画像提供:マイナビニュース●“一次エネルギー”とは? 「日本はエネルギーの供給を外国に依存している」と言われることがあります。政府が公表している最新のデータである2023年度のエネルギー自給率は15.3%。つまりエネルギー資源の8割以上を輸入に頼っているということになります。
○エネルギー自給率は一次エネルギーの国内生産比率を表す
このエネルギー自給率という指標は、「国内で産出された一次エネルギーの供給量」を「一次エネルギー国内供給量の総量」で割り、100をかけてパーセンテージ表示にしたものです。
ここで大事なのが、エネルギー自給率は加工前のエネルギー資源である一次エネルギーに基づいて計算されるということです。たとえばガソリンは、一次エネルギーである原油を精製して得られるものなので、二次エネルギーです。エネルギー自給率を産出する際には、ガソリンが国内生産か国外からの輸入品であるかではなく、そのもとになった原油が国内生産品であるか輸入品であるかが問題となります。
このように、エネルギーについて考える際には、そのエネルギーが一次エネルギーなのか二次エネルギーなのかを区別する必要がある場面が多くあります。
さて、ここでクイズです。
Q. 次のうち、一次エネルギー供給(一次エネルギー国内供給量など)を整理する統計において、一般的に二次エネルギーとして取り扱われることが多いのはどれでしょうか。
(ア)バイオマス発電に利用する薪・チップ・ペレット
(イ)燃料電池・ボイラー等で利用する水素
(ウ)風力由来の電力
(エ)地熱発電で利用する地下の蒸気・熱水などの地熱●正解はこちら! ○正解は(イ)の「燃料電池・ボイラー等で利用する水素」
A. (イ)燃料電池・ボイラー等で利用する水素
水素は原料(一次エネルギー)のように思えますが、自然界にエネルギーとして利用できる形で大量に存在しているわけではなく、天然ガスの改質や水の電解などの処理により“生産”されています。このため、一般的に水素は二次エネルギーとして取り扱われます。天然ガスの改質で得られた水素であればその天然ガス量が一次エネルギー量となりますし、水の電解で得られた水素であれば電解に利用した電力の一次エネルギー源が水素の一次エネルギー源となります。
水素のエネルギーとしての利用に積極的に取り組んでいるENEOSのWebサイトには、さまざまな一次エネルギーから水素を製造できるという解説があります。国内産出の再生可能エネルギーによる水素製造が盛んになれば、エネルギー自給率が高まることが期待できます。
なお、水素の中でも、工業的なプロセスで副次的に得られる水素のように、場面によって扱いが分かれるものもあります。
このほかの選択肢についても解説しておきましょう。
バイオマス発電に利用する薪・チップ・ペレットは、原料を加工しているので二次エネルギーのように思えますが、行われる加工がバイオマスの性質を大きく変えるものではなく、形状の調整などに近いため、一次エネルギーとして扱われることが多いです。
火力で発電された電力は石炭や石油を一次エネルギーとする二次エネルギーです。このため、風力発電に由来する電力も二次エネルギーであると考えがちですが、風力発電の場合は一次エネルギーにあたる“入力する燃料”が存在しないため、発電された電気の電力量を一次エネルギー量として取り扱うのが一般的です。これは、水力発電/太陽光発電などについても同様です。
地熱発電も、さまざまな設備によって熱が“作られている”ように感じられるかもしれませんが、実際にはすでにそこにある熱を利用しやすい形で取り出しているので、一次エネルギーとして整理されるケースが多くなります。
いかがでしたか? それでは次回のクイズをお楽しみに!(MN ワーク&ライフ編集部)