タイ・ブリーラムで開幕を迎える2026年のロードレース世界選手権MotoGP FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が主催する、二輪ロードレースの最高峰レースカテゴリーがロードレース世界選手権MotoGPだ。1949年からスタートし、世界各地のサーキットを転戦。最高峰クラスのMotoGPクラスには、日本のホンダ、ヤマハをはじめ、ドゥカティ、アプリリア、KTMの5メーカー11チームが参戦。22名のトップライダーたちが熱いバトルを繰り広げている。
来シーズンより新しい技術規則へ移行するため2026年は、現行の4ストローク1000ccのバイクで争う最後のシーズン。各チーム集大成のマシンで戦う注目のシーズンの見どころを紹介しよう。
■開催スケジュール:世界19カ国を回る全22戦が予定
2月27日から3月1日にタイ・ブリーラムで開幕を迎えるMotoGP。2026年も世界各国を回る22戦がスケジュール。10月2日から10月4日にはモビリティリゾートもてぎにて第17戦日本GPが予定されている。
ラウンド/グランプリ/サーキット/決勝日
第1戦/タイGP/チャン・インターナショナル・サーキット/3月1日
第2戦/ブラジルGP/ゴイアニア・インターナショナル・レーストラック・アイルトン・セナ/3月22日
第3戦/アメリカズGP/サーキット・オブ・ジ・アメリカズ/3月29日
第4戦/カタールGP/ルサイル・インターナショナル・サーキット/4月12日
第5戦/スペインGP/ヘレス・サーキット-アンヘル・ニエト/4月26日
第6戦/フランスGP/ル・マン-ブガッティ・サーキット/5月10日
第7戦/カタルーニャGP/カタロニア・サーキット/5月17日
第8戦/イタリアGP/ムジェロ・サーキット/5月31日
第9戦/ハンガリーGP/バラトンパーク・サーキット/6月7日
第10戦/チェコGP/ブルノ・サーキット/6月21日
第11戦/オランダGP/TT・サーキット・アッセン/6月28日
第12戦/ドイツGP/ザクセンリンク/7月12日
第13戦/イギリスGP/シルバーストン・サーキット/8月9日
第14戦/アラゴンGP/モーターランド・アラゴン/8月30日
第15戦/サンマリノGP/ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ/9月13日
第16戦/オーストリアGP/レッドブル・リンク/9月20日
第17戦/日本GP/モビリティリゾートもてぎ/10月4日
第18戦/インドネシアGP/マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキット/10月11日
第19戦/オーストラリアGP/フィリップ・アイランド・サーキット/10月25日
第20戦/マレーシアGP/セパン・インターナショナル・サーキット/11月1日
第21戦/ポルトガルGP/アルガルベ・インターナショナル・サーキット/11月15日
第22戦/バレンシアGP/リカルド・トルモ・サーキット/11月22日
■視聴方法:HuluやCS放送で走行をチェック!
日本では、『Hulu』にて全22戦のライブ配信・見逃し配信を実施。テレビ放送では、CS放送のスカパー!『日テレG+』にて予選から決勝まで全戦ライブ中継が予定されている。BS放送のBS日テレでは、MotoGPのハイライト放送も予定されている。
MotoGP公式サイトのVIDEO PASSを購入すれば、英語実況でMotoGPクラスからMoto3クラスまでの全走行セッションを視聴可能だ。
■2026シーズンの注目ポイント:最強王者マルク・マルケスを止めるのは?
2026年のいちばんの注目ポイントは、2025年チャンピオンのマルク・マルケスが今年も圧倒的な強さを見せるのか? それともライバル勢が巻き返しを図ることができるのか? という点だ。
ホンダからドゥカティ勢に移籍して2年目、ワークスチームのドゥカティ・レノボ・チームに加入したマルク・マルケスは、開幕から強さを見せシリーズを牽引。9月の日本グランプリでシリーズチャンピオンを獲得した。後半はクラッシュによる怪我で欠場したが、2026年もチャンピオン候補の大本命だ。
王者マルク・マルケスだが開幕戦は怪我からの復帰戦。ライバル勢たちもマルク・マルケスの独走は許さないだろう。
ドゥカティ勢では、昨年不調だったチームメイトのフランセスコ・バニャイア、そしてワークスマシンを手に入れたマルクの弟アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が虎視眈々と勝利を狙っている。
そして、昨年後半戦で強さを見せたマルコ・ベゼッチ、怪我で2025年を棒に振ってしまった2024年の王者ホルへ・マルティンのアプリリア・レーシングもシーズン序盤の活躍に注目が集まるだろう。
復調の兆しを見せるホンダ勢も見逃せない。昨年は雨のレースをヨハン・ザルコが制し、近年の苦戦から脱出の気配を見せているホンダ。今年はシリーズの台風の目となるのではないだろうか?
そして、最高峰クラス唯一の日本人フル参戦ライダーの小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は勝負の2年目を迎える。タイでの事前テストでは好タイムをマーク。得意のラウンドでスタートダッシュを決めたいところだ。
ストップ・ザ・マルク・マルケスとなるのか? 見逃せないシーズンがタイからスタートする。
■車両スペック:5メーカーが送り出す最高傑作
現在のMotoGPクラスのレギュレーションでは、最大排気量1000cc、4ストローク、シリンダー数4気筒以下、最大ボア径81mmのエンジンを搭載したプロトタイプマシンと規定されている。その他にも157kgという最低車体重量(排気量800ccまでは150kg)、共通ECUの使用、年間8基のエンジン使用数(レース数が21〜22戦の場合。ただし、8基目のエンジン使用は第19戦以降から可能)が定められている。
最大燃料タンク容量は22リッターで、後述するスプリントレースの場合は12リッターとなっている。チームはこの容量の専用燃料タンクを用意するか、通常のタンクの容量を減らすか、どちらかの手段を選択可能だ。タイヤはミシュランのワンメイクで、タイヤ径は前後とも17インチのみとなっている。走行中にフロントの車高を調整する装置の使用は禁止されているが、レーススタート時に一度だけ作動する装置(ホールショットデバイス)は許可されている。
エンジン開発は2025年からフリーズされ、2027年シーズンには最大排気量の縮小をはじめとする大幅なマシン規則変更が行われることが決まっている。
・ホンダRC213V(ホンダHRCカストロール、カストロール・ホンダLCR/プロホンダLCR)
ヤマハYZR-M1(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム、プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)
ドゥカティ・デスモセディチGP(ドゥカティ・レノボ・チーム、BK8グレシーニ・レーシングMotoGP、プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)
アプリリアRS-GP(アプリリア・レーシング、トラックハウスMotoGPチーム)
KTM RC16(レッドブルKTMファクトリー・レーシング、レッドブルKTMテック3)
■年間エントリーリスト:ルーキーは2名が参戦
No./Rider/Team/Motorcycle
5/ヨハン・ザルコ/カストロール・ホンダLCR/ホンダ*
7/トプラク・ラズガットリオグル/プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP/ヤマハ*
10/ルカ・マリーニ/ホンダHRCカストロール/ホンダ
11/ディオゴ・モレイラ/プロホンダLCR/ホンダ*
12/マーベリック・ビニャーレス/レッドブルKTMテック3/KTM*
20/ファビオ・クアルタラロ/モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム/ヤマハ
21/フランコ・モルビデリ/プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム/ドゥカティ*
23/エネア・バスティアニーニ/レッドブルKTMテック3/KTM*
25/ラウル・フェルナンデス/トラックハウスMotoGPチーム/アプリリア*
33/ブラッド・ビンダー/レッドブルKTMファクトリー・レーシング/KTM
36/ジョアン・ミル/ホンダHRCカストロール/ホンダ
37/ペドロ・アコスタ/レッドブルKTMファクトリー・レーシング/KTM
42/アレックス・リンス/モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム/ヤマハ
43/ジャック・ミラー/プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP/ヤマハ*
49/ファビオ・ディ・ジャンアントニオ/プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム/ドゥカティ*
54/フェルミン・アルデグエル/BK8グレシーニ・レーシングMotoGP/ドゥカティ*
63/フランセスコ・バニャイア/ドゥカティ・レノボ・チーム/ドゥカティ
72/マルコ・ベゼッチ/アプリリア・レーシング/アプリリア
73/アレックス・マルケス/BK8グレシーニ・レーシングMotoGP/ドゥカティ*
79/小椋藍/トラックハウスMotoGPチーム/アプリリア*
89/ホルヘ・マルティン/アプリリア・レーシング/アプリリア
93/マルク・マルケス/ドゥカティ・レノボ・チーム/ドゥカティ
*はインディペンデントチームライダー
■編集部がオススメする2026年の注目ライダーは?
オートスポーツwebのMotoGP編集担当が注目する今シーズンのライダーを紹介しよう。
フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)
ストップ・ザ・マルク・マルケスの筆頭候補がチームメイトでもあるバニャイアだ。ペッコの愛称で親しまれる日本でも人気のイタリア人ライダー。2022、2023年にシリーズチャンピオンを獲得し、2024年も最終戦までタイトルを争ったバニャイアだったが、2025年は大苦戦。シーズン2勝を挙げるも、日本GPの勝利を最後に決勝レースは5戦連続リタイア。シリーズ5位で終えた。
他メーカーへの移籍も噂されるバニャイアだが、ドゥカティ創立100周年という節目のシーズンに黙っているはずがない。マルク・マルケスと激しい優勝争いを繰り広げてくれるだろう。
ジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)
2020年にスズキでシリーズチャンピオンを獲得したスペイン人ライダーのジョアン・ミル。ホンダに移籍し4シーズン目を迎えた。昨年は日本GPとマレーシアGPで3位表彰台を獲得したミル。今年はホンダのエースとしてチーム牽引を期待したい。
ドゥカティやアプリリア勢には、まだ差があると事前テストでは語っているが、ホンダも速さを見せており上位争いにも食い込むレースが多くなるだろう。復調の兆しを見せるホンダで移籍後初勝利のチャンスも見えてくるはずだ。
トプラク・ラズガットリオグル(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)
ディオゴ・モレイラ(プロホンダLCR)と共にルーキーシーズンに挑むのがSBKチャンピオンのトプラク・ラズガットリオグルだ。SBKで魅せたド派手なパフォーマンスはMotoGPでも話題になること間違いなし。
V型4気筒エンジンに変更し2026年に挑むヤマハ勢。事前テストではライバル勢に遅れを見せ、ラズガットリオグルもMotoGPマシンへの適応に苦戦している様子だった。MotoGPへの適応がまずはシーズン序盤の課題だが、後半戦でラズガットリオグルらしい走りを期待したい。
[オートスポーツweb 2026年02月27日]