
2026年秋放送開始のNHK連続テレビ小説『ブラッサム』の出演者が発表された。内容は、明治から昭和にかけて自由を求めて走り続けた作家の宇野千代をモデルとした物語である。主人公を演じるのは石橋静河。彼女が演じる宇野千代とは、どんな女性だったのか?
女性実業家の先駆者としても活躍した宇野千代
1897年(明治30年)に山口県岩国に生まれた宇野千代は、幼少期から本を読むのが大好きで、芥川龍之介とも親交を持ち、1921年(大正10年)に作家デビュー。恋多き女として知られ、自らの体験を作品で描き、『色ざんげ』などの名作を残した。また、日本初のファッション誌『スタイル』の創刊、きものデザイナー、女性実業家の先駆者としても活躍。
結婚と離婚を繰り返すたびに家を建て替え(本人いわく11軒)、それを『私が建てた家』というエッセイにまとめるなど、まさに「全身小説家」として自由闊達に生きてきた女性だ。
1983年(昭和58年)、85歳のときに発表した自伝的小説『生きて行く私』は、数々の修羅場を楽天的に切り抜ける姿が反響を呼び、100万部を超える大ベストセラーになった。その後も、ポジティブな生き方を提唱するエッセイを多数発表。「幸福教教祖」とまで呼ばれるようになった。
そんなエネルギッシュな宇野千代だが、実は17〜18年の長きにわたり、1行も文章が書けない大スランプに陥ったことがある。彼女がスランプから脱出できたのは、同時代を生きてきた思想家・中村天風の教えのおかげだったという。
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大スランプに陥っていたとき中村天風に出会う
昨年10月発売『中村天風 人生の「主人公」になる教え』の著者・堀田孝之さんは、次のように語る。
「宇野千代さんは、大スランプに陥っていたとき、中村天風に出会ったそうです。天風の教えに励まされて、『書けると信念すれば書ける』と確信し、以降『蘇生したように書き始めた』と回想されています。宇野千代さんは中村天風の講話をまとめた本も発表しているほど、天風哲学に大きく影響を受け、98歳で亡くなるまでポジティブな生き方をまっとうしたのです」
中村天風の教えをひと言でまとめるなら、「究極のポジティブ思考」だといえる。どうすればポジティブな気持ちを維持できるのか、具体的な実践法を含めて教えてくれるのだ。
宇野千代のみならず、各界の著名人には中村天風の教えに影響を受けた人が、時代を超えて少なくない。松下幸之助、稲盛和夫などの実業家、大谷翔平、松岡修造などのアスリート、作家の吉本ばななやタレントのMEGUMIなど、中村天風の教えに感銘を受けたことを公言している。最近もあるテレビ番組で長嶋一茂が「人生を変えた本」に中村天風の著書『成功の実現』を挙げてる。
宇野千代のように、仕事のスランプや生活の行きづまりを感じている人は、中村天風の教えが解決のためのヒントを与えてくれるかもしれない。
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そして、連続テレビ小説『ブラッサム』でも宇野千代の心の支えだった天風哲学が描かれるのか、期待して見守りたい。
