【WEEKLY ROUND UP Formula】FIA F3、FRJが開幕。FIA F2で異例のリザーブ契約

0

2026年03月10日 12:00  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

2026年FIA F3第1戦メルボルン スプリントレースのスタート
 2026年シーズンF1が開幕を迎え、そのF1を目指す国内外のミドルフォーミュラ・シリーズも次々と新シーズン開幕を迎えている。今回から始まったオートスポーツwebの新企画『WEEKLY ROUND UP Formula』は、国内外のミドルフォーミュラを中心に、ここ1週間の話題を毎週火曜日にまとめてお届けしていく。


■FIA F3が開幕。ランキング首位はウーゴ・ウゴチュクウ

 F1、FIA F2を目指す若手が参戦するFIA F3が3月6〜8日にメルボルンで開幕した。2026年シーズンはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパからステップアップした加藤大翔(ARTグランプリ/HFDP)、りー海夏澄(ARTグランプリ)、山越陽悠(VAR)、中村仁(ハイテック/TGR-DC)の4名の日本人を含む30名の若手ドライバーが世界各地から集う。

 6日(金)に行われた45分間のフリー走行(FP)では、2024年のマカオGP/フォーミュラ・リージョナル・ワールドカップで勝利経験のあるウーゴ・ウゴチュクウ(カンポス・レーシング)が2番手に0.4秒差をつけて最速。ただ、その後の予選で最速タイムを記録し、フィーチャーレースのポールポジションを獲得したのは、ウゴチュクウのチームメイトのテオフィル・ナエル(カンポス・レーシング)だった。FP最速のウゴチュクウは予選2番手となり、初日からカンポス・レーシングが好調ぶりを見せつけたかたちだ。

 7日(土)のスプリントレースのグリッドは上位12台が予選結果のリバースグリッドで決定され、予選12番手のブルーノ・デル・ピノ(VAR)がリバースポールシッターとなった。スタートからデル・ピノが首位、2番手エンツォ・デリニー(VAR)がレースをリードしていたが、思わぬアクシデントでレースは幕を閉じることに。

 8周目を迎えるなか、入賞圏内でポジションを争うジェームズ・ウォートンとルイス・シャープのプレマ・レーシング勢が同士討ちを喫し、ターン5で激しくクラッシュした。

 テックプロバリア修復に時間を要し、また直後にはF1のフリー走行3回目(FP3)を控えていたこともあり、周回数は20周を予定していたが、7周終了時点の順位でレース終了が宣言され、デル・ピノがリバースポールからそのまま優勝を飾った。また、2位にはデリニーが続き、VARがワンツー・フィニッシュ。そして3位にブランド・バドエル(ロダン・モータースポーツ)が続いた。

 なお、レース距離は当初予定の50パーセント未満/25パーセント以上となったため、ハーフポイントかつ、入賞は上位5名までとなり、4位ノア・ストロムステッド(トライデント)、5位加藤までがポイントを手にした。

 8日(日)のフィーチャーレースは、先述のクラッシュでマシンに大ダメージを負ったウォートンとシャープが欠場となり、全28台での戦いとなった。

 首位争いは序盤こそポールシッターのナエルがリードするも、4周目に2番手スタートのウゴチュクウがDRS区間でナエルを攻略し、トップに浮上する。さらに、2番手に後退したナエルに対し、スタートシグナルが消える前に車両が動いたとして5秒のタイムペナルティが下り、以降はウゴチュクウがレースを支配した。

 レース終盤、2番手にフレディ・スレイター(トライデント/アウディ育成)、3番手に5秒ペナルティのナエル、4番手に10番グリッドスタートのストロムステッド、5番手に7番グリッドスタートの加藤がつけていた。そんななか、4番手のストロムステッドに対し他車との接触で10秒のタイムペナルティが下る。

 さらに、後続のクラッシュに伴う2度目のセーフティカー(SC)が21周目に導入されるとファイナルラップまでSCは継続され、そのままチェッカーを迎えた。ウゴチュクウが優勝、2位はスレイター、そしてナエル、ストロムステッドへのタイムペナルティ適用により、5番手チェッカーの加藤が3位を掴んだ。また、日本勢では中村が9位に入り、2ポイントを獲得している。


■2026年FIA F3第1戦メルボルン 結果抜粋


●フリー走行

・1番手:ウーゴ・ウゴチュクウ(1分34秒607/カンポス・レーシング)
・2番手:ブランド・バドエル(+0.427/ロダン・モータースポーツ)
・3番手:ノア・ストロムステッド(+0.449/トライデント)
・4番手:テオフィル・ナエル(+0.463/カンポス・レーシング)



●予選

・1番手:テオフィル・ナエル(1分34秒187/カンポス・レーシング)
・2番手:ウーゴ・ウゴチュクウ(+0.021/カンポス・レーシング)
・3番手:フレディ・スレイター(+0.082/トライデント/アウディ育成)
・4番手:マチェイ・グラディス(+0.267/ARTグランプリ)



●スプリントレース(赤旗終了/ハーフポイント)

・1位:ブルーノ・デル・ピノ(VAR)
・2位:エンツォ・デリニー(VAR)
・3位:ブランド・バドエル(ロダン・モータースポーツ)
・4位:ノア・ストロムステッド(トライデント)



●フィーチャーレース

・1位:ウーゴ・ウゴチュクウ(カンポス・レーシング)
・2位:フレディ・スレイター(トライデント/アウディ育成)
・3位:加藤大翔(ARTグランプリ/HFDP)
・4位:ブルーノ・デル・ピノ(VAR)



●ドライバーズランキング(第1戦終了時点)

・1位:ウーゴ・ウゴチュクウ(25ポイント/カンポス・レーシング)
・2位:ブルーノ・デル・ピノ(18ポイント/VAR)
・3位:フレディ・スレイター(18ポイント/トライデント/アウディ育成)
・4位:加藤大翔(16ポイント/ARTグランプリ/HFDP)



●チームランキング(第1戦終了時点)

・1位:VAR(30ポイント)
・2位:カンポス・レーシング(27ポイント)
・3位:ARTグランプリ(26ポイント)
・4位:トライデント(20ポイント)



■2026年FIA F3第1戦メルボルン 日本勢結果


●#10 加藤大翔(ARTグランプリ/HFDP)

・フリー走行:12番手
・予選:7番手
・スプリントレース:5位(6番手スタート)
・フィーチャーレース:3位(7番手スタート)
・ポイントランキング:4位(合計16ポイント)



●#12 りー海夏澄(ARTグランプリ)

・フリー走行:23番手
・予選:26番手
・スプリントレース:28位(26番手スタート)
・フィーチャーレース:DNF(24番手スタート)
・ポイントランキング:29位(合計0ポイント)



●#14 山越陽悠(VAR)

・フリー走行:25番手
・予選:22番手
・スプリントレース:20位(22番手スタート)
・フィーチャーレース:11位(20番手スタート)
・ポイントランキング:15位(合計0ポイント)



●#25 中村仁(ハイテック/TGR-DC)

・フリー走行:18番手
・予選:15番手
・スプリントレース:13位(15番手スタート)
・フィーチャーレース:9位(13番手スタート)
・ポイントランキング:11位(合計2ポイント)



※掲載順はカーナンバーに準じる


■FRJ開幕鈴鹿大会は三浦柚貴が2勝、洞地遼大が1勝飾る

 2月28日〜3月1日、フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)の2026年第1大会(第1戦〜第3戦)が鈴鹿サーキットで開催された。

 16台(そのうちマスタークラスが8台)がエントリーするなか、第1戦は三浦柚貴(PONOS RACING TOM'S TGR-DC FR)、第2戦は洞地遼大(PONOS RACING F111/3)、第3戦は三浦が優勝を飾った。

 第1大会終了時点で2勝の三浦がドライバーズランキングトップにつけており、洞地がランキング2位、大宮賢人(PONOS RACING F111/3)がランキング3位につけており、上位3台はすべてPONOS RACINGカラーのマシンとなった。

 マスタークラスはアキタ(ACR Formula R)が3連勝を飾り、ランキング首位につけた。次戦となる第2大会鈴鹿(第4戦〜第5戦)は全日本スーパーフォーミュラ選手権のサポートイベントとして5月23〜24日に開催される。


●第1戦

・PP:小松響(Rn-sports F111/3)
・優勝:三浦柚貴(PONOS RACING TOM'S TGR-DC FR)
・2位:洞地遼大(PONOS RACING F111/3)
・3位:武藤雅奈(マツモトキヨシ TOM'S TGR-DC FR)
・マスタークラス優勝(総合9位):アキタ(ACR Formula R)



●第2戦

・PP:洞地遼大(PONOS RACING F111/3)
・優勝:洞地遼大(PONOS RACING F111/3)
・2位:三浦柚貴(PONOS RACING TOM'S TGR-DC FR)
・3位:小松響(Rn-sports F111/3)
・マスタークラス優勝(総合7位):アキタ(ACR Formula R)



●第3戦

・PP:三浦柚貴(PONOS RACING TOM'S TGR-DC FR)
・優勝:三浦柚貴(PONOS RACING TOM'S TGR-DC FR)
・2位:大宮賢人(PONOS RACING F111/3)
・3位:リン・チェンファ(RAGNO MOTOR SPORTS with TLM F111/3)
・マスタークラス優勝(総合9位):アキタ(ACR Formula R)



●ポイントランキング上位3名(第1大会鈴鹿終了時点)

・1位/68点:三浦柚貴(PONOS RACING TOM'S TGR-DC FR)
・2位/55点:洞地遼大(PONOS RACING F111/3)
・3位/38点:大宮賢人(PONOS RACING F111/3



■FIA F2で異例のリザーブドライバー起用が話題に

 FIA F2に参戦するVARは、シーズン開幕前にリッコ・シュライムーンというドライバーをFIA F2リザーブドライバーに起用すると発表した。F1を筆頭に、各地域や国のプロドライバーが参戦するトップカテゴリーにおいては、リザーブドライバーの起用は不思議ではない。

 しかし、FIA F2はF1関係者からの注目度が高いとはいえ、若手が参戦する育成カテゴリーであり、リザーブドライバーの起用は異例だ。

 VARチーム代表のブラッド・ジョイスは「リザーブドライバーを起用することはF1では既に定着している。このアプローチをFIA F2プログラムにも取り入れることに真の価値を見出している」と、コメントしている。

 ただ、シュライムーンは2024年フォーミュラ・リージョナル・アメリカズの最高位は6位。ポイントランキングはスポット参戦のドライバーにも届かないランキング12位(フル参戦中最下位)だった。なお、同年以降のシングルシーターレースへの参戦は確認できていない。

 VARはシュライムーンについて、「2025年はGTアメリカに参戦し、ロングビーチのストリートレースで2度の表彰台を獲得するなど、レース活動の幅を広げた」という文言を用いてプレスリリース内で紹介している。

 ただ、その際の参戦車両はポルシェ718ケイマンGT4・RSクラブスポーツ。彼は新旧GT3車両が参加可能なSRO3クラスではなく、ジェントルマン向けハイパワー車が集うGT2クラスでもなく、GT4クラスにスポット参戦したドライバーだった。

 このような経歴から、シュライムーンのFIA F2リザーブ起用を不思議に思う熱心なミドルフォーミュラ・ウォッチャーは少なくない。とはいえ、現在のFIA F2で、たとえチーム内の肩書きとはいえ“役割”を得ることは容易でない。シュライムーンは何らかのかたちでVARにメリットをもたらしていると考えるべきだろう。

 VARといえば、F1参戦を目指すアメリカの組織に協力してきた元アルピーヌF1チーム代表のオットマー・サフナウアー(アメリカ国籍)がCEOとして加入したばかり。アメリカ人ドライバーのFIA F2リザーブ起用との関係は果たして。


■「攻撃的で不必要な動き」アレクサンダー・ダンにペナルティ。FIA F2次戦で5グリッド降格

 3月8日に行われた2026年FIA F2第1戦メルボルンのフィーチャーレース。序盤トップに浮上したマルティニウス・ステンスホーン(ロダン・モータースポーツ)と、2番手アレクサンダー・ダン(ロダン・モータースポーツ/アルピーヌ育成)が揃ってリタイアしたアクシデントは、ダンに接触要因があると審査委員会は判断を下した。

 フィーチャーレース3周目、ホームストレートでダンがDRSを使用してステンスホーンをかわすが、その直後にダンは幅寄せするかのようにステンスホーンの前にラインを変えた。その瞬間、ステンスホーンのフロントウイングがダンのリヤと接触。2台のマシンはダメージを負ってターン1先のコースサイドにそれぞれ止まった。レースをリードしていたロダン勢が同士討ちというかたちでレースを終えることになり、チームスタッフが激昂する様子が国際映像に映し出された。

 レース後、2台の接触についてドライバー、チームの代表者を召喚した上での聴取、映像確認を含む審議が行われ、審査委員会は接触要因はダンにあると判断した。審査委員会の判断内容は下記のとおりだ。

「15号車(ダン)はメインストレートで14号車(ステンスホーン)を追走し、DRSを有効化して左側から追い抜いた。15号車(ダン)は14号車(ステンスホーン)をほぼ追い抜いた時点で、右側に激しく移動した。この攻撃的で不必要な動きにより、14号車(ステンスホーン)は回避行動を余儀なくされ、接触が生じた可能性がある」

「15号車(ダン)が14号車(ステンスホーン)の前方に入った直後、14号車(ステンスホーン)は予想より早くブレーキングを開始し、その結果15号車(ダン)のリヤに衝突した。両車は接触によりリタイアした」

 この判定により、ダンに対し10秒のタイムペナルティが下ることになった。ただ、ダンはフィーチャーレースをリタイアしたため、スポーティング・レギュレーションに則り、10秒のタイムペナルティは次戦フィーチャーレースでの5グリッド降格に切り替えられた。また、ダンに対してはペナルティポイント2点加算の処置も行われている。

 2025年シーズン中にマクラーレンとの関係が終焉を迎え、2026年はアルピーヌ育成として心機一転のシーズンを迎えたダン。『速さはあるが、アクシデントも多い』という印象を払拭するには、まだ時間がかかりそうだ。

[オートスポーツweb 2026年03月10日]

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定