「数百万円の廃墟別荘」から7年で売上2.8億円に。無職も経験した40代が見つけた「別荘民泊」

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2026年03月06日 09:00  日刊SPA!

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羽田徹氏
最高月商5000万円、年間売上2億7900万円ーー廃墟同然の別荘やボロ物件を再生し、人気宿へと生まれ変わらせる「別荘民泊」で急成長しているのが、別荘民泊プロデューサーの羽田徹氏だ。地方の空き家を活用した独自のビジネスモデルで注目を集め、2026年には自社運営物件を20棟規模にまで拡大する予定だという。
新刊『失敗しない別荘民泊のはじめ方』を上梓した羽田氏。2月22日に幕張で開催された「民泊EXPO」のスペシャルセミナーでは、自身の経験をもとに、地方の空き家を活用した高収益ビジネスの可能性について語った。

◆利回り50%超も…“廃墟別荘”が稼ぐ驚きの収益

羽田氏の別荘民泊は、投資効率の高さでも知られている。山梨県のある物件では、投資総額1400万円に対して年間利益は720万円。実質利回りは51.4%に達する。別の物件でも、投資総額900万円に対して年間利益435万円、利回り48.3%を記録しているという。

「ここでいう利回りは、いわゆる表面利回りではなく、管理費等の経費を引いた利益ベースの数字です」

羽田氏はそう強調する。さらに興味深いのは、本人が「まだ運営が下手だった頃の物件で失敗物件」と呼ぶケースでも利回り20%を超えている点だ。現在、飽和状態ともいえる東京の区分マンション投資が4%程度の利回りで推移していることを考えると驚異的な数字だ。

◆空き家900万戸の日本で「田舎民泊」が成立する理由

羽田氏が目をつけたのは、日本の地方に広がる空き家問題だ。

日本の空き家数は900万戸を超え、今後は1000万戸に達するとも言われている。その多くは都市部ではなく、地方に集中している。一方で、インバウンド需要はコロナ後に急速に回復し、観光地の宿泊施設は慢性的に不足している。

「東京や京都などの人気観光地は、すでにホテルや旅館が飽和しています。でも地方には空き家がたくさんある。そこを宿に変えれば、ビジネスとして成立するんです」

地方の別荘は、数百万円レベルで購入できるケースも少なくない。安く仕入れた物件をリフォームして宿泊施設として運営することで、高い収益性を実現できるという。

「安く買って高く売る。商売の原理原則ですよね。それが地方では成立しやすいんです」

◆コロナ禍で売上倍増…一棟貸し民泊が選ばれた理由

羽田氏の事業が大きく成長したのは、意外にもコロナ禍だった。宿泊業界全体が大きな打撃を受けるなか、羽田氏の民泊はむしろ売上を伸ばしたという。

「2020年、21年は売上が倍以上になりました。海外旅行に行けなくなった人たちが、国内旅行に目を向けたんです」

さらに、別荘民泊は一棟貸しが基本だ。ホテルのように他の宿泊客と接触する機会が少ないことから、コロナ禍でも安心して利用できる宿泊スタイルとして人気を集めた。

「都会に住んでいる人が『一棟貸しなら安心だね』と利用してくれた。結果として、民泊の需要が一気に伸びました」

◆レビューが増えるほど稼げる「育つビジネス」

民泊の特徴として羽田氏が挙げるのが、運営年数とともに売上が伸びていく点だ。

最初の物件は、初年度売上250万円からスタート。2年目には350万円、3年目には500万円、7年目には786万円まで成長したという。

「民泊はレビューが積み重なります。評価が高くなれば予約が増えますし、宿泊単価も上げられるんです」

実際、この物件では1泊あたりの単価が1万2000円から3万5000円まで上昇したという。

「手をかければかけるほど、民泊は育っていくビジネスなんです」

◆廃墟が“収益物件”に化ける瞬間

羽田氏の戦略は、単なる宿泊事業にとどまらない。不動産投資としての出口戦略も重視している。

「僕が買うのは、価値が一番低い状態の物件です。廃墟になった別荘などを安く購入し、リフォームして民泊として運営する」

民泊として安定した売上が生まれれば、その物件は「収益物件」として価値が上がる。例えば利回り50%の物件を、利回り20%の収益物件として売却すれば、収益還元法で換算した場合、初期投資の数倍の価格で売ることも十分可能というわけだ。

「民泊収入というインカムゲインと、売却益というキャピタルゲイン。その両方を狙えるのが、このビジネスの魅力です」

◆ラジオDJをクビ→民泊起業 “再生”にこだわる理由

羽田氏の事業の根底にあるのは、「再生」というテーマだ。

かつてラジオDJとして活動していたが、番組終了を機に職を失った。その後、会社員時代にはブラック企業で働き、過労で倒れた経験もある。

「ラジオDJをクビになったり、会社を立て直す仕事をしたり、いろんな経験がありました。だから僕は“再生”という言葉にこだわりがあるんです」

誰からも見放された物件に手を入れ、新たな価値を生み出す。そのプロセスは、羽田氏自身の人生とも重なっているという。

「光が当たらない物件を人気宿にする。それが僕にとって一番の喜びなんです」

地方に眠る空き家と、増え続ける観光需要。そのギャップに目を向けた羽田氏の別荘民泊は、地方再生の新しいビジネスモデルとして注目を集めている。<取材・文/日刊SPA!取材班>

はだ・とおる
20代でラジオDJとして活動するも、31歳で番組終了を機に職を失う。その後、不動産投資営業や企業役員などを経験。2017年に講師業で独立し、2018年から山梨県で別荘民泊を開始する。廃墟同然の別荘を再生する独自の民泊モデルで事業を拡大し、現在は自社物件15軒、管理物件40軒、計55軒の別荘民泊を運営。2024年の売上は1億円を突破。地方の空き家を活用した「別荘民泊」の第一人者として講演やスクール運営も行う。Xアカウント:@hada0505

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