
AKB48の絶対的エースから本格派女優に進化して活動を続ける前田敦子(34)。13日に写真集「Beste」(講談社)を発売した。芸能活動は21年目に突入し、ドラマ、映画、舞台など広く活躍を重ねている。表現者として目指す姿や考えを、真っすぐな言葉で語った。【寺本吏輝】
★こだわって構想1年超
AKB48を卒業した2012年8月以来、14年ぶりとなる写真集。「20周年じゃなきゃもうやれないよねって思いました」と素直な思いを口にする。
“最後の写真集”と位置づけ、構想から1年以上かけ制作。撮影はオーストリア・ウィーンで行った。
「20周年にして初めてがいっぱいでした」と振り返る。「プロの皆さんがどんどん案を出してくださった。こんなにも1から、いや、0から皆で一緒に作らせてもらったと思う作品は経験がなかったです」。写真を選ぶ際にも「『自分はこのカットしか嫌だ』とは絶対に言わないと決めていました」と、こだわり抜いた。
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★想像かき立てる体形に
今作では過去最大の露出にも挑戦した。一方で「今回ははっきり言います。ちゃんと作り込んでいて、私のありのままではないです」ときっぱり。
食事制限やピラティスの特訓を重ねて「本当に実験台みたいな感じでした」。特に意識したのが食事だったという。撮影を行った5日間に至っては「食べるという選択肢を選べない」と食欲との闘いだった。「体重を落とすだけなら、体質的に比較的簡単。でも『触れたいな』と思ってもらえる身体じゃないと意味がない。想像をかき立てるものにしたくて、男女ともに魅力的に思ってもらえる体形を目指しました」と徹底的に作り上げた。
★女の子たちの心の栄養、男性には「恋人目線で…」
作品のテーマは「大人のデート」。女性目線としては「身体のラインとか、ウィーンでデートをしたいなとか、私側になりたいなって思ってもらえたらうれしいです」と願い、「きれいなものってすごく心の栄養になる。少しでも女の子たちの『私もきれいでいよう』というポジティブなエネルギーになったらいいな」と言葉に力を込めた。
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一方、男性目線に立つと「写真集はだいたい1人で見るので私と2人きりの空間だと思ってくれたらいいな」と笑顔を見せた。「開放的というより、いい意味で閉塞(へいそく)的に。恋人みたいな目線で見てほしい。あとはもう、勝手に妄想してください(笑い)」。
★20年ついてきてくれたファンに絶対的な信頼
昨年、芸能活動20周年の節目を迎えた。AKB48のメンバーとして歩み始め、国民的アイドルの絶対的エースとして君臨、グループ卒業後は女優業に軸を置く。さまざまな表情を見せてきたが、自身のファンに対しては「きっと私であればなんでもいいんだと思います。全てにおいて私のことを好きでいてくれる人が、20年間でついてきてくれた人。『あっちゃんのこの姿は見たくないな』と言える暇がないくらい私はこの20年で変わってきて、皆には免疫があるはずなので大丈夫だと思っています」と絶対的な信頼を寄せる。
昨年、初のファンツアーを開催、約40人のファンとフィンランドへ。「ファンの皆さんとすごく近い環境で3日間くらい過ごして、お互いのことを分かっているから居心地が良かったです。1対1で話す時間もあって、皆でオーロラも見ました。“フィンランドチーム”みたいな感じで絆ができました」と声を弾ませた。
自身のこれまでの活動の軌跡も語った。「客観的に見たら、もうちょっと落ち着いてやったら? って思います。めまぐるしいと思うこともあります」と率直に語った。「でも私って多分そういう生き方をしているんだろうなというのが、20年の統括ですね」としみじみ。
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★7歳愛息へ思い
さらに自身を俯瞰(ふかん)し「(AKB48を)卒業するのも早かったし、結婚して、子供を産んで、いろんな変化を皆さんに見せてきました。いろいろやりたいんだねって感じですよね」と、人気絶頂時の卒業からこれまでを振り返った。「同じ型にはまる必要がないので、どんどん違う型にはまっていい。だからこの仕事が好きなんだと思いますし、自分自身もそうでありたいと思って生きています」とポジティブな一面を見せた。
プライベートに話が及ぶと、一瞬にして母の顔を見せた。自ら今年7歳になる長男に触れ「子供が最近、飛行機を克服できたので、一緒に海外旅行に行きたいです」と具体的な思いを明かし「泳ぐのが好きな子なので、2人っきりで海がきれいな島が良いですね」と思いをはせた。
これからについても語った。「自分の中のセンサーに引っかかるものにどんどん乗っかる柔軟さは持っていたい。そして、自分でも想像できないようなところの景色を見てみたい」と、目標をはっきりと掲げた。「自分が思う、自分はこういう感じだよなというラインを飛び越える時は突然やってくるんだよなと、この20年間で経験してきたので。自分の人生を楽しむために、そんな言霊を言ってみます」。
20年間の経験に裏打ちされた揺らぐことのない芯とありのまま挑み続ける姿。終始飾らない言葉で過去、現在地、未来を示した。これからも感性や好奇心に素直に柔軟に。その先には想像もできないような絶景が広がっている。
■写真集「Beste」
24年冬に構想が始まり、迷いの末に発売を決断。撮影があまり行われていない穴場という理由でウィーンを撮影地に選択した。一番のお気に入りは「突拍子もないタイミングで出てくる、自転車に乗っているカットです」。
▼写真集「Beste」編集・伊藤由美子さん
前田敦子さんと本作に向き合う中で、最も心を打たれたのは、体づくりに向き合う徹底した姿勢。その覚悟に触れ、現場全体の士気も自然と高まっていきました。最後までより良い作品を追い求めるその熱量と諦めない姿勢に、国民的アイドルとして長くセンターを張り続けてきた“前田敦子”の覚悟と矜持(きょうじ)を感じました。
◆前田敦子(まえだ・あつこ)
1991年(平3)7月10日、千葉県生まれ。愛称「あっちゃん」など。05年にAKB48の第1期生オーディションに合格し、芸能活動を開始。12年にグループから卒業。以降は女優としてドラマ、舞台などで幅広く活動。ソロでの歌唱も行い16年にはファーストアルバム「Selfish」発売。22年には「夜の女たち」でミュージカルにも初出演。4月には舞台「ポルノ」(東京・本多劇場など)が上演される。身長161センチ。血液型A。
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