
漫画家で、お笑い芸人「カラテカ」の矢部太郎(48)が23日、25年10月に立ち上げた自身の出版社「たろう社」第1回の出版物「光子ノート」のトークイベントを都内で開いた。この日は、装丁を手がけた装丁家・グラフィックデザイナーの名久井直子さんと制作の裏側を語った。また、矢部の父で、絵本作家の原作者やべみつのりさん(84)も登壇。自作の紙芝居「かわださん」をサプライズで実演し、会場を沸かせた。
「光子ノート」は、父みつのりさんが姉光子さんを軸に、矢部を絡めた子育て中に書きつづった、38冊の子育て日記から厳選し、992ページの本に仕上げた。印刷は、この日のトークの会場となった、都内の八紘美術の岡本亮治さんが手がけた。
矢部は、17年10月に刊行した漫画デビュー作「大家さんと僕」が、翌18年に第22回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)短編賞を、芸人ではもちろん、漫画家以外の職種として初めて受賞する快挙を成し遂げた。その後、自身が主人公まひろ(紫式部)の従者・乙丸役で出演した24年のNHK大河ドラマ「光る君へ」の放送に併せ、書いていたイラストに加え、書き下ろし漫画をまとめた「矢部太郎の光る君絵」(講談社)を出版。同作含め、自身の漫画の装丁を手がけた、名久井さんとは接点があった。
「光子ノート」を読んだことで刺激を受け、矢部は漫画を書き「光子ノート」の出版を考えたが、幾つかの出版社に断られたことを受けて、出版社を立ち上げ、自ら出版しようと決意。「たろう社」の社名は「小さい頃、絵本や新聞をつくって父と遊んでいました。いつも発行元はたろう社でした。そのたろう社をつくってみました。実際に」と、自身の過去の記憶からつけた。ただ、本を作ったことがなかったため、24年に東京・立川で開催した「ふたり 矢部太郎展」に展示した「光子ノート」の現物を見て「いいですね」「何かあったら声をかけてください」と口にした、名久井さんに話を持ちかけた。
矢部は、出版関係者から「2000円以内、200ページ以内の本が売れる」と言われたが、名久井さんから「全部、入れましょう」と提案。ただ「紙の厚さから割ると1000ページかなと…泣く泣く、諦めた」(名久井さん)と、現物から一部を抜いた992ページに落ち着いた。「ノートみたいな装丁にしたかった」という矢部の希望に沿い、オールカラーで発行することに決めると、名久井さんは「とにかく、スキャンしろと。いいスキャナを買って、何千枚もスキャンしていただきました」と、矢部にスキャナの購入から求めたと明かした。矢部は「1枚、何十秒もかかる。後半は、間に合わなくて、主役のお姉ちゃんに頼んだ」と振り返った。
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名久井さんは「家内制手工業のような感じで、できました」と制作を評した上で、3500円という価格設定について「すごい安い値段。出版社の人だとウゲッと思う」と、かなり安いことを強調。「矢部さんの事務所に(『光子ノート』が)全部、届いている。社長が決めてしまったので、社長が発送」と、矢部が自ら全国の書店に「光子ノート」を発送していると明かした。
矢部は「値段の根拠は1つ…3500円で売りたかった。原価計算ではギリギリ赤じゃない。買っていただければ、赤字じゃない」と強調。一方で、社長として「初版限定価格でやってます。ちょっと、上げようと思っています。3600円で」と、経営判断から100円の値上げを考えていると断言した。
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