2025/26年フォーミュラE第2戦メキシコシティ フリー走行でコースを走行するテイラー・バーナード(DSペンスキー) DSオートモビルは、現在開催中のABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン12(2025/26年)の終了をもって、同シリーズから撤退することを発表した。
ステランティス・グループに属するフランスのブランドであるDSオートモビルは、2015年のシーズン2からフォーミュラEに参戦。プレミアムブランドとしての先駆者となり、これまでに142レースを戦い抜いてきた。その11年間の歴史のなかで、DSはふたつのドライバーズタイトルとふたつのマニュファクチャラーズタイトル(計4冠)を獲得。さらに18勝、55回の表彰台、26回のポールポジションという実績を残し、電動モータースポーツにおいてもっとも成功したマニュファクチャラーのひとつとしての地位を確立してきた。
同ブランドは、フォーミュラEでの活動を通じて電動パワートレインやエネルギーマネジメントの技術を磨き、その成果を最大750kmの100%電動航続距離を誇る『DS N°4』『DS N°7』『DS N°8』などの市販モデルの研究開発に還元してきた。
■次なる技術革新の舞台はセーリング競技へ
シーズン12をもってフォーミュラEでの活動に終止符を打つDSオートモビルは、今後はスポーツおよび技術戦略をゴルフと『SailGP(セールGP)』へと移行させる。特に、2026年1月15日にタイトルパートナーシップを発表した『SailGPチーム・フランス』との活動に注力していくという。
最新のF50カタマラン(双胴船)を使用する競技セーリングは、空力効率や空気抵抗の削減、複合素材を用いた軽量化、ソフトウェア開発などにおいて、自動車開発に直結する非常に興味深い研究分野を提供してくれるとDSは説明している。
DSオートモビルのCEOを務めるグザビエ・プジョーは、今回の撤退と新戦略への移行について次のように語った。
「11年間にわたるフォーミュラEへの先駆的なコミットメント、18勝、そしてふたつのドライバーズタイトルとマニュファクチャラーズタイトルを経て、DSオートモビルはモータースポーツをハイテクな現実に変える能力を証明してきた。それは最新のDS N°4、DS N°7、DS N°8モデルに示されている」
「フレンチ・エクセレンス(フランスの卓越性)をさらに高めるため、我々は今、パートナーシップ戦略をSailGPに向けるという新たな一歩を踏み出す。そこは、技術的なパフォーマンスと感情が交差する独自のイノベーションの実験室なのだ」
なお、DSオートモビルはシーズン12の最終戦までフォーミュラEに完全にコミットし続けることを強調しており、今週末に控えるマドリードE-Prixにおいても、表彰台への復帰とトップチームとしてのフィニッシュを目指して戦い続けるとしている。
DSオートモビルの撤退により、次世代マシン『Gen4』が導入されるシーズン13(2026/27年)以降のステランティス・グループの動向に注目が集まっている。現在のパドックでは、あくまでうわさの域を出ないものの、DSと同じグループ傘下であるドイツのブランド『オペル』が、新たなワークスチームとしてフォーミュラEに参戦するのではないかという憶測も飛び交っている状況だ。
■DSオートモビルのフォーミュラE参戦における主な記録
・142レース
・4つのチャンピオンタイトル
・18勝
・55回の表彰台
・26回のポールポジション
[オートスポーツweb 2026年03月20日]