みなみかわさんInstagramより バラエティ番組『水曜日のダウンタウン』(TBS系)が仕掛けた、ある「挑戦的な企画」が今なおネット上で語り草となっている。
◆「つまらない」か「神回」か、異例の2週連続企画
お笑いコンビ・きしたかのの高野正成が、10メートルの高飛び台から飛び込めるかを検証する「きしたかの高野10m高飛び込みリベンジ」。1月21日は生放送、翌週28日はその直後に収録した「疑似生」を放送するという、同番組らしい変則的な2週連続企画だ。
もともとこの企画は、以前放送された「紙飛行機×高飛び込みキャッチ」で、高野が恐怖のあまり飛び込めなかったことを受けての“リベンジ”だった。生放送という逃げ場のない緊張感の中、1週目は結局飛び込めずSNSで大反響。そして迎えた2週目、視聴者は「高野は飛ぶのか?」という一点のみを注視することとなった。
◆「同じ映像」の繰り返しでも称賛された理由
2週連続で「同じような映像」が流れたことに対し、当時は「つまらない」という声もあったが、一方で、知名度が高いとは言えない芸人を主人公に据え、その葛藤を徹底的に追いかける斬新な構成を称賛する声も多かった。結果として、この賛否両論こそが番組の狙い通り、大きな反響へと繋がったといえる。
しかも高野は、2週目でついにダイブ。さらに、その後に控えていた「放送中に成功させれば100万円 紙飛行機×高飛び込みキャッチ」も見事に成功させるという、バラエティの神様が降りたような奇跡を見せ、伝説の回となった。また一つ、『水曜日のダウンタウン』のブランド力を高める企画になったのは間違いない。
◆現場を救った「みなみかわ」の驚くべき有能さ
だが、放送から時間が経った今、改めて注目したいのが、現場にいた芸人・みなみかわの有能さだ。番組には以前の企画で共に挑戦した、ちゃんぴおんず・日本一面白い大崎、本多スイミングスクールも出演し、高野にエールを送り続けた。
役割としては、日本一面白い大崎が毒舌を吐きながら叱咤激励し、みなみかわがなだめながらもポツリと本音を漏らす絶妙なコンビネーション。さらにみなみかわは、進行の日比麻音子アナをサポートし、絵面が変わらない膠着状態をなんとか面白くしようと奮闘していた。
例えば2週目の冒頭、高野が飛んだら自分たちもチャレンジしなければいけない状況に「飛ぶなって思っている自分もいる」と正直に吐露。また、成功後には本多を褒めつつも「先週やったら伝説やったのに」と叫び、視聴者の抱くモヤモヤを次々と言語化していった。
◆バッシングをエンタメに変える「中堅芸人の底力」
さらに、テレビに慣れていない本多をコントロールしつつ、プールサイドから高野へ適切な声を掛け続け、番組が盛り下がらないよう調整。何でも拾ってフォローできるみなみかわがいたからこそ、大崎も自由に発言でき、退屈さを感じさせない放送に仕上がったのだ。
みなみかわといえば、今や各番組で重宝される売れっ子中堅芸人だが、この企画でもその高い能力が遺憾なく発揮されていた。一歩間違えれば「過酷すぎる」とバッシングを受けかねない追い込みを、そのバランス感覚で極上のエンタメに昇華させた功績は大きい。ある意味、飛び込んだ高野以上に、みなみかわの有能さが光った放送だったといえるだろう。
毒舌とフォローを使い分け、挑戦的な企画を成立させた立役者。みなみかわの快進撃は、2026年も止まりそうにない。
<文/ゆるま小林>
【ゆるま 小林】
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆