北朝鮮の拉致被害者向け短波放送「しおかぜ」にメッセージを寄せた国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)ソウル事務所のジェームズ・ヒーナン所長(右端)(特定失踪者問題調査会提供) 北朝鮮の拉致被害者に向け日本から放送している短波ラジオ「しおかぜ」で今月から、国連担当者2人のメッセージが流れている。英語の肉声に加え、日本語と朝鮮語に翻訳して、拉致について「過去の問題ではなく、今なお続く残忍な犯罪」「全ての家族が愛する人と再会するか、何が起きたかを知る必要がある」などと訴えている。
メッセージを寄せたのは、強制的失踪作業部会のグラジナ・バラノフスカ副議長(ポーランド)と、人権高等弁務官事務所(OHCHR)ソウル事務所のジェームズ・ヒーナン所長(オーストラリア)。短波放送の主体で、拉致の可能性がある行方不明者を調べている民間団体「特定失踪者問題調査会」の呼び掛けに応じた。
メッセージは4分前後で、「作業部会は被害者と家族の痛みを世界的な提言へ、沈黙を行動へと変えていく」(バラノフスカ副議長)、「この悲惨な物語に正義か決着をもたらす義務がある」(ヒーナン所長)などと力を込めた。
調査会の荒木和博代表は、国連の担当者が民間団体の放送に公式メッセージを出すことは珍しいと説明。「北朝鮮は国際的な評判に敏感。国連も動いていると国内外に伝え、国際的な圧力につなげたい」と意義を強調した。