが、過去2シーズンの世界的な競争で得た知見をこのイベントには活かすことができる」とアルメンディンガーは語る。
「私たちは、さまざまな環境やサーキットでマスタングGT3の性能を最大限に引き出す方法を理解している。このマシンはデイトナやデトロイト、ノルドシュライフェでのクラス優勝まで、世界中のトップレベルのGTレースで勝利を収めてきた」
「これまでの経験を通じ、汎用性の高いツールキットを構築しており、それがバサーストのような場所への挑戦に自信を与えてくれる。マスタングGT3にとって新しいサーキットであるにもかかわらず、パフォーマンスを最大化する方法を知っているんだ」
さらに、ミースとオルセンはバサースト12時間の総合優勝経験者であることも陣営にとって心強いだろう。また、トリプルエイト・レースエンジニアリングとのRSC参戦に向けマスタングに乗り換えたフィーニーは、デビュー戦でのクラス優勝を含め、過去5回の出場経験を有している。
「このファクトリーサポートプログラムに対しては、多くのドライバーから関心が寄せられている。オーストラリア市場での存在感を確立しつつあるなかで、これは非常に心強いことだ」と続けたアルメンディンガー。
「『アメリカのレースチーム』がGTレース界でもっとも権威ある耐久レースのひとつに、その象徴的な車名をもって究極の表現をもたらす。このプログラムがいかに重要であるかを物語っている」
「クリス(クリストファー・ミース)、デニス(・オルセン)、ブロック(・フィーニー)という素晴らしいドライバー陣を揃えた。3人ともマウント・パノラマに精通している。クリスとデニスは過去にバサースト12時間での優勝経験があり、そこへブロックのRSCでの経験も加わった。優勝争いに加わる好機を得られたと言える」
「フォード・レーシングのエンジニア陣も準備を進めており、最適なセッティングを確立すべく休むことなく取り組んでいるよ。シミュレーターは貴重なリソースであり、ドライバーのフィードバックや変化するトラックコンディションを考慮しながら、週を通して調整を続けられる優れたベースラインを提供してくれている」
今回のマスタングGT3のオーストラリアデビューは、アメリカでもっとも売れているスポーツカーへの関心が高まるなかで行われる。モノクロームGT4オーストラリアでは10台近くのマスタングGT4が参戦し、来月開幕するモータークラフト・マスタングカップ・オーストラリアではマスタング・ダークホースRによるワンメイクシリーズも開始される予定だ。
■初代マスタングGT3への回帰は「ほぼノスタルジックな感覚」
アルメンディンガーは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦『デイトナ24時間』でエボモデルをデビューさせてからわずか3週間後となる今週末に、マルチマチック製マスタングGT3のオリジナルバージョンを走らせることについて、慣れるのに少し時間が掛かったことを認めた。
バサースト12時間のイベント規定では、例年3月上旬に実施されているSROモータースポーツグループのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)テストを受けていない新型または改良型GT3マシンの出場が禁止されている。
したがって、IGTC開幕戦バサーストのBoPは、前年度の車両データに基づいて決定される。
「エボは長い間、とくにデイトナでの競技デビューにたどり着くまで皆の関心の一番の的だった。ゆえに、前年度のモデルに戻るのはノスタルジックな気分に近いね」とアルメンディンガーは語った。
「しかし、私たちは興奮している。初代マスタングGT3は過去2シーズンで世界トップクラスのイベントに挑戦し、その実力を証明してきたからね。エボはあらゆる面で大幅な性能向上と改良をもたらし、2026年シーズンへの期待が高まっている」
「とはいえ、今回持ち込んでいるオリジナルモデルは、バサーストの長いストレートに非常に適しているはずだ。競争力を維持するため、我々は徹底的にデータを集めてきた」
[オートスポーツweb 2026年02月13日]