スバルがスーパー耐久に新投入するハイパフォX IIはホワイトボディから刷新。速く、よく曲がるクルマを目標に進化多数

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2026年03月21日 22:10  AUTOSPORT web

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SUBARU HIGH PERFORMACE X Version II(伊藤和広/山内英輝/井口卓人/花沢雅史) 2026スーパー耐久第1戦もてぎ
 スバルは3月21日、ENEOSスーパー耐久シリーズ2026 Empowered by BRIDGESTONEが開催されている栃木県のモビリティリゾートもてぎでメディア向けのプレスブリーフィングを開催。今季からTeam SDA Engineeringが新投入する『SUBARU HIGH PERFORMACE X Version II』の詳細と、2026年4月1日付けで新設される『スポーツ車両企画室』について説明した。

 2022年からカーボンニュートラル燃料(CNF)を使用してスーパー耐久に参戦しているスバル。2024年第2戦までを『Team SDA Engineering BRZ CNF Concept』、第3戦から2025年第7戦までを『HIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPT』で戦ってきたが、2026年からはハッチバックボディのHIGH PERFORMACE X Version IIで新たな挑戦を開始する。

 新型車“ハイパフォX II”の概要は、すでに3月12日に発表されていたが、今回は同車の実戦デビューとなる2026年第1戦が開催されているモビリティリゾートもてぎでプレスブリーフィングが行われ、マシンの進化点がTeam SDA Engineeringの伊藤奨監督兼チーフエンジニアから説明された。

 昨年までのハイパフォXでは、ベースとなるWRX S4の量産ボディにスポット増しやフレーム強化、軽量化などを基本的に行わず、確認できた弱い部分を補強パーツで改善していくという流れで行ってきたが、今回の新型車両ではホワイトボディから刷新。足まわりも新製アップライトとロアアーム、片側50mmのワイドトレッド化などを施しているという。

「技術もかなり上がってきたので、これまでの知見を活かしてホワイトボディの剛性などをしっかりと強めています。具体的には、フロントタイヤで発生した力をしっかりとリヤタイヤまで線形に力を伝えることに着目し、ボディを通るよりもより早くリヤタイヤに力を伝えてパワーロスを減らすことを意識してサイドシルといったシャシーまわりの剛性を強化しています」と伊藤監督兼チーフエンジニア。

「外装ですが、セダンに対してハッチバックはやはり空力的に少し厳しい部分があります。そういった空力についても制作をしています。特徴的なのはリヤウイングで、昨年までと同様に弊社の航空宇宙カンパニーと共同開発を行って形状を開発し、材質には再生カーボンを使用しています」

「リヤディフューザーやフロントフェンダーにもダクトが空いています。これはタイヤハウスからの空気を取り入れる/出すという空力面での効果をしっかりと取り入れて制作しています。また、空力特性を作っていくうえで社内の協力も非常に増えてきていて、CD/CL値といったクルマの空力を見ている部署も参加しており、先日もHIGH PERFORMACE X Version IIを風洞に入れて空力特性を測定しました。そういったことも頻繁に行われるようになってきています」

 エンジンは昨年までのHIGH PERFORMANCE X FUTURE CONCEPTから継続となるFA24型水平対向ツインスクロールターボエンジンを搭載。出力は市販車から約100psアップの最大出力364ps、最大トルクも同様に100Nm上昇した375Nmを誇る。使用燃料はエネオスのE20低炭素燃料に対応しつつ、今後はインタークーラーや強度アップによる出力向上も狙うという。

 駆動系についても従来マシンから継続となるが、よりフロントタイヤを伝えるようにするためドライバーズコントロールセンターデフ(DCCD)とを改良。ギヤ比をVAB型WRX STIの41:59から、ハイパフォX IIでは34:66にすることで「より蛇行を小さく、速く走れる」クルマに仕上がっている。

 また、内装でもドライバー4名がレース中に使用するボタンの頻度や傾向などを分析し、使用頻度の高いスイッチをドライバーが操作しやすい場所に最適化。センターコンソールには再生カーボンを含有する樹脂製パネルを使用した。2026年シーズンには燃料でも「新しいトライ」を検討しているとのことだ。

 この生まれ変わったHIGH PERFORMACE X Version IIをドライブするひとりの井口卓人は「走行しているときにクルマのしっかり感、剛性の高さみたいな部分は感じています」と高評価する。

「レースウイーク中にセッティングをいろいろと変更してるなかでも反応感が良く、セット変更に対する挙動がわかりやすく出てくれます。そういった意味では、乗りやすさはもちろんですが、セットアップの確認もしやすくなりましたね」

 そのHIGH PERFORMACE X Version IIの初戦は3月22日に行われる2026スーパー耐久第1戦もてぎのレース2決勝。すでに予選ではST-2クラスのマシンと遜色ないタイムを記録しているが「もう少し上にいけるのではないか、という想定はもう少しあります」と言い、まずはレースの完走を第一目標に掲げた。

「昨日がウエットコンディションだったので、最終的な詰めをしっかりとできてないのは新型車ならではですし、『もうちょっとこうしたいな』というバランスもあったと思います。決勝ではそのあたりをしっかりと確認しながら次に繋がるようなレースにしたいですし、開幕戦ということで、ノートラブルで4時間レースをまずはしっかりと走り切り、データを取ることが一番重要だと思っています」

 関係者のみならず、ファンからの注目度も高いHIGH PERFORMACE X Version II。ST-Qクラスは開発車両ということで賞典外にはなるが、他クラスとの混走デビューレースでどのような走りをみせてくれるだろうか。

[オートスポーツweb 2026年03月21日]

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