
ロックバンドT−BOLANのベーシスト上野博文(60)が17日、故郷の栃木・真岡市のアンバサダーに就任した。現地での就任式に出席後、都内で取材に応じた。
15年、自宅でくも膜下出血に倒れた。発見までに5日かかり生死をさまよったが、生還した。そして“ラストツアー”と銘打った現在開催中の47都道府県ライブツアー「T−BOLAN LIVE TOUR 2025−2026終章SING THE BEST HIT JOURNEY 47」の開幕約2カ月前、ステージ4の肺がんが発覚。脳や骨髄にも転移している状態だった。「言われた時は誰のことっていう感じだった。治療が始まって、がんなんだと思い始めた」。
痛みがひどく、検査結果が出るまでに約2カ月を要した。それでも「ツアーだけはやりたかった。だから副作用の少ない薬での治療をお願いした」。
薬に加え、ライブへのポジティブな思いからか「2週間予定だった入院が1週間で退院できた」とし、医者から「ツアーも、やっていいとは言わないけど自己判断で」と言われる状態まで改善したという。
昨年9月にライブはスタート。各会場で“上野コール”が起こった。「慣れてないので、反応がちょっと難しくて…。もう照れ隠しというか、恥ずかしいというか、なんとか頑張って立っているという感じです」と笑った。
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ライブは約2時間。ツアースケジュールに加え、それぞれのステージ自体もハードだ。「両足の裏にしびれがあって、長時間立っているのはちょっとつらいんです」と明かした。「僕の立ち位置に椅子があるので、苦しい時に座るのは許しがとれている」。だが「座って弾く姿をお客さんには見せたくない」と、ミュージシャンとしての意地も示した。
活動休止を挟みつつも35年間、ともに歩み続けたメンバー、そして家族にも支えられての“ラストツアー”。「今回のツアーでは妻の帯同も許してもらっていて。一緒にいてくれるので助かっています」。
さまざまなポジティブ要素からなのか、がん宣告時には約5センチあった影が、今はほぼ散り散り状態になっているという。「“上野コール”は恥ずかしいけど、前向きな声をもらえてというのが、もしかしたら、いいほうに作用しているのかもしれません」。
そんな中で就任した故郷のアンバサダー。「何ができるかは模索中で、故郷のために何か頑張ってできることを見つけたいと思っています」と述べた。
ツアー終了後には「このアンバサダーの仕事を深くできたらと思っています。講演会とかできたらいいなと思います」と先を見据えた。「以前の病気も、今回の分も含めて、困ってる方に何かアドバイスをできたらなと。僕ができる役目があるなら、そういう経験を伝えることかなと思っています」と話した。
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音楽活動については「まだ白紙」としつつ、「ベースでバンドができたらいいなということも考えてます」と未来予想図を示した。
“ラストツアー”はまだまだ折り返し地点。メンバーはもちろん家族のサポートのもと、文字通り“命を削って”のプレーで駆け抜ける。最後に「全身全霊でベースを引くのでぜひ見に来てください!」とメッセージを送った。【川田和博】
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