ともにオルタネーター(発電機)に問題を抱えデイリタイアとなったセバスチャン・オジエとオリバー・ソルベルグのトヨタGRヤリス・ラリー1 2026年WRC第3戦ケニア 2026年WRC世界ラリー選手権第3戦『サファリ・ラリー・ケニア』は3月14日、競技3日目となるデイ3が行われた。鋭い牙を剥いたアフリカの大地で多くのドライバーが脱落する“サバイバルレース”となるなか、トヨタ・ガズー・レーシング・ワールドラリーチーム(TGR-WRT)の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立ち、サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組(5号車トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合3番手に順位を上げた。
■泥の海にのまれた上位勢
前日までにラリーの前半戦を終え後半戦に入ったデイ3は、エレメンタイタ湖周辺に設定された『ソイサンブ』『エレメンタイタ』『スリーピング・ウォリアー』という3つのステージを各2回走行し、計6本で122.72kmの走行が予定されていた。しかし、午後のスリーピング・ウォーリア2は路面コンディションの悪化による安全上の理由からキャンセルされている。
波乱は、晴れておおむねドライコンディションで争われた午前のループから始まった。総合2番手につけていたセバスチャン・オジエ(17号車GRヤリス・ラリー1)がSS11でタイヤを交換し後退。代わって2番手に浮上したエルフィン・エバンス(33号車GRヤリス・ラリー1)も、SS13で泥の中に隠れていた岩に衝突し右リヤサスペンションを破損してリタイアを喫してしまう。
事態はさらに深刻化する。僚友たちの脱落によって後続にギャップを拡げていた首位オリバー・ソルベルグ(99号車GRヤリス・ラリー1)と、2番手まで挽回していたオジエの2台が、SS13終了後のリエゾン(移動区間)で相次いでストップしたのだ。粘り気の強い泥がオルタネーターに入り込み、バッテリーへの充電が止まったことが原因だった。
この結果、午前のループで2度タイヤのパンクに見舞われながらも着実に走行を続けていた勝田が総合首位へと浮上した。午後のループでも勝田は安定した速さを見せ、総合2番手のアドリアン・フルモー(16号車ヒョンデi20 Nラリー1)に1分25秒5秒のギャップを築いた。
一方、午前中にタイヤに大きなダメージを負って8番手まで後退していたパヤリも、午後のSS15でベストタイムを記録するなど猛追を見せ、総合3番手までポジションを戻している。なお前述のとおり、この日最後に予定されていたSS16は路面コンディション悪化のためステージキャンセルとなっている。
■カンクネン「貴元は自分が何をすべきか分かっている」
チーム代表代行を務めるユハ・カンクネンは、劇的な展開となったデイ3を次のように振り返った。「今朝は信じられないほど波乱に満ちた一日だったが、残念ながら我々にとっては良いことではなかった」
「ループの最後のステージ(SS13『スリーピング・ウォリアー1』)は非常にぬかるんでおり、その泥がオリバー(・ソルベルグ)とセブ(セバスチャン・オジエの愛称)のクルマのオルタネーター内に入り込んでしまったようだ。また、そのステージではエルフィン(・エバンス)もリタイアとなってしまった。泥の中にあった岩が見えずリヤを破損してしまったんだ」
さらに、カンクネンはアフリカでの戦いの難しさを強調した。「しかし、ここはサファリ・ラリーなのだから、このようなことは起こり得る。私は何度もここに来ているので、このような事態には驚かないが、今年のコンディションは非常に厳しく、現代のサファリ史上もっとも過酷なものとなっている」
「クルマは大きな負荷に耐えられるよう作られているものの、泥はあらゆる場所に付着し、もっともシンプルな部品にまで影響を及ぼすので厄介だ。我々だけでなくライバルたちも同じように苦しんでいる様子を目にした」
最終日を前に総合首位に立った勝田と3番手に再浮上したパヤリについては、「貴元は今日本当に良い走りを見せてくれた。彼は過去にここで3回表彰台に立っているので、自分が何をすべきか分かっている。また、サミ(・パヤリ)が今夜ポディウム圏内に戻ってきたのも喜ばしいことだ。好調な走りを見せていたにもかかわらず、今朝は不運にも多くのタイムを失ってしまっていたからね」と述べた。
デイリタイアしたソルベルグ、オジエ、エバンスの3台は、サービスでの修理を経てデイ4に再出走する予定だ。その最終日は『オセレンゴニ』と『ヘルズゲート』という2本の定番ステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行する。4本のSSの合計距離は57.40kmだ。
[オートスポーツweb 2026年03月15日]